いやあ、仕事が大変だったよ! 仕事仕事仕事。
俺の異世界生活。
当初の想定とはかなり違ってきている。
元々は単に金や宝石の供給地点として活用するつもりだった。
【地球から香辛料を持ち込み、異世界で金や宝石を買う。】
これが本来の構想。
ワープを使えばそう難しい事でもなく、淡々と進めていれば今頃は大量の地球通貨を獲得していた筈だった。
…ただ、エヴァの妊娠で完全に予定が狂った。
本人の前では口が裂けても言えない事だが、この女の妊娠で全ての歯車が狂って来たとは感じている。
『ワープ。』
皆に断って地球に戻って来た。
毎日帰宅する約束だがワープある限りそこまで苦痛ではない。
『…返信しなくちゃ。』
大量の未読メッセージを急いで返して行く。
御徒町のジェインだけは言語の関係で上手く事情を伝えられそうにないので、ワープして直接謝罪。
「急に連絡を絶つのは良くないです。」
『仰る通りです。』
「私のポストは宝石箱ではない。」
『二度と致しません。』
「分かってくれれば良いのです。」
平謝りして無沙汰を許して貰う。
そして近況報告。
食いついて来たのはアフガンのラピスラズリの件。
「トビタさんのWhatsAppのアイコンが急に変わりましたからね。
ドバイ?」
『はい、ドバイと香港を往復しておりました。』
「…そういう大事な事は先に言って下さいよー。
買い付け依頼がいっぱいあるのに。」
『ですよねー。』
ジェインは暮らしは慎ましいが、貯金額では俺よりも遥かに裕福である。
(そもそも実家がインドの豪商。)
なので、行こうと思えばドバイにも香港にも気軽に旅行出来るが、店舗を持ってしまっている為に容易に身動きが取れない。
なので喉から手が出るほど代理人を欲しがっていており、俺にも内心目を付けていたらしい。
「報酬を払いますから、私のオンライン買い付けの代理人になって下さい。
ヒンズー語と英語と日本語出来ます。
カタコトですがアラビア語も可能。」
『凄いですね、語学力。』
「一生勉強です。」
『ははは、肝に銘じます。』
ジェインにはルビーを2つお土産。
買値は幾らでも構わないので、足が付かない様にキャッシュだけ欲しいと申し出ると、その場で200万円をくれた。
『いやあ、200万で買い取ってくれるなんてありがたいです。』
「いえ、買値は500万。
でも今、日本円が手元にない。
差額を集めておくから、また遊びに来て。」
『はい、是非顔を出させて下さい。』
その後も中本のアトリエや趙家珠宝にワープして皆のご機嫌伺い。
(金相場も念入りにチェック。)
ハロー効果とはよく言ったもので、会えば会う程仲良くなれる。
趙社長などは最初会った時は不愛想な男だと思っていたのだが、3回目辺りから妙に馴れ馴れしくなり日本アニメやサッカーワールドカップについて熱弁し始めたので驚いた。
最初はビジネス的な社交術なのかなと思ったのだが、本来雑談好きな男らしい。
息子さんがスラムダンクのファンだと言うので、秋葉原で買ったグッズ(ねんどろいど湘北スタメン)を買っていってやったら、こちらが恐縮するくらい感謝された。
とは言え、売買では一切タフネゴシエーターぶりを崩さないので、俺はこの男を気に入っている。
勿論、ドバイにも飛んだ。
バシール家にも当然顔を出すが、ゴールドスーク全体を回る事も怠らない。
オンライン通話でジェインに現地の様子を見せる。
地元の先輩がスークに出店しているということで、今まで敬遠していたインド系の宝飾店を訪問し15年ぶりの再会を仲介する。
画面越しに泣きながら旧交を温める様子を俺はニコニコしながら見守る。
先輩は満面の笑みで俺を抱擁し感謝の言葉を伝えるが、金購入に関しては他の店より2$ほど高かったので華麗にスルー。
先輩の店では数々の宝石も売られていたが、ジェインも上品な笑顔でこれをスルー。
200$くらいで売ってたドバイ土産を買う事でお茶を濁して退店した。
「流石ジェインが見込むだけの事はある!
