ヘルジャップ!!! 糞糞オワコン国家ニッポン!!
『はァ!?
俺は未成年だぞ!!!
どうして税金を払わなきゃいけねーんだ!!!』
「いや!
ですから!
何度も申し上げているように、飛田さんに請求している訳ではなくてですね。
親御さんの滞納税金をお支払いして頂かないと、市としても困ると言いますか…」
親父め、変なタイミングでくたばりやがって。
昔から間の悪い人だったよな。
折角孝行してやろうと思ってたのによ。
『うるせーーー!!!!
税金泥棒共が!!!
俺みたいな貧乏人からカネを盗もうってのか!!!
うおーーー!!!!
殴り殺してやるーーー!!!!』
「うわーーー!!!
警備員さーーーーん(柔道4段)!!!
助けてーーーー!!!!!」
『ぐわーーー!!!
離せ!! 離せよーーー!!!!!』
以上の様な経緯があり、俺はこの腐った世界に復讐する事を誓った。
あーあ、折角穏便に収めてやろうと思ったのに。
俺にそんな態度取っていいのかなー?
我、ワープ使いぞ?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
取り敢えず留置場や取調室ではおとなしくしていた。
市役所と警察署はワープ能力で焼き滅ぼすと決めたからな。
容疑が掛かる言動は極力しない。
留置期間中は合法的にカネを手に入れる事だけを考えていた。
まあ、俺のワープ能力さえあれば余裕なのだが…
地球は思った以上に監視カメラが多い。
街を行きかう車も車載カメラが標準装備された型式が主流だ。
『…思った以上にハードルが高いな。
どこにでも簡単に忍び込めるが…
きょうび監視カメラを付けてない施設なんて珍しいくらいだからな。』
俺のワープは実際に目視した場所にしか行けないことは検証済み。
(逆に言えば一度目視した場所なら、どこにでも飛べる)
なので、銀行の大金庫内には飛べない。
ほぼ万能に近い能力だが、現代社会をハックする為には多少の思案が必要になるな。
そんな事をずっと考えながら留置期間をやり過ごした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
留置場から出てワープ帰宅を試す。
《シュインッ!》
よし、完璧。
やはり知っている場所ならタイムラグなしで瞬間移動可能だ。
後はこのスキルでどこに行くかだな。
場所選びさえ間違えなければ、俺は一瞬で大金持ちだ。
慎重に行こう。
現代人の俺は監視カメラ網の恐ろしさをよく知っているからな。
無数の督促状に混じって親父の地元からの手紙が来ていた。
どうやら一族の墓に入れて貰えたらしい。
俺もいつか時間を作って墓参りに行こう。
まあ、当面は忙しいから無理だろうがな。
あ!
いいこと思いついた!!!
頑張ってリゾート地に移動して座標を覚えたら、いつでもバカンス出来るんじゃないか?
うおー、我ながら名案だ。
タダで南国楽しみ放題じゃん!!!
うおー、うおー!!
テンション上がって来たぜ!!!
よし!!
バカンスライフを楽しむ為にもワープ強盗で稼ぐぞー!!!!!