第4話
「それなら」
と、それまで黙っていたアッシュが口を開いた。
「俺達が協力する、というのでは駄目でしょうか」
カヴァルにはアッシュかディーンがそう言うのではと予想できていたのであろう。すぐに答えが返ってきた。
「それでも、無理だよ。君達なら損得を抜きにして協力を申し出るのではないかと思っておった。が、さっき私が言った実績のある仲間を、というのは半分は君達に向けて言った言葉なんだ」
それはつまりアッシュとディーンではまだ調査を任せられるほどの信用も信頼もないということだった。
「きついことを言ってすまないね」
申し訳なさそうに謝るカヴァルは、ただ自分の職務を全うしているだけなのだと、アッシュ達も理解している。
「いえ、おっしゃるとおりです。俺達はまだ何の実績も上げていません」
諦めるしかないが、諦めたくない。そういった空気の漂う中誰もが無言だった。
それを見兼ねたカヴァルが口を開いた。
「断っておいて何だが、方法がないわけではないんだよ。ただしこれには大変な危険が伴う」
言いにくそうに、カヴァルが続ける。
「アッシュ君達がヴェラ君に協力するというのなら、問題は一つ消える。そうなると問題は後一つ、実績がないということだ。幸い石のことは急ぎではないからね、少しならこちらで預かっておこう。その間に、作るしかあるまい?誰もが納得する実績というのを」




