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サメ兵器シャークウェポン  作者: アースゴース
第3章 真・異世界決戦編 サメ&地球VS魔道帝国マジック・モンス
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第74話 魔王の力! 魔神機龍!!!


 正体を現した魔王、マジナは余裕綽々といった様子だった。


 「まさか生身で戦うつもりか!?」

 『ふふふ……私に武器など必要ないからな』

 「ふざけた真似を……」

 『ふむ……ちょうどいい。今、どこぞの宇宙人達が地球侵略のために大艦隊を派遣しているようだ。モニターで確認したまえ』

 「はぁ? 宇宙人なんているわけ……え」


 高性能人工衛星などのデータを見てみると、確かに艦隊が地球に向かってきている。何か、地球の科学力を遥かに超えてるみたいな陳腐そうな奴らだが。

 クソ、魔王だの何だのでこのクソ忙しい時に……いや、だからこそか?


 『彼らを……こうする。【星雲粉(Nebula)塵爆発(Explosion)】』

 「えっ」


 瞬間、地球からすら目に見える爆発が巻き起こり、艦隊は1隻残らず消失した。

 そう、いかにも強そうで技術体系の違うグロテスクな宇宙艦隊が、一発で消え去ったのだ。


 「は?」

 『怖気づいたかな?』

 「……」


 勝てるのか、こんな奴に?

 だが逃げたところで逃げ場はない。魔王マジナは遠く離れた宇宙空間に存在する無数の敵を殲滅したのだ。

 どうする、何をしたらいい、苦戦するどころの話では――


 「シャキッとしなさい!!!」

 「っ!」


 思考停止しかけていると、アルルカンに喝を入れられた。


 「とにかく!!! いつも通りに!!! ブッ潰せばいいのよ!!!」

 「なるほどなぁ」


 こいつはこんなに熱い奴だったか?

 だが、もうそれしかない。それ以外必要ない!!!


 『ククク……仲がいいな。比翼連理といったところか』

 『いや、コイツとは無い』

 『……ククク、まあいい。そうだ、君らのロボットを見ていると、私も新兵器を試したくなったのでね。同じ土俵に入ってやろう』

 「何ぃ?」

 『機龍!』


 ハイパーキャッスルの一画が()ぜ、黒い何かが飛来する。

 空を縦横無尽に飛び回り、俺達に味方するロボットの子機を粉砕しながら、そいつは俺達の前に姿を見せた。


 「黒い……」

 「ドラゴン?」


 明らかに機械でできた、黒い光沢を放つ竜。

 だが、そいつは尻尾や翼があるものの(おおむ)ね人型で、まるでロボットのようだった。


 『これこそが、私の集大成……魔神機龍マジドラゴンだ』

 『GYAOOOOOOOO!!!』


 マジック・モンスでも伝説に語られる最強生物が、雄叫びを上げた。




 ◇




 「何がドラゴンよ!!! こちとらサメがついてんのよ!!!」

 「お前もやっとサメの可能性を分かってくれたか」

 「サメがドラゴンに勝ってんのは捕まえやすくて鱶鰭(フカヒレ)が高級食材ってとこだけよ!!!」

 「酷い言われようだな……ま、人間喰うのはサメも一緒だけど。で、どうすんだ?」


 あまりの威圧感(プレッシャー)を放つマジドラゴンに、俺達は攻めあぐねていた。

 中にめちゃくちゃ強い奴が乗ってるのに、ミサイルやビームが効くのだろうか。


 「……こういう時は出し惜しみ無しよ。全力全開でブッ殺す!!!」

 「そう来ると思って準備しといたぞ! シャークトルネード……にプラスしてジョーズミサイルだ!!!」


 シャークウェポンから、竜巻とミサイルが発射された。

 それはまさに鋼鉄と爆炎の嵐で、地球上にある大体の者なら消し炭にすることができる。

 まあ、向こうが馬鹿正直に当たってくれるとは思っていない。現に、奴は動き出していた。


 「だったらこっちも動くまでよ」


 アルルカンの精密で悪辣なコントロール。相手に逃げることを許さず、罠へと追い込みつつ自分は離脱する。しかし、マジドラゴンはそんな卑怯な戦法にも対応し、被弾を避けていた。

