表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イシュト大陸物語  作者: 明星
力の証明
72/408

第28話

「じゃあ、行ってくる」

装備を点検しながらアッシュとヴェラがディーンに手を振る。

「いってらっしゃい。馬車の護衛は任せてよ」

猪との戦いで負傷した足がまだ完治していないディーンは今日のところは馬車へ残ることになり、アッシュとヴェラが連れ立って沼地へ入っていくのを見送った。


「君は行かなくていいのかい?ファング」

そのディーンの足元にファングが体を丸め座っている。尻尾を振ることで返事としたのかそれ以上の反応はなかった。

「わかったよ、じゃあ二人で一緒にお留守番だね」

そう言うとディーンはここのところ少しおざなりになっていた武器の手入れを始めたのだった。


「肩は、もういいのか」

先行するアッシュが後ろのヴェラへ声を投げ掛ける。

「ああ、リザードマン相手なら支障はないよ」

ここに来るまでにリザードマンの説明はヴェラがしていた。

二足歩行するトカゲ、魔物に分類されるその生き物は手に各々武器を持ち、共同体を作り生活する。

多少の知能もあり、今までの相手にはなかった戦いに関する技術を持つ。

リザードマン達の使う武器は主に動物の部位を使った原始的なものだったが、人間の侵攻に伴い質の良い物へ変わってきているという。侵攻してきた人間から武器を奪うからだ。

「だからまぁ、今回は人間がその武器を奪い返す番ってことだね」

そう言ってヴェラはカラカラと笑っていた。


しばらく沼地を進むと、それは見えてきた。

雑ではあるが木を組んだ家のようなもの。そしてその周りで思い思い過ごしているリザードマン達。

家の数が四つ、リザードマンの数も四匹。この共同体にいるリザードマンは今見える分で全部のようだ。


「奇襲をかけるよ」

二人は低い姿勢のままリザードマン達の裏に回る。

「あたしは奥の一匹を狙う。あんたは手前のを頼むよ」

その指示に頷きアッシュが剣を手にとり、ヴェラは短剣を逆手に持ち、一気に走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