表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イシュト大陸物語  作者: 明星
館に蠢く
14/408

第1話

体力の回復を待つ為に、アッシュ達はしばらくの間村に滞在していた。

数日の後、アッシュの左手はまだ折れたままだったが体全体を襲う痛みは引いてきた為、旅に支障がないと判断して二人は村を出ることにした。

目指すアーマードの街まで徒歩で向かえば、到着までまだまだ日が掛かる。その間に腕を動かせるようになればいいとアッシュは判断したのだ。


今ではすっかり顔馴染みとなった村長へ挨拶を済ませて報酬を受けとる。

ゴブリン退治にしては大袈裟な金額と、干し肉や焼き固めたパンなどの食料までもらった。

更に、「これを冒険者組合の代表へ渡しなさい」と言って手渡されたのは1通の手紙。

その手紙には今回の依頼内容と成果、それと2人の立てた推測についてが書かれているとのことだった。

お礼を言う2人に村長は笑顔で答える。

「なに、礼を言うのは儂らの方だよ。あの洞窟にあったガラクタはちょっとした宝の山だったからね」と。

どうやら二人とっては無価値なものでも村としては修理して使えたり、換金できるものもあったようだ。

特にオークの纏っていた毛皮は商人に高く売れそうだと村長は笑った。


村長と数人の村人に見送られながら村を出る。

しばらくすると、いつの間にかファングが隣を歩いていた。ファングは二人が街や村にいる間は外で隠れて待っているが、特にこちらから呼ばなくてもこうして合流してくれる。

それができるのは、長い時間を一緒に過ごしてきたアッシュとファングの間に出来た絆によるものだった。


左手に緑の壁のように続く原生林を見ながら街道を進む。

これまで何人かの冒険者や何組かの商隊とすれ違い、追い越されながら順調に旅は続いていた。

しかし今、街道の先には争うような姿が見える。

倒れた荷馬車と二つの人影、そしてその周りを飛び跳ねるいくつかの小さな影。その小さな影の正体は原生林から飛び出てきたゴブリンだった。

突然目の前に現れたゴブリン達に馬が驚き、嘶いている。荷台はひっくり返り、落ちた積み荷をゴブリン達が漁っていた。

数は全部で五匹。

アッシュとディーン、そしてファングが駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