1/1
プロローグ ー前奏ー
春。桜。心地よい風。新入生の入学を祝福するように、私立星奏学園にも、春が訪れていた。
校門に集まる新入生の中で、ひときわ目を引く少女がいた。茶色の髪をサイドポニーにまとめ、その髪には鮮やかなオレンジのメッシュが入っている。端から見たらかなり奇抜な髪型かもしれない。
だが、彼女には驚くほど似合っていた。
時は少し前。世間を騒がせていたガールズバンドが存在していた。中学生とは思えない圧倒的な技術力。彼女たちは瞬く間に人気を獲得していった。
ーだが、今は存在しない。
「メンバー間の方向性の違いによる解散」
その一文だけを残して、彼女たちは突然姿を消した。
またいつかどこかで、彼女たちが活躍する姿を見ることは叶うのだろうか。
その答えの鍵を、この春、一人の少女が握ることになる。
その少女の名はーー未来結愛。
これは彼女たちの未完成の物語だ。




