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サメ兵器シャークウェポン  作者: アースゴース
第3章 真・異世界決戦編 サメ&地球VS魔道帝国マジック・モンス
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第77話 最終話


 ジリリリリ……


 「はっ!?」


 目覚まし時計の音で目が覚める。

 学校の準備をしなくては……と思ったところで俺は何があったかを思い出した。


 「……終わったのか?」


 俺は不意を打って魔王を吸収し、魂以外を完全に取り込んで勝利したはずだ……こっちの方ががラスボスっぽいな。だが俺は徹頭徹尾人類、ひいては地球の味方だった。あくまで侵略者は向こうだ。

 そして、キズナとグリットの能力を利用し、世界を作り替えた。ヤケクソ気味にどう使えばいいか分からない力を使ったせいで、何が起こったか把握できていない。


 こうして家で目覚めたということは、戦いは終わったのだろう。

 窓から外を見ると、マジック・モンスの破壊などまるで無かったような平和だ。


 「まさかそんな夢オチとかそんなわけないだろう流石に」


 不本意ながら人間やめてまで頑張ったんだ。

 夢オチであってほしくない反面、あんな戦争など無くていいという思いもある。


 俺はひとまず、確認のために鏡を見た。

 そこに映っていたのは、頬に虎のような傷を持った奴。つまり俺だ。

 ギザ歯も健在。俺はサメだった。


 「夢じゃない! お、殴打男(オウダマン)にやられた傷は塞がってる!」


 額の傷は無くなっていた。血も出ていない。これでやっとこさ包帯が取れると言うわけだ。

 しかし、何だったんだアイツ。サメ殴りがどうとか。


 「……いや、治ったはいいが学校行かねぇと」


 最近、猿会長が不純異種交遊がバレて失脚してしまったので、繰り上がりで俺が生徒会長をしなければならなくなった。

 仕事がクソ速い猿前会長に比べると亀以下の遅さだが、仕事量は減ったのでバランスは取れている。


 俺は階段を降り、リビングに出た。

 親父は早くから仕事、弟妹共は学校かサボって道場か。

 お袋だけがリビングで何かしていた。


 「おはよう母さん」

 「おはようっス。遅かったっスね、寝坊っスか?」

 「ああ……目覚めが悪くて」


 相変わらず、7児の母とは思えない美貌と若さ……若さ?

