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イシュト大陸物語  作者: 明星
啼泣
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第12話

「あ、おかえりなさい、ニコルさん」

リオはパタパタと走り、にこるへと駆け寄った。

「ダンさんが怒鳴ってたと村の人に教えてもらったから、急いで戻ってきたんだけど大丈夫だったかい?」

「はい、こちらの方々に助けて頂きました」

ニコルは三人に近づき改めて名乗ると、手を差し出してきた。それにアッシュが応える。

「はじめまして、ニコルと申します。この度はリオを助けて頂きありがとうございました。ダンさんも悪い人ではないんですが、今のやり方になかなか馴染んでいただけなくて」

「ニ、ニコルさん」

話が逸れるのをリオが慌てて止める。

「あ、すみません、旅の方にするような話ではないですね。それよりも兄さんの話を聞かせてもらわないと今日一日リオが仕事をしてくれなさそうです。お願いできますか?」


三人には意外だった。

オーエンの弟というからにはオーエンと同じ雰囲気を想像していたのだが、外見も性格もオーエンとは違い、ずいぶんと穏やかだったからだ。

オーエンの近況を説明するなかで、アッシュが不用意にその事を口にしてしまいヴェラに膝を蹴られたが、ニコルは笑って答えてくれた。

「兄さんは昔からあんな感じでした。強くて、人の中心にいて。僕には戦う力はありませんでしたが、少し算数ができましたので、こうして村に残って商売をしているんです」

「ニコルさんがいなかったらこの村は小さいままだったんです」

リオがまるで自分の事のように自慢気に言う。

「その話は一先ず後にして、まずはお客様を部屋へ案内してください」

そんなリオの頭に手を乗せ、ニコルは笑いながら言った。

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