ドバイと言ったらこの彫像だよ。」
後で調べたらインドの民芸品だった、畜生もう来ねえよ。
こんな風に地球での商売は非常に順調。
やはりドバイや香港にツテを持ってる若者というだけで皆が重宝してくれる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、ここからが本題。
俺は地球で2人妊娠させている。
放置する訳にも行かないので、様子を伺いに行く。
『…ハア。
ワープ。』
最初に飛んだのは熊本市。
犬童のオフィスに向かい、ドバイ土産をプレゼント。
「商売順調の様ですね。
若いのに素晴らしいです!」
『いえいえ、皆様の使い走りですよ。』
「…いや、羨ましいです。
私がこういう商売だから。」
犬童は寂し気に自嘲した。
ソープランドは嬢のみならず経営者の心理にもダメージを与えるものらしい。
『犬童社長も俺と一緒に何かやります?』
社交辞令で言ったつもりだが、妙に食いつく。
昔から正業へのロンダリングを図っては失敗していたらしい。
飲食・ブティック・アンティークショップ・レンタカー屋、全部上手く行かなかったが仮想通貨でボロ勝したとのこと。
ただでさえソープランドの経営で金持ちだったのに、仮想通貨資産がちょっと洒落にならない事になっている。
「個人資産だけなら、孫正義を越えちゃったかも。」
『仮想通貨怖いっすね。
もうソープ屋さん止めたらどうですか?』
「実はバイアウト先をこっそり探しているんだけど…
飛田社長、買います?」
『いやあ、まずは遠藤さんを何とかしなくちゃ。』
「あ、飛田社長との話が面白くて忘れてました。
連絡取りましょうか?」
『ええ、お願いします。』
「そろそろ、直接連絡を取ってやって下さいよ。
遠藤に毎日せっつかれて困ってるんです。」
『ああ、スミマセン。
じゃあLINEでも交換しておきます。』
「あ、嬢のLINEは店管理なんで。
ココアとか別のインフラでお願いします。」
『俺、LINE以外だとWhatsAppしかやってないんですよ。』
「あ!
私もやってますよ、交換しましょう!」
『いいですね、どうぞ。』
「どれどれ…
うわっ、アイコン凄い!!
え? これドバイ?」
『仲良くなったアフガン人一家と撮ったものです。
ラピスラズリの売り先を探すように言われてまして。
とりあえずアジア方面代理店ってことらしいです。』
「言ってよ!」
『うわビックリした。』
「そういう綺麗な商売をしたかったんですよ、ずっと!」
『なるほど、今度からちゃんと入った案件は報告するようにします。』
「え?
私も混ぜてくれるんですよね?」
『あ、はい。
いや、相手も個人商店に毛が生えたような存在ですし、地元はタリバンの勢力下だから戻れないし、難しいと思いますよ?
向こうは日本市場を開拓したがってるみたいですけどね。』
「若い人にそんな事言われたら頑張っちゃうでしょ!」
オッサンのツボが分からない。
「建材とか豪邸とか、私のツテが一番活きる分野ですよ!」
『でしょうね。』
「熊本の大きな土建屋さんとはみんな友達ですから。」
そりゃあソープ屋の社長とは皆仲良くしたがるだろうなあ。
「混ぜて混ぜて!