 そういえばお袋はいくつだったか……


 「飯はいいや、早く学校行かねぇと……」

 「今日は日曜っスよ?」

 「日曜?」


 お袋にそう言われた俺はカレンダーを見た。そこは確かに、今日が日曜日であることを示していた。

 どうやら、準備は無駄だったらしい。


 「何だ、休みの日だったのか。急いでて損した」

 「しょうがないっスよ。で、今日はバイトはいいんスか?」

 「バイト……? あ、ああ……シフト入れてたかなぁ。取りあえず、そっち行くわ」


 バイトとは、シャークウェポンのことである。

 ここで荒稼ぎした国家予算……いや、大国が一発で傾くくらいの報酬金は、主に家族のために使っている。

 家族が多いせいか、あまり裕福とは言えなかったが、今は両親にも楽な思いをさせられていると思う。


 「行ってくる」

 「行ってらっしゃいっス。気を付けるんスよ」

 「はいはい」


 頭を吹き飛ばされても死なない奴が、何に気を付けるのか。

 俺はそんなくだらないことを考えながら、家を後にした。




 ◇




 俺達が必死こいて守って来た矢場谷園は、普段と変わらない様子だった。

 ただ、何かが違う様子だ。何か、いつもと違う……


 「け、研究所が地上にある!」


 あの地下巨大研究所が少しだけサイズダウンした形で、地上に出ていたのだ。

 敷地内に入ると、顔見知りの警備員と目が合った。


 「あれ? 君、今日は休みじゃなかったか?」

 「いえ、それをド忘れしたもので、散歩ついでに確認に来たんですよ」

 「ははぁ、若いのに……気をつけるんだよ? 入るなら、いつも通りカードをかざしてね」

 「はい」


 俺は警備員に見守られ、ドアの前の機械にカードをかざす。すると、ドアは自動的に開いた。

 このカード、殺人許可証(キリングライセンス)なんだけどいいのかな。


 近未来的な、SF感あふれる設備を見ながら進む。

 ガラス張りの部屋を見ると、数人の研究者が何かの作業を行っていた。

 それを見ているのが、本間博士だ。


 「おはようございます、博士」

 「む? おお、虎鮫ではないか」


 虎鮫って名前、継続なんだな。コードネームだからいいけど。

 しかし、この新たなる世界で俺の扱いはどんな風になっているのだろう。


 そんなことを考えていると、誰かがやってきた。

 本間研究所の職員ではない。首にはカードが吊ってあるので、客だろうか。

 しかし、体格のいい老人だな。180センチ超えで結構ムキムキの本間博士よりガタイが良い。


 「久しぶりだな、本間の」

 「ふんっ! 誰かと思えば狭間(はざま)のではないか」


 狭間と呼ばれた、初老の男性。

 研究者にしてもめちゃくちゃムキムキ。

 引き連れた軍人っぽい人達が小さく見える。


 しかし、狭間か。

 もしかして、この人が前に聞いた狭間(はざま)寄光(よりみつ)だろうか。

 確か、アーマードサムライを作った人で、本間博士の永遠のライバル。


 「本間博士、この人があの狭間博士で?」

 「うむ……」

 「どうやら、私のことを知っているようだね。私は狭間研究所の、狭間寄光だ。よろしく」

 「よろしくお願いします。俺は……」


 俺ってこの研究所の何者なんだ?

 前はパイロットだったが、助手とかだろうか。しかし、そこまで頭が良いわけじゃないし。そもそも俺は文系だ。

 いや、でもシャークウェポンの構造は知り尽くしてるし、そういう意味では理系か?


 俺が言いよどむと、本間博士が不敵に笑った。

 顔怖っ。これは悪のマッドサイエンティスト以外の何者でもないぞ。


 「ククク……聞いて驚け、こやつは我が研究所が誇る改造人間、『サメ人間』第1号にしてハイエンド・モデル、虎鮫(タイガーシャーク)じゃ!!!」

 「虎鮫です」


 俺そんな扱いなのか?

