表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イシュト大陸物語  作者: 明星
力の証明
58/408

第14話

今日も天気に恵まれ、岩の上で待つ二人は他愛もない話をしている。


アーマードの町を一旦北に出て、石窟のあった沼地一帯を迂回する形で伸びる街道を西に向かう。

町を出て数日後、町と沼地の深部を繋ぐ街道沿いにある拠点、第一中継基地へと辿り着いた。

そこは元は閑散とした村だったが、沼の深部の開発の為に中継基地として選ばれ、今では過去の面影がないほど栄えている。

村の人間の収穫物は中継基地で商人が買い取り、村人はそのお金で必要な物を依頼し、次回の物資輸送の際に町から取り寄せてもらう。

そうやって経済が回り始めると、どこからそれを知ったのか続々と人が集まってきたのだ。

その第一中継基地からしばらく北に歩き、ファングの案内に任せ辿り着いたのがこの湿地帯だった。


先程討伐したジャイアントエイプ達は、これまで幾度となく輸送されている物資を奪い、その為に討伐の対象となった。

オーガ程ではないにせよその動きには慣れておいた方がいい、というヴェラの提案で一つ目の依頼がこれに決まったのだった。


「戦ってみて、どうだった?」

アッシュが左手を開いたり閉じたりしている。

その手はエイプの攻撃でまだ少し痺れていた。

「特に難しい相手だとは思わなかったよ」

「そうだな、先にオークと戦ったからか、あの大きなエイプと対峙しても緊張はなかったな」

転がるエイプ達を見て、ディーンがある事に気が付いた。

「先に倒した三体、あれは全部雌で、最後のエイプだけが雄だったんだね」

倒れるエイプの体の大きさの違いは、どうやらそのまま性別の違いになっているようだった。

「そうか、だからヴェラのやり方に怒りはしても、怖がることはなかったんだな」

ゴブリンやオーク等の魔物と違って、ジャイアントエイプはそういった「生き物」だ。

依頼の為に他の生き物を殺す、その事に少しだけ心が重くなる二人だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