花子さんを呼んではいけない。この話は終わるが。
驚異の低アクセスにめげそうですが書きます。(昔はよかったなー)
花子さんの両親の遺体はすぐに町のひとたちに発見されました。
夏場だったのですぐに異臭が発生したからです。
花子さんは発見されません。
夫婦が心中自殺したことはあきらかですが、花子さんはいない。
m町のひとたちは総出で花子さんを捜索しました。しかし誰もまさか夏休みの小学校の便所に投げ捨てられたことを想像できなかったのです。
日が暮れたころ、町の警察や役場のひとたちは捜索を止めることを決断しました。
近いうちに、m町に米軍が進駐して来るという情報が入ったからです。つまりこの地域に、未解決の事故や事件があると米軍が介入するおそれがある。相手は戦勝国でしかも武装している、どんな『介入』をするかわからない。
もめごとを起こしたくない。
それで警察も役場のほうも、『花子さん一家は終戦の報を聞いたあと家の主人が突然辞表を出してその後どこかに失踪した』ということにしたのです。警察も役場も関係資料をねつ造して、町のひとたちには口を閉ざすように命令をしました。
一家失踪ですからお葬式はできない。花子さんの両親の遺体は無縁仏に埋めました。
そして花子さんはいない。
そんな子は最初からいない!
そう決めたのです。
---m町小学校は今では鉄筋コンクリート造りの新校舎になりました。
便所も水洗トイレに変わりました。
でも、気をつけることです。
学校のトイレで花子さんの名を呼んではいけません。
そうしていれば花子さんはずっと幽界にいるだけです。
でも、死んだ人の名を呼べば、その人は還って来るのです。
時と場所をわきまえること。
子供が事故や事件の現場なんて行くものではないし、事故や事件を面白がるもんじゃありません!
この作品の下書きを書いていたら、(私はそういうタイプです)郵便受けに何かが投げ込まれました。
見てみると、マイナンバー制度のお知らせのチラシ。見本の名前の欄に花子・・・
・・・偶然ですよね。