 狭間博士達が目を見開いて『こいつ正気か?』みたいな目で見ている。

 まさしく狂ってんだよなぁ。人間で人体実験して改造人間を造るな。


 「本間っ、貴様狂ったか!?」

 「わしは正気じゃ! こやつがいれば、復讐を果たすことができる!」

 「あの、復讐の対象と理由にもよるんですけど。俺に拒否権あります? 無かったら作りますけど」


 2人は、俺や職員や連れてきた人をそっちのけで取っ組み合いを始めてしまった。

 子どもの喧嘩みたいだが、体格が良すぎる爺さん同士なので、何とも言えない。


 「彼は従順ではないようだな、本間!」

 「ええい! こやつがここで働いとるのも自由意志と気前のいいバイト代によるもの! わしらが生きとるのもこやつの気まぐれによるものじゃ!」

 「人を危険人物みたく言わないでくれませんか」


 理由もなく誰かを殺したりはしない……最近は酷くても半殺し程度で収めるようにしている。

 そして、余程でもない限りは暴力を振るったりもしない。


 「もう俺帰りますよ? 今日は仕事も無いんで」

 「ああ! 次のシフトは月曜じゃ! 忘れずにな! ではな!」

 「はい、ではさようなら」


 俺は、研究所を後にした。




 ◇




 ジジイ同士の戦う研究所から逃れた俺は、山に来ていた。

 この山には、バトルマスキュラー達のいる牧場があるからだ。

 しっかりと舗装された道を進むと、牧場が見えてきた。


 「バト筋!」

 「ブルルルル」


 ゾウ程もある超デカくて筋肉ムキムキなピンクっぽい色の馬。

 異世界の巨人専用の戦争馬、ジャイアント・ウォーホースのバトルマスキュラーだ。


 「お前は、何があったか覚えてるか?」

 「ブヒヒン」

 「そうかそうか! じゃあ、あの頑張りは無駄じゃなかったか」

 「ブルル」


 ギャルから何故かもらった統一言語を操れる俺は、どんな言語でも理解できる。

 言語をある程度理解している動物の声も、意味を正確に聞き取ることができるのだ。


 「ダオランは俺のバッグだが……リキッドは?」

 「ブルル」

 「ギャオオオオ」


 のしのしと二足歩行でやってきたのは、地球原生であると考えられているリキッドメタルザウルスのリキッドだ。

 いかにも怪獣といった見た目だが、今は小さくなっている。


 「うんうん、お前達がいてくれて俺も嬉しいぜ。ところで、島田さんは?」

 「ギャオオ」

 「取り込み中なのか……」


 窓から見える建物内部では、島田さんが忙しそうに電話したりしている。まさかそんなワンオペってわけじゃないだろうな。

 目が合ったので、手を振っておく。


 「……せっかくだし散歩でも行くか」

 「ヒヒン!」

 「ギャアア!」


 バトルマスキュラーが馬鎧をまとい、リキッドがそれを補強する。

 まさに完全武装、戦車だろうが傷一つつけられない馬の誕生だ。まあ、バト筋は生身だろうが戦車の砲弾だろうがミサイルだろうが効かないが。


 「よし、行こうか!」

 「ヒヒィィィィン!」


 巨体に見合わない軽快な走りで駆けだす。

 俺達は、牧場を後にした。




 ◇




 ゾウ程もある馬っていうのは、それはもう目立つ。

 大きさも大きさなので、車道を走るしかない。ちゃんとウィンカー代わりのライトがついているのでまだいいが。


 バト筋はとても賢いので、青信号の概念もちゃんと理解している。

 というか、道路交通法を暗記している疑いがある。何か前、六法全書を器用に読んでたからな……


 「このまま町を練り歩くってのもいいなあ」

 「ブルルル」

 「おっ? どうした?」


 バト筋が急に方向を変え、どこかへと走り出す。

 まあ、行く先は風任せならぬ馬任せなので、好きにさせるが。


 しばらく走っていると、やがて止まる。

 そこでは、数人の不良っぽい奴らがボコボコにされて倒れ伏していた。

 彼らは例外なく、甚振(いたぶ)られたようなような傷である。


 「こりゃ酷ぇな。このなことするのはかなりのサディストだ。ってことは……」

 「あら? アンタ、こんなとこで何してんのよ?」

 「やっぱりな」


 不良を蹴り飛ばしながらやってきたのは、アルルカンだった。

 いつも通り、露出の少なくて動きやすそうな格好である。


 「散歩だよ。お前こそ何してんだ」

 「絡まれたのよ。しつこかったからこうしたわ」


 人外をナンパした結果がこれか、殺されないなんて安く済んだな。


 「そうか。乗ってくか?」

 「勿論。聞かれなくてもそうするつもりだったわ」

 「そうか」


 アルルカンは、俺の後ろに飛び乗った。

 ダンデムとは呼びたくないが、1人よかマシかもしれない。

 バト筋は何かを察したのか、無言で走り出した。


 「なあ、お前は覚えてるか?」

 「何をよ?」

 「ほら、マジック・モンスとの戦争だよ」

 「はぁー? マジック・モンスぅ? そんなの――覚えてるに決まってるじゃない!」


 一瞬焦ったが、覚えていたようだ。

 本間博士は覚えていない様子だったから、何となく心配だったが。

 しかし、バト筋達は覚えているんだなぁ。


 「あんな楽しい記憶、忘れるわけないでしょ」

 「楽しい……?」


 思う存分、虐殺しまくっただけじゃないか?

