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イシュト大陸物語  作者: 明星
啼泣
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第13話

アッシュとディーンは同じ部屋に、ヴェラは別の部屋へと案内された。

ヴェラは同室で構わないと言っていたのだが、アッシュがそれを拒否した。

異性が同じ部屋にいるのは、非常に落ち着かないからだった。幸い今日の泊まり客はアッシュ達以外にいなかった為、部屋は空いていた。


2人は部屋に入って驚いた。部屋の中は掃除が行き届き、簡素なベッドの上には白く清潔なシーツが掛かっていたからだ。

「すごいですね、町の宿屋のようです」

「こんな田舎なのに、ですか?」

ディーンの言葉に悪戯っぽくリオが返す。

「い、いえ、そういう意味ではないんですが」

「すみません、冗談です。皆さん驚かれますけど、これもニコルさんにとっては当たり前の事なんだそうですよ。村に寄ってもらった上に、お金を払って泊まっていってくれるのだから、ゆっくり休んで貰えるようにするのが自分の仕事だって」

先程怒鳴られて泣いていた時とは別人のような明るい笑顔でリオは話す。

「でもそれなら尚更、いいんですか?ただで泊めてもらって」

「ええ、もちろんです。お父さんのお知り合いの方ですし、皆さんが届けてくれたお金はニコルさんにとってすごく大切なものですから」

「君に渡してほしいとオーエンさんから預かってきたお金なんだけど、ニコルさんでいいのかい?」

「はい、あんなにたくさんのお金を私が持っていても、この村では使い道がありませんから。だからニコルさんに渡して村の為に使ってもらってるんです。村が大きくなればお父さんが帰ってきたとき喜んでくれるでしょうし」

何かあれば呼んでください、そう言い残しリオは階段を降りていった。

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