どうしよう!?
…此処は?
意識が戻ったみたいだ。
少し視界がぼやけている。
薄暗い所に居るのが分かる。
目がハッキリ見える様になり、俺は辺りを見回してみる。
此処は路地裏みたいだ。だから暗かったのか。横から光が少しだけ差し込んでいる。
此所は何処なのか。その謎を解明するために、俺はそこら辺を歩いて探索してみる事にした。
うーん。あれからしばらく歩いているのだが全く足音がしない。何故だろう。
まさか…今裸足なのか?だとしたら足が痛むはずだ。
路地裏を出て少し歩いているのだが、どうも目線が低い。
人間の膝よりも低いのだ。
少し歩き、すぐ近くに若者が出入りする洋服屋さんを見つけた。そのお店にはショーウインドウがあり、俺は丁度良いと思い、そこで自分の姿を見ることにした。
俺が見た姿、それは紛れもない黒猫だった。
え?
くろねこ?
黒…猫!?
「ニャーー!?」
びっくりして飛び上がる。
街の人達は、不思議そうに俺の方を見た。
そりゃ気になるだろうな。
だって、街中で黒猫が飛び上がっているのだから。
ぐきゅるるるる…
猫になって三日の俺にピンチが訪れた。
お腹が空いたのだ。
しかも、結構ヤバい。
三日間、何も食べていない。
お腹と背中がくっつきそうだ。
お腹が空いて死にそうだ。
ヤバい、視界がぼやけてきた。
また、死ぬのか…
『また』っていう言い方もあれだが、実際そうなのだから使うしかない。
さようなら、俺のしがない人生。
今度こそ終わりだ。
もう、駄目だ。
そう思った瞬間、俺の目の前が真っ暗になった。