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イシュト大陸物語  作者: 明星
力の証明
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第34話

人影はアッシュの助けを求める声に気が付いた。

彼らは道の端に寄り、それぞれが馬から降りると、弓に矢をつがえている。

「お前たち、戦えるのか!」

一人がアッシュ達へ向かって叫ぶ。

はい、と答えるアッシュの声に、ならば俺達の後ろで止まれ、と男は再び叫んだ。


弓を構える男達の横を通りすぎ、馬を停止させる。

急いで三人は荷馬車から降りるとその男達へと駆け寄った。

「お前達、冒険者か?」

そう聞いてくる男は近づいてくるリザードマンを見ても特に慌てる様子がない。

「すまないが矢は残り少ない。合図を出したら一斉に斬り込むぞ」

言い終わると同時に一斉に矢が放たれ、素早く二本目の矢がつがえられ再度、放たれる。

前を走る五匹がその矢に倒れたが、それでも後ろにはまだ多くのリザードマンがいる。

「突撃!」

二本目の矢を放った直後、既に武器を抜き放っていた四人の男はその声を合図に走り出す。

アッシュ達も慌ててそれに続いた。


その後はひどい乱戦だった。

ある程度の数を減らしたかに思えた直後、リザードマンは後からどんどん合流してくる。

しかし四人組の冒険者がかなりの腕だったことが幸いし、その数は少しずつ減っていった。

周辺の状況が分からない中でアッシュが何匹目かのリザードマンを斬り伏せたとき、顔を上げると周りが静かになっていた。

改めて見回す周囲一面にはリザードマンの死体。

アッシュは肩で息をしながらディーンとヴェラの姿を探すと、少し遠くに二人の無事な姿が確認できた。


「大丈夫か?」

まだ呼吸の整わないアッシュへ声が掛かる。

振り向くと冒険者の男が剣を納めながらこちらに近づいてきている。

「しかしまぁ、何をしたらこんだけの数に追い掛けられるんだ?」

周りを見回しながら、助けてくれた冒険者は呆れたようにぼやいた。

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