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逃げる本  作者: ピタピタ子
10/18

持ち帰り

イェニーとエックハルトは皆と別れてバンコクを観光した。

「水がかかったわ。」

彼女の服は濡れた。

「あなたにもかけるわ。仕返しよ。たくさん濡れて貰わないと。」

二人は水上マーケットにいた。

「おい、やめろ!」

「これで十分ね。」 

彼女は両手で彼の頬をおさえる。

「ここで濡れてもあなたはあなたね。」

そしてゆっくりとハグをする。

「この象の絵、素敵ね。いくらかしら?」 

「一つ200バーツです。」

「それなら3つで少し値引きはどうかしら?」

「イェニー、値引きなんて必要ないだろ?」

「時には値段交渉するのも旅行客と現地の人の楽しみよ。」

「それなら540バーツにします。」

売り子の女性は笑いかけた。

「二人とも仲睦まじい夫婦だからさらに値引きするわ。520バーツよ。」

「あなた商売上手ね。」

商品を買って、二人は売り子の女性と写真を撮った。

「これあなたの分よ。」

「ありがとう。」

二人は水上マーケットでご飯を食べる。

「こんな所に犬が寝てるわ。ここでは食べれないわ。」

彼女は彼の手を引っ張って静かに場所を変えた。

「野良犬なんて無理よ。」

「そもそも飼い犬と野良犬の区別がなさそうだけどな。」

「噛まれるかもしれないのよ。無理すぎるわ。」

昼ご飯を食べ終わると、上から川に浮かぶ船を眺めた。

「ハンナがパブでやってるゲームで賞金手に入れたみたいよ。」

「私達の娘がそんなことするなんて珍しいわ。」

「賭け事とかゲームとか否定して来たけど、少し考えを変えたみたいね。それからは特にそのお店を通ってないわ。」

「少しホコリが残ってるとよく怒られたわ。綺麗好きなのは良いけど、彼女はかなりの潔癖よ。」

「イェニーでも娘に怒られるくらいだからな。」

「そうよ。隅のホコリはたまに掃除するくらいで良いのよ。ハンナは求めるレベルが高いのよ。」

「ブルーノは面倒見の良い長男だな。顔色変えないで誰にでも接するし、自分の子供以外にもすぐ好かれるからな。」

家族写真を川に浮かんでるかのようにかざす。

「ブルーノは私達と一緒に下の子達の面倒見てたわね。」

「ブルーノは自分の会社もあるし、よくこっちにも来るし自慢の息子さ。」

話してると目の前で若者同士が口論していた。

「テメー、俺の女寝取っただろ?何平気な顔してるんだ!」

「良いこと教えてあげる。お前の彼女はお金でしか男を見てないんだよ。それにお前が常に威張ってるのが嫌いだったんだよ。」

「何言ってるのか分かってるのか?」

二人は殴り合いの喧嘩をした。

「何してるの。そこやめなさい。」

「何言ってるか分からないけど喧嘩してるみたいだな。ここは危ないから離れよう。」

しばらくすると銃声が聞こえた。

「キャーー!」

その場にいた数人が叫んだ。その場を数人が逃げた。

「イェニー、危ないから今はここに来てはいけない。」

「まさにこれが銃社会ね。」

「違法に銃を作ってる若者のようだな。」

タクシーに乗って駅に向かい、電車に乗ってる時に再び写真を見た。

「ねえ、ハニー。」

「何だ?」

「ウェルナーは絵のことばかりだし家族の集まりあまり参加しないし偏屈な所あるし、ハンナは潔癖で一度喋るとうるさいラジオみたいでイライラすることもあるかもしれないけど、自慢な息子と娘には変わりないわ。」

「イェニー。俺が子供達に期待しすぎたと言いたいのか?」

「そんなこと言ってないでしょ。あの若者達のこと見た?お金払って罪から逃れるんだろうけど、一時的な感情で殺人や暴行をおこしたのよ。ブルーノとは違ってかなり成功してるわけでは無いけど、二人とも非行などに走らず立派に育ったのよ。」

「そうか。世の中には非行に走る奴らもいるもんな。」

「それに非行に走れば自分で抜け出すことなんて難しいのよ。ニュースとかだって子供を失くした人だって見たことあるの。だからどんなに成功とかしなくてもここまで生きて来てくれたことに私は感謝するわ。社会とか世界の名誉なんて関係ない。ちゃんと生きてることに意味があるんだから。」

