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イシュト大陸物語  作者: 明星
力の証明
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第30話

勢いよく突き出される槍を盾で反らしながら踏み込む。

斜め下へと振り下ろしたアッシュの剣は、リザードマンの三日月型の盾に防がれ、月の欠けた部分から槍が飛び出し迎撃される。

体を捻ってそれをかわすと今度は斜め上へと切り上げた。しかしこの攻撃もまた、リザードマンの盾に阻まれてしまう。


見かけよりも力のあるリザードマンは盾で受け止めたまま微動だにせず、押し切るとこができない。

膠着状態の中、リザードマンが槍を逆手に持ち替えて腕を振り上げ、槍の先端をアッシュに向かって振り下ろしてきた。

その時、リザードマンの動きが止まり、その腕には鞭が絡み付いていた。

既に残りのリザードマンを倒したヴェラが、リザードマンの振り上げた腕に鞭を絡めて引っ張っていたのだ。

リザードマンの注意がヴェラへと移った一瞬、その場から一歩引いたアッシュがリザードマンの首へ向かって剣を切り上げる。

派手に頭を飛ばされ、切り口から液体を撒き散らしながらリザードマンは絶命した。


「すまない、助かった」

アッシュが深く息を吐き出す。

「気にすることはないよ。あんたがいなけりゃ奇襲なんて大胆な作戦はとれないんだ。それに端から見てたらいい動きをしてたよ」

「そう言ってもらえると助かる」

さて、とヴェラは早速リザードマンの持っていた武器を集め始めた。

「ネバネバに汚されちまう前に装備を頂こうかね」

と笑いながら。

魔物であるリザードマンが粘液へと変わる前に、2人は急いで装備を回収したのだった。


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