作戦会議しましょう、作戦会議!」
『えっと、今日は遠藤さんの様子を見に来たんですけど。』
「後5分だけ! 後5分だけ!」
結局、犬童に押し切られて2時間ほどラピスラズリ販路開拓について策を練ることになる。
ただ、《中国勢の買値と購入量にはまず勝てない》という結論を早々に出すあたり、犬童は夢想家ではない。
犬童のタワマンで妻子も正式に紹介され、若きビジネスパートナー(正業)みたいな位置づけになってしまう。
更に2時間ほど歓待された後に、熊本駅で遠藤と待ち合わせ。
『あ、遠藤さん。
どうもです。』
「梢とお呼び下さい。」
『…こ、こずえさん。』
「はい!」
『…。』
「…。」
参ったなぁ。
間が持たん。
俺、この子の顔や身体は好みなのだが、人間としての波長が合わない気がしている。
ソープの時からそうだったが、一緒に居て微塵も楽しいと感じないのだ。
(犬童の愚痴を聞いてる方がまだ有意義な時間である。)
『遠藤さん、何か困った事はありませんか?』
「梢とお呼び下さいッ!!」
『うわっ、すみません。』
九州人って基本的にエモーショナルだよな。
「それにしても飛呂彦様は、随分と身体つきがご立派になられましたね。」
突然、遠藤がペタペタ身体を触って来たので驚いて飛び退いてしまう。
そういうのは店の中だけにして欲しいなあ。
「申し訳御座いません!
女がはしたない振舞をしてしまいました。」
『あ、いえ。
驚いただけです。
でも、身体つきなんてそんなに変わってますかね?』
「分かりますよ!
何度も御奉仕致しましたから!」
周囲の通行人が振り返る。
いやいや、この女には常識ってものがないのか?
仮にも天下の往来でシモの話をするなんて異常だぞ。
『あ、遠藤さん。
周囲の耳もありますから、そういう話題は…』
「梢とお呼び下さいッ!!」
『あ、はい。
すみません。』
クッソ、こんな事なら犬童の家で昼飯をご馳走になっておけば良かった。
「…ますます飛呂彦様は素敵になりました。
上手くは言えませんが修羅場を潜られたような気がします。」
『いやあ、ははは。』
修羅場も何も金鉱を盗んだだけだが。
…いや、でも最近はガルドから鉱山仕事を教わってるし、言われてみれば筋肉も付いたかな?
正直なあ、マッチョモンスターのドワーフ族と常に一緒に居るからな。
俺如きが筋肉云々を語るのはおこがましいんだよな。
「私も何かお役に立たせて下さい!」
『ファ?』
「生活費の件、犬童社長から伺っております。
色々気を遣って下さってるようで。」
『あ、いや。
妊娠中は動けないでしょ。
せめて生活費くらい出させて下さいよ。』
「まだ産まれるまでは時間があります!
それまで何かお役に立ちたいんです!」
『え、役と言われましても。』
実はさっき犬童が九州2位の建材メーカーの会長をZOOM通話で紹介してくれたばかりなのだ。
富裕層ビジネスへの方針転換に血道を注いでいる人なので、ドバイのラピスラズリ建材案件への食いつきが凄かった。
無論、犬童=遠藤の功績ではないのだが、俺の中で中本以外の熊本勢は全員ワンセットなので、遠藤の貢献ポイントは既に十分過ぎるのだ。
「東京でお側に居させて下さい!」
『え、東京来るんですか…』
参ったなあ。
この女が上京して来たら、なし崩し的に府中に乗り込まれるかも知れん。
『えっと、俺はあちこちを出張で飛び回っておりまして…
あまり家にも居ませんし。』
「家を守らせて下さい!」
『あ、いや。』
参ったな、それだけは勘弁して欲しい。
俺はパーソナルスペースを侵されたくないのだ。
府中の自宅だけは聖域として守りたい。
『ワープ。』
遠藤を何とか言いくるめた俺は大量の汗を搔きながら府中の自宅に戻る。
そして熱いシャワーを浴びて気分転換。
風呂上がりに村上翁と雑談通話していると調布まで出張中とのことだったので、家に呼び2人でゴロゴロしながら昔の映画を見てリフレッシュ。
「おいトビタ。
府中の面白スポットを案内しろよ。」
『えー、普通の街ですよ。』
「刑務所あるじゃん。」
『いや、まだ捕まってないのに刑務所行っても仕方ないでしょ。』
「競馬場あるじゃん。」
『ギャンブルには興味が湧かないですねえ。』
「オマエの歳で商売してたらそうなるのかもな。
あ、頼まれた現受け銀塊。
巣鴨の倉庫に保管してるぞ。」
『あ、すみません。
私書箱代わりに使っちゃって。』
「まったくだ。
だから府中の面白スポットを案内しろ。
一件くらい店は知ってるだろ。」
『いやあ、あんまり地元では遊ばないって言うか…
あ、あそこはどうだろう?』
「ん?」
『大東京綜合卸売センターって知ってます?』
「まーたディープなキーワードだw」
『17時まで空いてますんで、タクシーで見物に行きます?』
「お、いいねえ。
オマエは商売熱心で好感が持てるわ。」
村上翁とペチャクチャ話しながら、大東京綜合卸売センターに到着。
早朝5時開店なので、閉まっている店が多い。
「トビター、オマエこんな所で何を買う訳?」
『あ、いや香辛料とか。』
「成城石井で買えよ。」
『あそこ金持ちばっかで鼻につくんですよ。』
「へえ、ここがオマエの行きつけのスパイス屋か…」
『どうもー、女将さん。
お世話なってます。』
「あら飛田さん!
