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俺の大切な仲間ですから!

近い内に異世界は用済みになるだろう。

それ位、地球での生活が上手く行っている。

来週は村上翁が加盟している投資家交流会にも参加させて貰える。

メンバーはいずれも配当だけで食っている金持ちばかりらしい。

自分がその一員になれるかと思うとワクワクする。



『ふふふ。』



思わず笑いが溢れる。

そう、俺は金持ち階級になるのだ。

こうも鮮明にゴールが見えていると実に心地良い。



「…。」



『エヴァさん、どうしました?』



「ヒロヒコ、高橋さん達が困ってるみたいよ?」



『…そうですか。』



「助けてあげないの?」



『…。』



ここだけの話、奴らが死んでくれると非常に助かる。

奴らが居るせいで地球の商品が持ち込みにくく、儲ける機会を逃しているからだ。

かと言って、俺が手を下す訳には行かない。

この異世界は地縁社会である上に、ドワーフ種は特にその傾向が強い。

万が一、同郷人殺しが発覚すれば俺の居場所がなくなってしまう。



『エヴァさんは助けるべきだと思う?』



「え?

だって同郷のお友達でしょ?」



まあ、そういう反応になるよな。

せめて助太刀するポーズだけでも取っておくか…



『いや、勿論彼らの無事を祈ってはいるんだけどね。

どういう状況?』



「王国軍の外人部隊に編入されちゃってるのよ。」



聞けば、外人部隊は激戦区ばかりを転戦させられるとのこと。

要は捨て駒である。

王国は自国に滞在している外国人を強引に徴発して外人部隊を編成してしまった。

高橋達もそうだし、所用で入国していた共和国人も大量に徴発された。

共和国元老院はこれに激怒し、返還交渉を王国に申し出ている。

ここで役に立ったのが俺達ニヴル族とギガント族のパイプであり、俺達は王国に善処を要求している。

また新たに王国と傭兵契約を結ばない密約を共和国と結んだ。

王国からの経済制裁もあり得るが、そこは内々で共和国が補填するとのこと。



『そっか、そういう情勢になったか。』



「ヒロヒコが王国に召喚された時とは、かなり情勢が変わってるの。」



『でも、高橋達はカネも無いし軍隊にでも入らざるを得ないだろう。』



「でも、魔王と戦わされるのよ?」



『え?

何でいきなり魔王?』



「王国が魔界の飛び地を攻めてる話は聞いたわよね?」



『うん。

帝国に領土を取られた分、他で取り返そうとしてるんだろ?

飛び地だから守備隊もそんなに居ないんだよね?

じゃあ外人部隊も安全なんじゃないかな?』



「魔王が救援に来るのよ。」



『いやいや、魔界って地図の反対側でしょ?

援軍なんて無理だよ。』



「少数なら、飛行魔法を使えば来れるわ。」



『え!?

空を飛べる奴まで居るの!?』



「そうよー。

誰かさんが空を飛んでワイバーンの牙を大量に獲得したでしょ。

あれは飛行魔法の触媒よ?

知らずに討伐してたの?」



『あー、それで欲しがってたのか。』



「今の魔王は魔界の歴史始まって以来の武闘派よ。

常に単騎で先陣を駆け続けている。

ワイバーンの牙を共和国から受領次第、すぐに自ら救援に赴くわ。」



『あー、じゃあ高橋達は…』



「魔王と対決させられるでしょうね。

言っておくけど、絶対に勝てない相手よ?

今の魔王は平民身分から決闘や武功だけでその地位を勝ち取った猛者中の猛者。

即位前に大陸最強と称えられていたオーク族のガルガリウス将軍と決闘した時なんかは、一撃で首を斬り落として勝ったみたい。

あまりの剣速に魔王軍の精鋭ですら、誰一人動きが見えなかったらしいわ。」



『え!?

それって滅茶苦茶強い人なんじゃない?』



「言ったでしょ。

歴代最強。

高橋さんも人間種にしては頑張っている方だと思うけど…

どうこう出来る次元の話じゃないの。

死ぬわよ、確実に。」



『…。』



「何とか助けてあげるべきだと思うの。

お父さん達も心配してたから。」



『そうですね。

俺の大切な仲間ですから!

何とか救援方法を模索してみますよ。』






































ラッキー♪

そんなに強い奴と交戦すれば、確実に奴らは死ぬだろう。

自分の手を汚さずに口封じが出来るなんて、俺は本当にツイている。


後は適当に助けるフリをして、皆の心証を稼いでおくか。

この話が面白いと思った方は★★★★★を押していただけると幸いです。

感想・レビュー・評価も頂けると嬉しいです。

この続きが気になると思った方はブックマークもよろしくお願いいたします。



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― 新着の感想 ―
範囲を広くとれば同じ日本人だろう。同じ地球人だろ、同じ天の川銀河星団人だろうになるからなぁ。
> ラッキー そうくると思ってたぜーw でもガチ目で助ける義理ないのがなぁ そも王国の部隊から逃げられないもんなのかね
同胞 友人とか都合のいい言葉 纏まらないと生きていけないドワーフは余計にその辺り厳しいんでしょうけど 飛田君からしたらもう過去の終わったことだろうし魔王様やってくだせぇ!
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