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『土下座三昧』

『土下座三昧』



今日はとても、良い日だったよ、おかげで、土下座三昧さ。何、簡単なことさ、土下座をすれば良いんだろ。土下座をすれば良いんだよ。毎日、毎日、来る日も、来る日も、関わる相手に、それは非常に、土下座三昧なんだ。



勿論、芥川龍之介の『戯作三昧』とは、一味も二味も違う、こっちは、戯作じゃなくて、土下座だからな。まあ、土下座をすれば、この世の大概は、笑顔で許されるらしいんだ。そうだろ、土下座をすれば、社会の一員になれるんだ。



ほら、土下座してみようよ。それも、土下座しながら、ひいひいと、泣けば良いんだ。ごめんなさい、ってね。土下座の価値は、相当高いと思われる。ヤクザだって、土下座すれば、おおかた、許してくれるんだよ、ほとんどね。



それにしても、俺はこれまで、精神的に、何度も土下座を見て来た。それは、本当に、神に懺悔して居るようで、何か崇高な感じすら受けたものだ。何と言っても、それが三昧になることで、カッコいいなと思う訳である。



社会の真ん中で、出会う人々に、早速、土下座三昧、俺は、流行りの土下座三昧を見ては、何だか、この世が平和になる日を、近く、それは本当に近く、感じたものだ。土下座したって、プライドを捨てる訳じゃない。寧ろ、神に救済されるための、土下座という行為なんだ。



そう思えば、俺たちは、というより我々は、社会、いや、国家単位で、土下座三昧だろ、という感覚すら萌芽するのであって、まさしく、土下座とは、土下座以上のものでもなければ、土下座以下のものでもないのである。

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