 まあ、コイツにとってはそれが楽しいことなのだろう。


 「ロボットだの怪獣だの。未知の体験は楽しかったわよ」

 「意外だなぁ、お前にそんな感情があったなんて。血も涙も無い殺人兵器かと思ってたよ」

 「それこそ心外よ。アタシにだって感情はあるわ。ま、血も涙も無いのは本当だけどね」


 血の代わりにガソリンでも流れてるんじゃなかろうか。

 まあ、そんな奴でも、苦楽を共にしてきた相棒なのだ。


 「それにアンタだって……あー」

 「どうした? 珍しく歯切れの悪い」

 「いや、アタシってアンタの名前知らないなって思って」

 「……」

 「……流石に冗談よ。でも、面と向かって自己紹介したこと無いじゃない?」

 「……確かに」


 そういえば、コイツ自身から名前を聞いたことがないし、俺も言ったことがない。

 物凄く今更だが、改めてお互いを見直す時が来たのだろう。


 「では改めまして……アタシはアルルカン・オーギュスト。アンタは?」

 「交魚……富士見(ふじみ)交魚(まじな)だ」


 俺の名前だ。




 プルルルル……


 「すまん、電話だ」

 「タイミング悪いわねぇ」

 「すまんて、はいもしもし……ええ、はい、そうですけど……はぁっ!? う、嘘でしょう!? はい、はい……すぐ向かいます! 場所は……分かりました、では! バト筋! このまま真っ直ぐ行って、突き当りを右に曲がってくれ! 廃ビルだ!」

 「ヒヒィィィィン!!!」


 バトルマスキュラーが(いなな)き、豪快に駆け出した。


 「ちょっと、どうしたのよ」

 「末の妹が、不良を束ね上げてカツアゲギルドなるモンを運営してやがったらしい!!!」

 「カツアゲギルド!? アッハハハハ!!! 何それぇ!!!」


 アルルカンは爆笑しているが、笑いごとではない。

 末の妹は本気でヤバい。弟妹の中でもぶっちぎりにヤバイのだ。


 「クソ、締まらねぇ!」

 「けど、退屈はしなさそうじゃない?」

 「まあな! けど家族が問題起こしてほしくなかった!」


 どうやら、波乱の毎日は新たな世界でも終わらないらしい。


 「何か飯でも奢ってやるから手伝ってくれよ、アルルカン!」

 「ま、楽しそうだし。安くて量が多くて美味しいところならいいわよ、交魚!」


 俺達の戦いは、まだ始まったばかりなのかもしれない。




 【トロール】体型:人型 身長:110メートル 分類:亜人

 ・トロ3兄弟の末弟。

 巨人族すら超える巨体から繰り出されるパワーは驚異的の一言。

 『パワータイプの末っ子は鉄板っスよね』

 『ああ、鉄板だな』


 【トロイの木馬】体型:四足歩行 身長:80メートル 分類:ゴーレム

 ・トロ3兄弟の次男。

 ホバー移動で地を滑るように移動し、どのような悪路であろうと走破する。

 『スピードに優れた次男……鉄板だな』

 『鉄板っスねー』


 【トロ】体型:切り身 身長:70メートル 分類:切り身

 ・トロ3兄弟の長兄。

 斬撃、魔法、武道……様々な技術を兼ね備えた男。

 『総合的に強い長男!!!』

 『鉄板ですね~』


 【イスゲ・ミゴソク】体型:人型 身長:170cm 分類:アンデッド

 ・強大な死霊魔法の使い手。

 幾多もの死者を従わせ、国を滅ぼしたこともある。

 性格はクズだが実力は本物で、四天王の1人に数えられている。

 そのクズさたるや、魔王との謁見の際、一目見ただけで魔王から城の出禁を言い渡されたほど

 『はっきり言って人間としてはクズの部類に入る』

 『ネクロマンサーだからクズなんじゃない、クズがたまたまネクロマンサーになったんだ!』


 【アンデッド・ダルガング】体型:ダルガング 身長:ダルガング 分類:ダルガング

 ・死霊術によって蘇ったダルガングと隕鉄号。

 思考能力は無いが、生前の技などは変わらない。

 九尾の狐と化した、『九所突き』のヴィクセントによって戦士として葬られた。

 『死体損壊……』

 『巨人族が怒り狂っている!』


 【フラッシュゴーレム】体型:人型 身長:500メートル 分類:ゴーレム

 ・闇属性の魔獣を組み合わせた、肉のゴーレム。

 ゴーレムでありながら闇属性の魔法が使える。その威力は、一発で国を闇の底へと沈めるという。

 ネクロマンサーが生涯をかけて作り上げた禁忌の魔法生命体。

 自身の闇属性を上回る強力な光属性フラッシュの攻撃に弱い。 

 『“フレッシュ”じゃないんですか?』

 『何でも、あえて弱点を晒し、それを真正面から叩き潰すことを目的としているらしいな』


 【『九所突きの』ヴィクセント】体型:キツネ 身長:60メートル 分類:獣人(哺乳類)

