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イシュト大陸物語  作者: 明星
残穢
222/408

26頁

私はうまくお話できましたか?

久しぶりにお話をするのは、とても緊張することでした。

私の言葉や態度に、嫌な思いをされてなければよいのですが。


アッシュさん、ディーンさん。あなた達のお陰で、私は得るはずのないものを得ました。

あなた達のこれからの人生が素晴らしいものになるように、私は心から願っています。


ヴェラさん。何度謝っても謝りきれません。許して欲しいなどと図々しいことも言えません。ただ、どうか、その長い人生の中、幸せになってください。私ができなかったことをたくさんして下さい。



私は何も残せなかった。何も成し得なかった。

でも、一つだけお願いがあるのです。

どんな感情でも構いません。私の名前を覚えておいてもらえませんか?

村が、家族が消えたあの日から、私は誰からもその名で呼ばれることがありませんでした。

占い師と呼ばれ、聖女と呼ばれ、そして一人になりました。だから私の名前を、誰も知らない。

私が生きた証に、私が死んだ後は占い師でも聖女でもなく、一人の人間として名前を覚えておいてもらいたいのです。



私の名前は、ロゼッタ。

遠い昔に滅んだ小さな村で生まれた一人の人間、ロゼッタです。

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