「あの若者達はどんなに逃げられても誰かに責められながら生きてくことになるな。それだったら、何か大きな犯罪とか起こさずにちゃんと育ってくれたから3人とも自慢の子供だな。」

二人は笑いあった。


「ここを背景に写真撮ってくれるかしら?」

「良いよ。写真撮るよ。」

ウェルナー達はワットプラケオにいた。

「人が多くて中々進めないわね。」

「お寺に来た感じしないな。」

「まるで遊園地みたいだな。」

「チャールズこの仏像の顔真似てみてよ。」

「こんな感じか?」

「似てないわ。私がしたほうが面白いわ。」

チャールズとエイミーはひたすら変顔をした。

「二人とも面白いわ。」

色んな国から来た観光客ばかりで、色んな国の言葉が聞こえる。

「ここに座らないで。」

「失礼。」

「座っちゃいけない所だったみたいだわ。」

「暑いから何か冷たいデザートとか買わない?」

彼らは涼しい所で休んでスムージーを飲んだ。

「ねえ、ラリーから何か来た?本の手がかりとか。」

「まだ何も来てないな。」

「それよりこの後デパートでお土産買おう。」

全員デパートに向かった。

「この象のポーチとかどうだ?結構たくさん入ってるし。」

「そうね。これならお土産に良いわね。」

「色んな形の石鹸あるわ。」

「ちょっと待って、今ラリーからメールが来た。」

「何だって?」

メールを確認する。

「誰が今本持ってるか分かったみたい。」

「おー、よかったじゃん。これとか可愛いわ。」

チャールズはイェニーに電話をした。

「もしもし、チャールズ、何のようかしら?」

「さっきラリーからメールが来て、今誰が持ってるか分かったみたいだ。持ってる人はカノム達の小さなパーティーに参加した女性だって。明日本を返してくれるみたい。待ち合わせはシーロム駅だって。」

「分かった。教えてくれてありがとう。」

イェニーは電話をきった。

「誰が本を持ってるのか分かったのか?」

「そうよ。パーティーに参加した時に本が鞄の中に入ったみたいよ。」

なんとパーティーしてた時に本がたまたま鞄の中に落ちてしまったのだ。

「そんな不運なことがまた続くのね。今日は危うく銃で殺されそうになったし、最近不運なことが多いわ。」

「あの時は確かにビックリしたな。でも今度こそ本が返ってくるから不安になることはない。」

「そうね。心配しすぎると旅もつまらなくなるわね。」

二人は前向きになった。

「このレストランに入ろう。」

アジアティーク・ザ・リバーフロントに入る。ここもまた夜景が綺麗な所だ。

「何かショーがやってるみたいよ。入ってる見る?」

「これニューハーフショーだ。私はイェニーだけ見れれば十分さ。」

「あらやだ。危うく入る所だったわ。」

イェニーは若いタイの女性と目が合った。

「私達何かしたかしら?」

「たまたま目が合っただけでしょ。」

夜景を見ながら夜を過ごした。

「そろそろホテルに戻ろう。」

二人はホテルに戻った。

「父さんと母さんは今日どこに行ってたんだ?」

「私達は水上マーケットで買い物したり、船とかをみたりしたわ。」

「絵も買ったんだぞ。」

一つの絵をウェルナーに渡す。

「この絵の象、カラフルで面白いな。画家の名刺とかは持ってるか?」

「持ってないわ。あの時の売り子さんがあの絵を描いたかも分からないわ。」

「そうか。お寺とかは行ったの?」

「もちろん、ワットプラケオに寄ったよ。すごい人だった。」

「その後夫婦でアジアティークでご飯を食べて、夜景を見たんだ。すごい良い一日だったな。」

「良かったな。俺達はお寺を観光したよ。その後、暑すぎて美術館行ったり、デパートに行ったりしたよ。」

観光した所の話をした。

「明日、昼頃に本持ってる女性が来たから忘れないで。」

「分かったわ。」

また夜が過ぎる。

次の日になると、シーロム駅で待ち合わせをした。

「あの人じゃない?」

「どこかで見たことある気がするな。」

「お待たせ。」

本を持っている女性がやって来た。

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