 ・ヴィクセントが現した、真の姿。

 巨大で美しい九尾の狐であり、マジック・モンスの獣人においては王族しか使えない奥義であるとされている。

 人型ではないが、技は問題なく使え、事実上槍が10本に増えた。


 【『竜の槍』レブリガー】

 ・レブリガー・ヘルカイトの真の姿。

 元々、レブリガーは竜神武装ドラゴン・ウェポンとして生まれた竜である。

 彼は灼熱地獄で鍛え上げられ、世界で唯一残るドラゴンとして生きてきた。

 その力は最早、残りカスというのもおこがましい程に失ってしまったが、並の魔怪獣や英雄は鎧袖一触にして焼き尽くすだろう。


 【超魔王城 ハイパー・キャッスル】体型:城 身長:10キロメートル(内部は魔法によりもっと広い) 分類:城

 ・魔王の住む城の真の姿。

 空を飛ぶ超巨大なマザーシップとも言うべき移動要塞であり、内部では大型の魔獣ですら格納どころか不自由なく暮らすことができる。

 魔王が打ち捨てられた廃城に魔法をかけて生まれた。内部でたくさんの住民を住まわせることが生きがいらしい。

 世界再編後は、ミニチュアサイズになって虎鮫(交魚)の家で暮らしている。

 『これが限られた者しか入ることのできない魔王城!』

 『の末端部分だね』


 【魔神機龍マジドラゴン】体型:竜人型 身長:50メートル 分類:ロボット

 ・漆黒の装甲と、龍の頭部や翼を持った最強のロボット。

 本気マジであり、マジであり、魔神マジである。

 ワイバーン形態への変身機構を備えており、魔法によって物理法則を無視し即座に変形することが可能。

 【傲岸《DEvil》不遜に嗤(Arrogant)う龍(Dragon)】:悪魔たる怪物よ、傲岸不遜に嘲笑うがいい!!!

 【Dimen(時空の)sional(終わりに) Destru(踊る)ction()】:何処へ行こうとも、次元の崩壊からは逃れられん!!!

 【Galaxy(銀河) Genesis(創世)】:銀河の歴史を塗り替えろ!!!

 【|Void Eraser《無すら消し去る虚無》】:虚無すら残さず消し去ってやる!!!

 【Gravity(歪曲み狂う) Distortion(異空穴)】:歪曲する特異点が全てを飲み込む!!!

 【Boundary(境界を) Over(超えて)】:境界を超え、世界の裏より現れよ!!!

 【Apocalypse(黙示録)】:喇叭を鳴らせ! 黙示録の時は来たり!!!

 【Guilty(不条理を) Judgement(断罪つ刃)】:この世の一切の悪を断つ!!!

 【Nebula(星雲粉) Explosion(塵爆発)】:星々よ、爆裂せよ!!!

 【銀河星《Star》群超越《Ship》む宇宙艦(Adventure)】:艦よ! 星空を突き進め!!!

 【Eclipse()】:暗黒なる影よ、星々を蝕らえ!!!

 【Star Bow(流れ星)】:流れ星に願いを吠えろ! さすれば悲願叶わん!!!

 【STARGEYSER(スターゲイザー)】:天の光は全て星! 果て無きユメに手を伸ばせ!!!


