表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イシュト大陸物語  作者: 明星
初陣
11/408

第11話

ファングに引き摺られ、広場を出る頃になってようやくアッシュは自力で立ち上がることができた。

今、アッシュとファングは洞窟の入り口に向かって逃げている。

後ろからは噛まれた足を引き摺りながらオークが追いかけてきている。

アッシュは体全体を襲う激痛によって速く走ることができず、徐々にオークとの差は縮まってきていた。


ようやく分かれ道まで辿り着き、入り口の方へ曲がると先程までなかった家畜の死骸が片方に積まれ、通路を狭めていた。

ディーンの仕業だ。

アッシュとファングは楽に横を通り抜けられたが、体の大きなオークは抜け出すのに手間取り、また少しだけ引き離すことができた。


通路を半分ほど進んだところで足を止めて振り返り、アッシュはオークが死骸の横を抜け出したことを確認すると、体の痛みをこらえ、気合いの声をあげながらオークに向かって駆け出した。

走るアッシュの前をファングが位置取り、アッシュよりも早くオークへ向かう。

それを見たオークは棍棒を振りかぶり、迎撃する体勢をとった。

直後、オークの体が揺れ、その背中には手斧が深々と刺さっていた。

その一撃は、通路に積まれた家畜の死骸の山に隠れていたディーンによるものだった。


しかしオークは振り向けない。眼前にはアッシュとファングが迫っているからだ。

オークは後ろを気にするのを止め、全力で棍棒を振り下ろした。

だが、降り下ろしたその軌道は壁を蹴り横から腕へ噛みついてきたファングによって逸らされる。

逸らされた棍棒と交差するように振り上げたアッシュの剣が、オークの体へと深く斬り込まれた。


動きの止まったオークから剣を引き抜き、今度は胸を突き刺す。

後ろではディーンが細剣を抜き放ち、後頭部から脳天へと突き上げた。

ゴポリと口からどす黒い液体を吐きながらオークはその場に倒れ、絶命した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