いつもありがとうねー。」
「コイツ妙に馴染んでるな。」
『えっとナツメグは入ってる?』
「はい、船便も回復しましたし。
もう欠品はありませんよ。」
『ああ、それは良かったです。
じゃあナツメグと黒胡椒、岩塩。
…あとシナモンも買います。
いつも通り一袋ずつで。』
「はい、いつもありがとうございますねー。」
「ん?
カレーでも作るのか?」
「では各25㌔で伝票切りますね。」
「え?
25㌔!?
え? え? え?」
「配達はいつもの住所で?
今から帰りがけに寄りましょうか?」
『あ、そうだ。
良かったら、帰り乗せて行ってくれませんか?』
「あはは、人を配達するのは初めてです。」
『はっはっは。』
「うっふっふ。」
そんな訳でスパイス問屋のハイエースに乗せて貰って帰宅。
到着するまで村上翁がツッコみ続けている。
『村上さん、映画の続き見なくていいんすか?』
「オマエの方が100倍面白いわ。」
『バックトゥザフューチャーに失礼でしょう。』
「でもビフよりもトランプの方がムカつくだろ?
所詮作り物は現実には勝てんのだ。」
『言わんとする事は分からんでもないですけど。』
「それにしてもオマエもチカラが付いたなー。
筋トレしてるの?」
『チカラも何も25㌔袋を運ぶのが限界です。』
「その25㌔を持てんのだ、最近の若者は。」
そんなアホな話をしながらスパイス袋を玄関まで運び上げる。
この後、ドワーフ袋に入れ替える作業をしなくちゃな。
「オマエ、本当に異世界に行ってたんだな。」
『え!?
な、何すか急に!!』
「あ、ゴメン。
チャコちゃんが毎日俺に力説するんだよ。
飛田が異世界にワープして荒稼ぎしてるって。」
『い、いや。
い、い、い、い異世界とか…
む、村上さん、いい歳して、な、な、何を!』
「そんなに動揺されるとこっちが申し訳なくなるわ。」
『あ、あ、あ、あ、あ。』
「何かゴメンな。」
『いや、村上さんになら何を知られても構わないですけどね。
色々世話になってるし。』
「って言うか出所不明の金貨や宝石で荒稼ぎしているオマエが香辛料を纏め買いしてたら…
もう異世界アービトラージ一択だろ。」
『ぐぬぬ。』
「あのさあ、若い奴にこういう言い方したくないんだけど。
もうちょっと頭を使おうな。」
『猛省します。』
「チャコちゃん、かなり早い段階から見抜いてたぞ。」
『…どこから見破られたんですかね?』
「本人に聞いてやれば?
あの子、そういう考察話が好きだし。」
『チャコちゃんさんのドヤ顔は見たくないですねえ。』
「悪い子じゃないんだぞ。
程よく悪さを内包している、良い子だ。」
『あの人、俺にプレッシャー掛け過ぎなんですよ。』
「女って本命の相手にはウザいよ。」
『じゃあ、きっと俺はあの人達にとっての本命なんだと思います。』
「はははは!!
