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お題小説一覧

お題小説【未来の最新ゲームの話】

作者: 安雄
掲載日:2022/02/09

お題

・魔法使い

・騎士

・城

・未来

・過去

・海

時は30XX年。従来のゲームキャラクターを操作して遊ぶゲームは次第に廃れていき、最も主流となっているゲームジャンルは実際に人がゲームの中に入って、魔王やら何やらを倒してもらうというものだ。

仮想現実といえど、怪我したら当然怪我をするし死んだらそのまま死ぬというデスゲームとなっており、当初は誰もやりたがる人間はいなかった。


その為、タイムマシンの技術を応用して過去から適当な人間を連れてきてゲームの中に強制的に入れ、ゲームクリアを条件に元の時代に返すということにして遊ばせるのであった。

既に何人もの過去からの住人が犠牲になったり、元の時代に帰ったとされている。そんな折に1985年頃より日本で大流行したとある竜退治のゲームをオマージュした激ムズ難易度のゲームが開発され、それのテストプレイとして…今回も2人の人物が過去からゲーム内に転送されたのであった。



《ゲーム開始。始まりの町》


「あらかた説明を聞いたけど、理不尽じゃない?俺の職業騎士っていうけど、こんな果物ナイフじゃ戦えないよ…。」


「魔法使い…。確かに30歳だから合ってるけど、それにしてもなんだこのマジカルステッキは…?」


未来人よりゲームクリアしなければ、元の時代に帰れないこととゲームの中で死んだらそのまま死ぬということを告げられて、2人で呆然としていた。

渡された装備はおふざけ同然のもので、テストプレイということだから、死んで当然ぐらいに思われてるんだろう。


「とりあえず自分、田辺って言います。よろしくっす。」


「俺は高梨だ。よろしく頼む。」


その後、始まりの町で細々と2人で協力しながらレベルを上げたり装備を充実させる為コツコツとやっていたが、2人が朝起きたら始まりの町にとっても大きいドラゴンが鎮座していた。

どうやら2人の頑張る姿が地味すぎて未来人の機嫌を損ねてしまったようで、介入が入ったようだった。

2人はドラゴンの視界に入らないように町だった場所を後にして海の方へ向かうことにした。前々からボートを作ってあったので、それを利用して向こうに見える島に行こうというものだった。


「これで海の中まで魔物がいたら、俺らおしまいっすね。」


「不吉なことを言うな。そしてそうならない為にも漕げ。」


「うぃーす。」


2人がボートを漕いでいくと、幸いにも魔物に襲われずに島へ辿り着くことができた。

だけど島には明らかに恐ろしい雰囲気の城が建っており、

城の周囲に堀があり、その中はマグマが煮えたぎっていた。

入口には吊り橋がかかっており、ここから入って下さいと言わんばかりだ。


「魔王城?未来の人間って知能が低下したんですかね?こんな始まりの町の向かいの島に魔王城置きますか?置くにしたってもうちょっと紆余曲折あるでしょうに。」


「まぁ、分かっていたことだが未来の人間はデスゲームとやらが好きなんだろう。人の生き死にがな。」


「……高梨さん。今度こそ…。」


「田辺。まぁ、そういうこともある。それもまた人生だ。

なに、死ぬ時は一緒だからそこだけは安心しろ。」


2人は魔王城へ入っていく。城の中もそんなに作りこんでおらず、ほぼ一本道だ。テストプレイだからなのかほんとに生き死にが見たいからそんなに道中をこだわっていないのかは謎だが…。あっさり魔王の玉座へと2人は辿り着く。


『実験体1号、実験体2号を確認。ただちに消去実行します。』


機械的な音声を3mくらいのデカさがある魔王は言う。

そして2人に向けて凄まじい速度で岩石を投げてくる。何とか2人は避ける。このままダダ広い部屋で魔王の攻撃を避け続けられるわけもないので来た道を戻って、通路の中に逃げ込む。魔王は当然の事ながら通路の中へ攻撃を入れることは出来ず、2人が通路の奥へ後退していくのを見ると身体をすぼめながらも魔王は通路の中に入り追いかけてきていた。


魔王城の外に出た2人は、吊り橋を何とか壊そうとする。

魔王は通路の中で詰まってしまったのか、なかなか出てこない。そして吊り橋の留め金を壊したら、2人はすぐに吊り橋が壊れる前に橋を渡って脱出する。

後から城から出てきた魔王は…吊り橋ごとマグマの中にドボンと沈んでしまい、その後は浮かんでくることは無かった。


こうして最後は呆気なかったものの、ゲームクリアだろうと2人はハイタッチした。

そして未来人による通信が2人の元へ入る。2人は過去に帰して貰えればいいので、何だろう?と思いつつも通信に耳を傾ける。


「はい。あなた達のおかげでいいデータが取れました。

うん。じゃあ死んでください。過去に返すのもエネルギーが必要なんです。基本的にあなた達は使い捨てです。ゲームクリアしてもしなくても死ぬ。残念でしたね〜。」


「は?ふざけんn…ぐぁ!」


「……畜生が。」


未来人が指パッチンすると2人に向けて落雷が落ちて、2人はあっけなく感電死してしまう。

2人は死ぬ間際に思った。こいつらに天罰が加わりますようにと。



「いや〜。今回もいいデータが取れたなー。最初は地味な感じだったから。テコ入れしちゃったけどね〜。まぁ絶望する顔ってのも何度見ても飽きないなー。はっはっはっ♪」


田辺と高梨の2人をもてあそんだ未来人は自室で高笑いをしながら悠々自適にワインを飲んでいたが…。


「…ん?なんかめまいが…。

え?あれ?ここどこ?」


いきなり目眩をして顔を押さえ込んだら、次の瞬間全く見た事のない草原に彼はいた。

状況が上手く掴めずにいると、頭の中に声が響いてくる。


『早速ですがあなたは50xx年より過去の時代から無作為に異世界探索RPGのテストプレイヤーに選ばれました。この世界では3回までなら死んでも平気ですが、それ以上は死にます。もしもクリア出来たら元の時代に返しましょう。では頑張ってください。』


「え?え?えーー!!」


当人は同じことを繰り返すと言うが、やっぱり長い時間が経過しても似たようなことが流行るようで、因果応報なのか未来人の彼はそのまた先の未来人によってテストプレイの対象とされてしまった。

技術が上がってるおかげで残機が増えてはいたものの、今まで好き放題過去の人間をおもちゃにしてきた彼は、彼らの頑張った成果、過程などは全く参考にせず最後に絶望を与えるという行為に最大の快楽を得ていたので、テストプレイには選ばれたものの…最初の平原で残機を使い尽くしてしまい、

彼は異なる未来の世界でこの世を去った。


彼以外にも彼と同時代の人間や、他の時代からテストプレイヤーがいたがみんなゲームの難易度が簡単だった為かクリアしていた。


そうして彼と同時代のプレイヤーは自分達がしていることがとても恐ろしいことに気づいて、何とか未来を変えるために尽力して過去の人間をオモチャにするゲーム開発は廃れたのでした。


チャンチャン

お題についてマトモに文章に使ってるのが未来と過去くらいで他は一応使いましたって位。

なかなか難しかったなー。

まぁ、こういう感じでやったことに対して、それ相応の報いが返ってくる因果応報な結末は好んでます。

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