第31話
それから数日間、アッシュ達はリザードマンの拠点を攻撃し、武器を奪って回った。
始めはリザードマンの攻撃に戸惑うこともあったが、慣れてしまえばどうということはない、と言えるくらいにはアッシュとディーンも戦う力を身に付けていた。今では危なげなく倒すことができる。
荷馬車の護衛はファングにお願いした。
こちらも始めはファングを見た馬の反応に手を焼いたものだが、ファングに敵意がないことが伝わったのか今では大人しくファングを荷台に乗せている。
結果として剣と斧や棍棒、槍など様々な武器といくつかの防具を集めることができた。
とはいえまだまだ人の立ち入ることの少ない地域の為、手に入った武器はほとんどが動物の爪や牙等から作られた前時代的なものだったが、使い捨てることを考えればこれで十分だった。
「そろそろいいんじゃないか?」
馬を歩かせながらアッシュが振り返る。
荷台にはこれまでに集めた武器が束ねられている。
「そうだね、近場はだいたい回ったはずだし、この辺までにしとこうかね」
これ以上攻撃する拠点の範囲を広げてしまうと、収穫に対して浪費する移動時間が割りに合わなくなってしまう。
三人は明日一日を休日とし、明後日の朝、第三中継基地へ出発することにした。




