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切り取られた青空
その瞬間
ぽっかりと切り取られて見える青空が
ぼくは好きだった
閉じ込められた地下の中
蟻のようにひしめいて右往左往しているぼくたちが
ようやく地上へ息を吹き出す
その瞬間
みなが一斉にその空間へと排出される
押し出される
光を求めて
空気を求めて
風を求めて
そしてようやく
ぼくたちは地上の住人へと生まれ変わる
息ができる
風を感じる
温度を感じる
人が
多くの人が
それぞれの方向に
それぞれの思いを載せて
あちらこちらへと散り散りになっていく
ぼくたちはこれからも繰り返す
その瞬間のために
その実感のために
明日もその次の日も
地下と地上をつなぐ階段を
降りて上って
青空を見る