63話 妹の妹がやってきた part2
「ではお邪魔しまーす」
そう言ってエレナは家の中へずかずかとキャリケースを引っ張りながら入って行く。
「お前なぁ……」
「ダメですか?お兄様?」
今にも泣きそうになりながら、上目遣いで腕に抱き着くエレナ。
ちょっと待って?こいつクレアより胸でかくないか?中学生なのに……?と俺は腕に当たった柔らかく大きい物に俺は驚く。
てか抱き着かれただけでクレアより大きいとわかるってどういうことだよ俺ぇ……。
「あれぇ?私の超絶ワガママボディ欲情してます?」
「してねぇよ……。はっ倒すぞ」
上目遣いでニヤつくエレナに俺は慌てて目を逸らした。
「ちなみに私中学生ですよ?」
「はぁ!?」
嘘だろ?この身体で中学生だと……。流石は外国人と言うべきなのか?
見ないようにしてはいるが、ついまじまじと欲望に負けて見てしまっている自分がいた。
「とはいっても、今年で卒業ですけどねぇ」
なんだよ……。ほぼ高校生じゃんとほっとしていると、ニヤついた表情で背伸びして顔を近づける。
「あれぇ?今度は私の超絶ビッグなおっぱいを見て興奮してます?」
「だから、してねぇよ」
「興奮しないんですか?超絶激カワ美少女中学生のおっぱいですよ?」
ドヤ顔をしながらエレナは胸の下で両腕を組んで胸を強調する。
タプンと言うような擬音が出そうなくらいに揺れる胸に、俺はつい凝視してしまっていた。負けるな久野原友太、負けたら御用だぞ……?
「こいつ全然興奮しねぇな。もしかして……」
「違うからな?」
それからリビングの机に向かい合った形となり、俺はエレナの前にお茶を差し出した。
「で、エレナはどうしてここに来たんだ?」
「決まってるじゃないですか、ただ遊びに来ただけですよ」
「本当か……?」
前に父さんの事でやってきたクレアの事もあって、用心深くなっている俺はさらに詮索をいれる。
「まぁ強いて言えば、お姉ちゃんのの様子を見に来たって感じですかね」
「クレアの様子を?」
「ちょっと心配だったんですよね、日本人の男の人と住んでるって聞いて……」
「もしかしてだけど俺信用されてない?」
今の話を聞いて、クレアが心配してるという話は姉想いな妹だなとは思ったが、後に出た余計な言葉で少しカチンと来てしまった。
「いやいや別にそんな訳はないですよー?お姉ちゃんからすごく優しいお兄ちゃんだよーってLINEで写真とともに送ってもらってるので、お兄さんは良い人だと思ってますよ?」
ちょっと焦ったような言い方でエレナはそう言う。
「ただ……昔少し怖い出来事があったので……」
「なんだよそれ?」
「い、いえ……。まぁいろいろあったんですよ……」
少々含みのある言い方で、エレナはそう言う。
なんか本当に信用されてない気がするなぁ……。
「ところで私汗かいちゃいました……。シャワー借りてもいいですか?」
「あー、好きに使ってくれていいよ」
快く承諾すると、突然立ち上がってエレナは着ている服を俺の前で脱ぎ始める。
「バカバカ!!なんでここで脱ぐんだ」
「やだエッチスケベ、私が超絶激カワ美少女中学生だからってじろじろ見ないで」
「うるせぇー。早く、脱衣場行け」
手で目を隠しながらそう叫ぶと、「はーい」と何ともテンションの下がった声で脱衣所へと向かった。
最近の中学生はませてんなぁ……。とため息を付きながら俺はスマホを取り出した。
「さて……クレアにLINEしないと……」
『妹のエレナって娘来たけど、クレア聞いてる?』
と送るとすぐに既読が付いた。
『ごめんね?来るとは聞いてたんだけど、友太君に教えるの忘れてたよー』
やっぱり知っていたか……。とはいえわざと忘れてたわけではなさそうだな。
『別に構わないよ。クレアが知っていたならそれでいい』
『本当にごめんねー?もうすぐ帰るから、それまでエレナの相手をお願いね』
『わかった。気を付けてな』
ふぅ。後もう少しで帰ってくるのか、それまであのエレナが何かをしなければいいのだが……。
暫くスマホをいじっていると、浴場のドアの開く音がしエレナの足音がやってくる。
「いやぁ。さっぱりしましたありがとうございますー」
「そりゃ、よか……ぶふッ……!!」
リビングに入ってきたエレナの姿を見て俺はお茶を吹き出す。
なんと、タオルも巻かず、下着だけの姿のままでリビングに入ってきたのだ。
たわわに実ったものを揺らしながら、こちらへと歩いてくる。
「何で下着姿で歩いてるんだ」
「いやぁ、着替えを持っていくのを忘れちゃってー」
てへぺろと言うような表情をして、笑っているがこちらとしては笑い事ではない。
「早く服を着ろ!!」
「はーいー。えーっと……、着替え着替えー」
後ろを向いて、持って来ていたキャリケースをいじりはじめる。
エレナの裸を見ないように窓の外を眺めていると、なんとピカピカに磨かれた窓であろうか?窓に反射してエレナの後ろ姿が反射していたのだ。
そして、エレナの履いていた下着の布面積があまりない事に気が付く。
ちょっと待って、姉妹揃ってTバック?クレアは高校生だからわかるけどエレナはまだ中学生じゃないか……。
おいおいこれ犯罪じゃないのか?誰か弁護士を呼んでくれ……。
「あー、私のパンツ見て興奮してますね?」
気が付くと背後に満面の笑みのエレナがÝシャツ一枚着た姿で立っていた。
どうやら反射している事に気づいてしまったようだ。
「してねーよ!!」
「でも顔が赤くなってますよ?」
そう言ってエレナは俺の頬を指でツンツンとつつく。
「お前のTバックなんかに微塵も興味はねぇ」
「なんでTバックって知ってるんですかぁ!?やっぱ見てるじゃないですかぁーエッチー」
しまったと俺は口を抑えるがもう遅かった。
口は災いの元とはこういう事かと俺は頭を抱える。バカバカ、俺の馬鹿野郎……。
「やっぱり、お兄さんも変態ですねー」
「からかうな!!」
「きゃあ!!お兄様許してー!!」
わざとらしく嫌がりながら逃げるエレナを追いかけるが、この時頭に血が上っていて床にエレナの着替えの服がある事に気が付かず踏んでしまい足を滑らせてしまう。
すると目の前にいたエレナへ飛び込むように巻き込んでしまい、大きい音を立てながら転んでしまった。
「いてて……」
「ちょっと、友太君大丈夫!?」
何という幸運だろう。丁度クレアが帰って来ていてリビングに向かって走って来ていた。
早く起き上がらないと、クレアに怒られてしまう、何かを掴もうとすると、大きく柔らかいものを掴んでいた。
これはまさか……。いやそんな事を考えてる暇はない!!早く起き上がらなければ!!
「お、お兄さん……手が私の胸に……」
恥ずかしがるような声で俺の背中を叩く、エレナだがそんな事を気にしている場合ではない。
早くクレアがリビングへ来る前に立ち上がらなければ……。
「友太君……?私の妹に何をしているの……?」
だがもう遅かった。リビングの入り口には鬼のような形相でこちらを見つめるクレアが立っていた。
「言い訳をさせてくれ!!!!」
その後クレアに事情を説明し、何とかクレアの誤解を解いたのだった。