色男だねーーwww」
『からかわんで下さいよ。』
「まあ、安心したわ。
オマエなら女には困らなさそうだし。」
『いや、困ってます。』
「え?
そうなの?」
『ほら、前に話したじゃないですか。
俺の絶対妊娠体質。』
「ああ、派手にソープ嬢を孕ましてるもんなオマエwww」
『笑い事じゃないですよぉ。
この体質の所為で唯一の趣味であるソープ遊びを断念したんですから。』
「え?
そうなんだ?
アレから行ってないの?」
『今、3人孕んでますからね。
正直キャパオーバーなんです。
これ以上増えたら困りますわ。』
「3人も4人も一緒じゃん。
チャコちゃんも混ぜてやれよ。」
『いやー、異世界ワープを吹聴するような人はちょっとwww』
「わはははw
俺がチャコちゃんに恨まれちまうだろーww」
『「あっはっはww」』
「じゃあ、ソープが駄目ならピンサロ奢ってやるよ。」
『え?
ピン… サロっすか?』
「あ、行ったことない?」
『名前は聞いた事あるんですけど。
何をするのか分からなくて。』
「口でするだけのトコだ。
だから妊娠の心配はしなくていいぞ。」
『へー、そんな所もあるんすね。』
「普通はソープより先にピンサロ遊びから覚えるんだけどな。
よっし、帰りに池袋寄るわ。
オマエも車に乗れ。」
『えー、この時間から池袋ですか。
遠いなあ。』
「ワープで帰れよww」
『勘弁して下さいよ~ww』
性欲がかなり溜まっていたので、村上の車で池袋に向かう。
車内で風俗店の種別についてレクチャーされる。
流石は年の功。
「こんにちわー。
お兄さんカッコいいねー。」
『そうですかー。
逆のことばかり言われてますよ。』
「あははは、ホントホント。
妙に余裕がある。
女の子に困ってないでしょ。
既婚者?」
『あ、いや。
籍は入れてないんですけど、妊娠中なんですよ。』
「あー、悪いオトコだw」
『ははは。
善良でありたいんですけどねえ。』
下らない雑談を交わしながら、事を済ます。
うむ、妊娠の心配がない相手は楽でいいな。
「お兄さん、どこ住み?」
『府中。』
「え!
ホント!?
私、南多摩!!」
『?』
「対岸でしょ♪」
『あ、そうなんだ。
結構近いの?』
「もー、南武線仲間じゃーん。」
『あ、そうなんだ。
ゴメン。』
「今度飲みに行こうよ。」
『えー、また店に来るから勘弁して下さいよー。』
「じゃLINE!LINE交換しよ!
来る時LINEして。」
『うん、まあ交換だけなら。』
距離感バグってる女だな。
まあ性欲処理施設を知れたのは良かったけどな。
「おーう飛田。
珍しく盛り上がってたじゃねーか。」
『えー、何で知ってるんすかww』
「いや、オマエの真後ろの席が俺だったんだよw」
『言って下さいよーw』
「恥ずかしいからヤダww」
『「あっはっはww」』
村上翁の車を見送ってから府中にワープ。
念入りにシャワーを浴びてから、香辛料をドワーフ袋に入れ、再度シャワーを浴びる。
よし香水の匂いは完全に消えたな。
『ただいまエヴァさん。
ちょっと仕事が上手く行ってね。
香辛料をいっぱい仕入れる事が出来たよ!
黒胡椒にナツメグ、シナモンに岩塩。
これだけあれば氏族もしばらくはしのげるかな!
いやあ、仕事が大変だったよ! 仕事仕事仕事。』
「…。」
『え、エヴァさん?』
「ヒロヒコは甲斐性があって頼もしいわ。」
『え?』
その後、何事も無かったかのように2人で就寝。
香辛料の分配は翌朝に行った。
ピンサロに行った事がバレたと思い至ったのは、3日くらい経ってからの話である。
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