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勇者と魔王の遊戯〜責務から逃げた勇者と魔王の旅ーしかし、その旅は世界の運命を変える始まりであった〜  作者: 大乃正生
王国編

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第二十七話 「予選Cグループ」


Bグループの予選も終わり、次はCグループの予選となり予選も半分が終わった。

アルディーナが目を付けた選手は、Bグループの中で目立っていた二人である


グレース・ドレイク・ウォーカーと

アムス・ウォード・ハルター。

という貴族の二人。話しかけようかと考えていたアルディーナだが、集中力を切らすのも悪いかと思い話しかけずにいた。


アルディーナが話しかけようかと思いながら、グレースとアムスを見たとき、演舞場内と同じように言い争いをしていた。

言い争いをやめない二人に苦笑いしつつ、気遣いを持って離れたアルディーナであった。


そして、また演舞場が見える場所に移動しCグループの予選を見てしっかりと情報を集めようと集中し始める。

アルディーナが集中を始めたとき、エミリーの声が会場に響く。


「さてさてさて!AグループとBグループと終わり、今からはCグループの予選だぁぁぁ!!!Aグループでは、見たことのない選手が活躍しBグループでは貴族が活躍した!それじゃあ、Cグループで活躍するのは誰だぁぁぁ!!?」


エミリーが今までの予選のざっくりとしたおさらいとCグループの予選の期待を膨らませていた。


因みに、アルディーナはエミリーの実況を地味に気に入り微笑んでいた。

閑話休題


Cグループの選手たちが演舞場に入場していく。


「選手たちの入場だぁ!Aグループには城を作ったイケメンがいた!Bグループには、癪だけど貴族のイケメンがいた!けれど、Cグループはおっさんしかいないぞぉ!?」


エミリーの言葉に、会場の女性たちから笑いが起こる。クスクスと笑ったり、確かにと同調したりとさまざまな声が聞こえてくる。しかし、それ以上に男たちの声の方が大きかった。


「俺はオメェらおっさんを応援するぞ!」

「男はいつかおっさんになるんだ!」

「エミリーちゃぁん!ひどいよぉ!」

「俺も…俺だってぇ!」

「...まぁ、オレはイケメンだな」

「黙ってろジジィ!!」


観客席からは、同じおっさん仲間として選手を応援するものや慰めるやつなどさまざまな声が聞こえてきていた。


そんな中で、予選の開始が宣言される。宣言されたと同時に、演舞場のど真ん中にて火の竜巻のようなものが発生し、空に向かって飛んでいくのが見える。


「この俺、ジョン様がこのCグループを突破するイケメンだぁ!」


そう高らかに宣言し、スタートダッシュを決める男、ジョン。オールバックの髪型で、眉毛がない人相の悪い男。

そのジョンの言葉に笑ったり、技に関心する者がいる。


関心していたが、火の竜巻が観客席の方へ軌道を変え突っ込んでいく。観客席からは悲鳴が上がる。


しかし、そのジョンが放った火の竜巻をかき消す存在がいた。

それは、髪型がリーゼントのようでありもみあげが濃く、目つきの鋭い男。


「俺の火炎竜巻が消えた...?」


「火が客に当たったら危ねぇだろ!」


そう怒鳴りながら、火を消した男。

どうやって消したのか、それはこの男の背後に存在する巨人の上半身のようなもの。


それは、魔力の塊であり、男の半身でもある。その巨人を操り火の竜巻を両手で握り潰すように消し去り存在感を放っていた。


「お、俺様の火炎竜巻を...!?お、お前何もんだ!?」


「オレは...オレは、グスチン・ポレナーレだ」


巨人の魔法を使った男が名前を言った瞬間、今まで騒がしかった会場が静かになる。そして、次の瞬間エミリーが話す。


「グスチン・ポレナーレぇぇ!!?なんて下品な名前なんだァァ!?」


その言葉に会場の男たちが爆笑し、女性は「やだ...」と嫌悪感を出したり、恥ずかしかったりしていた。


「...クソが」


名前を馬鹿にされても、グスチンは悪態を吐くだけで言い返そうとはしなかった。そのグスチンに近付く者がいた。


「よく、耐えているな」


「あ?」


「そう凄むでない。私はカガミと言う」


カガミと名乗った男は、ハゲ頭に浴衣を着ており首には大きな数珠のようなネックレスをかけていた。


「それで、アンタは何か用かよ?」


「...いや、なに。このように言われているのに何も言い返さないのが素晴らしいと思ってな」


「あぁ...言いたいやつらには、言わせておけばいいんだよ。まぁ、オレの限界を越えたらやり返すけどな」


グスチンとカガミが話している間にも演舞場ではさまざまな技が繰り広げられていた。その中で、カガミはまだ何もしていなかった。


「で、アンタは何もしねぇのかよ?」


「ふむ、そろそろ始めますかな」


カガミはそう言うと、首にしてある数珠を触る。すると、その数珠は弾け飛び、空中を飛び回。演舞場内に飛び交う魔法を、次々に消し去っていく。


「...なんだ、それ。服装も見たことねぇし...」


「私は、この国よりも東方にある〈火ノ国〉で僧侶をしている。服装も、この珠もその国由縁のものだ」


「...」


グスチンはカガミの言ったことを聞き、疑う理由もないため聞き入れそれ以上は踏み込まなかった。


「おぉ!!おじさんばかりと思っていたCグループも大盛り上がり!!すごいですねぇ!下品な名前の人もハゲのおっさんもすごい!最初の火の竜巻もド派手でした!Cグループは誰が勝ち上がるんだぁ!?」


エミリーの言葉が響いた時にCグループの予選も終わり、選手たちが帰っていく。

その選手たちを見ていたアルディーナとヴェスタリア。その中でヴェスタリアがアルディーナに言う


「アルディ、あの数珠の男。アイツ...」


「いや、転生者と断定はできないな。この世界には火ノ国という日本のような国があるからな」


「そうか...」


アルディーナの説明に納得しつつも、カガミのことを目で追いかけていた。

Cグループの予選も終わり、いよいよ魔王アルディーナの予選が始まる。


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