 魔法だけじゃなく、機体性能も操作の腕もピカイチというわけか。


 「やっぱこれくらいじゃ無駄ね。だったらアタシ達も新たな手を使うわ」

 「今まで使ったことない武装が……ここにある!」


 今まで使わなかった謎の武装達『超粒子砲』、『ヰ邪万(うぃじゃばん)光弾』、『裂空砲』だ。

 何か遠距離に傾き過ぎてるが、あんなマシンには近づきたくないので好都合。


 「全弾持ってけ地球泥棒!!!」

 「泥棒っていうか強盗ね」


 『超粒子砲』は、派手な色の極太レーザーが腰らへんの穴か何かから発射される。

 『ヰ邪万(うぃじゃばん)光弾』は、サメの口からデカい光弾。

 『裂空砲』は肩パーツから透明に近い色のレーザーか。


 何かこれでは倒せなさそう。

 そう思っていたが、これらの武装は竜巻やミサイルよりもはるかに速く飛ぶので、全てがマジドラゴンに命中した。


 「え、当たるのか……」

 「魔力反応はまだ消えてない! 油断するんじゃないわよ」

 「分かってる。奴が姿を現すぞ……」


 流石に無傷とはいかないで欲しいところだ。

 今のでかなりエネルギーを消費したので、どうにか補給したい。

 できなければ、炉心を全部解放して自爆覚悟で戦うしかない。


 「見えた……」


 煙が晴れると、マジドラゴンは無傷だった。

 手から出していると思われる魔法陣でガードしていたのだ。


 「無傷! クソッタレ! そのバリアはずるいだろ!」

 「面白くなってきたじゃないの……」

 『我がミスティック・シールドは特別製でね。して、もう終わりか? 次はこちからから行こうか』

 「な――ぐあっ!?」


 目の前からマジドラゴンが消える。

 そして、気配を感じるよりも早く衝撃が俺達を襲った。


 「そこ!」


 アルルカンが、一瞬の間にマジドラゴンの腕を掴んだ。

 恐るべき反射神経である。しかし、今回はそれで助かった。


 「馬力ならこっちが上みたいだな!」

 『そのようだな……いや、本気で頭のおかしい馬力だな? 地球の技術でマジドラゴンを超えられるとは。だが、逃げ場が無いのはそちらも同じだ』

 「だからどうしたのよ! 虎穴に入らずんば虎子を得ず! そのまま虎もろとも皆殺しにしてやるわ!!!」

 『威勢のいいことだ。では受けてみたまえ……』


 マジドラゴンの翼が、宇宙のような、星空のような何かを(まと)う。

 それは、宇宙から何かを吸収しているようにも見えた。


 『天の光は全て星! 果て無きユメに手を伸ばせ!!! 【STARGEYSER】ァァァァッッッ!!!』

 「おっおおおおぉぉぉぉーッッッ!?」


 まるで星が爆発したような衝撃だった。

 いや、そんなもの受けたことも見たこともないが、そう錯覚させられる攻撃だ。


 「どうなった……」

 「最悪よ! 今の一撃で胴体部分のオリハルコン超合金装甲が半分くらい剥がされたわ!!!」

 「はぁ? つまり、フレームが剥き出し?」

 「そうよ」


 ヤベェピンチじゃん。


 『オリハルコンの合金如きで今の一撃を耐えるか、呆れたタフさだな。だがそれならば、これをも耐えられよう……運が良ければな』

 「させるかっ!!!」

 『遅いっ!!!』

 「ぐおっ……」


 また大技の気配がしたので妨害に入るが、軽くあしらわれる。

 

 『終わりだ! 【傲岸不遜に――ッ!?』


 その時だった、マジドラゴンに1本の槍が飛んできたのは。

 巻き付く毒蛇の意匠を施されたその槍は、マジドラゴンから外れるとまた持ち主に向かって戻って行く。


 「危ねぇぇぇぇ……マジで助かった」

 「危機一髪、綱渡りでもしてる気分だわ。ま、アタシは綱渡り失敗したことなんてないけど」


 俺達は、心強い助っ人に目を向ける。

 彼こそ、岩倉絆だった。


 「ありがとう!! 助かった!!!」


 俺は手を振って感謝するが、アンドロマリウスは微動だにしない。


 「ねぇ、何か様子がおかしいわ」

 「ああ……」

 「何かめちゃくちゃ嫌な予感がするんですけどー?」

 「ああ……」


 あのアンドロマリウスからは、言い様も無い何かを感じる。

 俺達は、その予感に導かれるままに防御の姿勢を取った。


 『まさか少しばかり改造しただけのメイガス・ナイトに邪魔立てされるとは……ではお前から始末して――!?』


 マジドラゴンが、重圧を受けたように這いつくばる。

 しかし、すでに前まで移動しているアンドロマリウスには、何もないようだ。

 ではこれは、キズナかアンドロマリウスの仕業だろう。


 『何!? こ、この力は……!? まさか、そんなはずはない!!! 貴様らは私が1匹を除いて滅ぼし尽くしたはずだ!!! 何故今更!!! 本当に貴様か!? 本当に貴様らなのか!? 貴様らなのか“D”!!!』


 焦る魔王、語られる“D”。

 そして、謎の力の正体とは……!?




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