 【絶空爪】【断空牙】【裂空角】【斬空翼】

 【奈落堕とし】

 【富士見“魔王”流活殺術】:活人拳である『生与拳』と、殺人拳である『殺奪拳』。その2つの流派を合わせた『生殺与奪拳』に属する拳法、『富士見流活殺術』。

 家の近くに存在した道場で学んだ拳法を、マジック・モンスで独自に鍛え込み、新しい流派に昇華した。守破離の内『離』の領域。

 彼女の独自な点として、高威力技はほどほどに陰湿な技ばかり揃えている上、本来なら富士見流に無い技を取り込んでいる。

 ・大蛇縛り:締め技。抜け出すことはほぼ不可能で、じわじわと身体を壊される。

 ・勇魚打ち、勇魚爆散拳『慈焔猛乱じえんもうらん』:クジラをも打ち倒すと言われる掌撃。

 ・懸糸傀儡:対象となる者の頭に指を突っ込み、思うままに操る。

 ・百合間挟男殺拳『凱亜』

 ・NL間挟輩殺拳

 ・悪魔奥義『龍心奪命』:一瞬で心臓を奪う技。

 ・反魂・御霊返し:活法に属する技で、死人さえ復活すると言ううたい文句。

 ・死人霞:大切な人の死に様や、死ぬ体験を何度も繰り返す陰湿技。

 ・抜芯:重心をずらす技。

 ・鎧貫拳:鎧も貫通する技。

 ・脳水掌:脳が液状になるという技。

 ・肉水しっすい掌:肉が液状になるという技。

 ・臓殿:内臓機能が消失するという技。

 ・喇叭らっぱ掌:手に一瞬だけ真空を作り出し、相手をグチャグチャにする技。

 ・拝み/合掌拳:合掌するように挟み込む技。痛みも無く死ねる。

 ・羅生門:人体の弱点であるツボを1点のみ狙い、確実に追い込む技。

 ・七門裂衝:人体の弱点であるツボを7点狙う技。

 ・森木魂紅:筋力を上昇させる気功法。

 ・永眠掌:頭に打ち込み、永眠させる技。

 ・廃撃:頭に打ち込み、廃人にする技。

 ・魔楼陣:飛び道具などを迎撃する技。

 ・錆刀:手刀による切断技。

 ・眼羅見:炎のように揺らめき、相手を混乱させる技。

 ・蛸脚(しょうきゃく)飛魳(とびかます)落とし:脚を伸ばしたり、風圧で飛び道具を封じる技。

 ・波羅空打(ばらくうだ):空気の流れよりも速く空気を打つことで、直接空気をずらして攻撃する遠距離技。

 ・堕日だび:かつて、牧場で働いていた友人の技。空気摩擦で炎を起こし、そのまま蹴るという諸刃の剣。それを昇華した技。地上に太陽が堕ちる、故に堕日。

 ・祝蝶

 ・呪蜂


 【魔王マジナ/本間本気奈】体型:人間 身長:170センチ 分類:人間

 ・マジック・モンスを統べる魔王。

 その正体は、本間餓智蔵の孫である本間本気奈、転生者だったのだ。

 死因は壮絶極まる。魔術師・妖術師などが迎合した集団が、神の才能を持つとされる子どもを救うため、全ての呪詛、病魔、禍根……あらゆる『負』を肩代わりする身代わりを求めた。そこで目をつけられたのが、本間本気。捕まった彼女は、悪魔すら目を背ける責め苦を味わい、身代わりとなって死んだ。それを目にした本間博士は、復讐を誓ったのである。

 皮肉にも、自らを殺した魔法の才。彼女にはそれがあった。様々な苦難にさらされながら、彼女はなおも正気を失うことなく、現代の知識と才能を利用し、魔王にまで成り上がった。そして、現代に帰還するための研究を始めた。

 数百年が経った頃、世界は魔法至上主義と化していた。魔法を使えない者が虐げられる。それは、彼女が前世で受けた拷問にも等しいものに思えた。

 彼女は、この終わった世界を憎んだ。そんなある日、彼は偶然にも神界に行くチャンスを得た。そこで出会ったのは、自らを転生させた『転生の神 アルコバレーノ』だった。

 偶然にも神との対談によって世界の真実を知った彼女は、魔法世界を滅ぼすと同時に、現実世界を『進化』させることを決意した。

 偉大なるマジック・モンスの魔王は、皮肉にも科学の国から来た少女だったのだ。




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