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サメ兵器シャークウェポン  作者: アースゴース
第3章 真・異世界決戦編 サメ&地球VS魔道帝国マジック・モンス
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第50話 禁断の“エビ”二度出し


 メイガス・ナイトに撃たれそうになりながらも、何とかシャークウェポンまでたどり着いた。


 「デカいメイガス・ナイトが7体……」


 こちらに砲身を向けている。

 その上、周りには比較的小さめの魔怪獣が十数体、こちらを見据(みす)えていた。

 その内の何体かは貝なので、見ているかは分からないが。


 「あの蝶々が曲者ね。魔術も超能力も使えないわ」

 「え? マジか?」


 優雅に空を舞う、極彩色の蝶達。

 周りがわずかに光って見えるが、それは鱗粉(りんぷん)だろうか。

 ぼんやりと蝶を見ていると、その内の1匹に(むち)のようなものが直撃し、爆散した。


 『先輩方! あの蝶と細かい奴らはオレがやる! あのロボットを止めてくれ!!!』

 「オーケー!!!」


 まあ、蝶はキズナに任せていいとして、だ。

 俺にとっては、魔怪獣の中の1体が問題だった。


 「エビかぁ……」

 「はぁ? 何言って……ああ、そういやアンタ、飼ってたエビが巨大化したんだって? ウケるー」

 「昨日の今日だぞ?」


 デカいエビの魔怪獣が、紛れ込んでいたのだ。

 ダオランよりは小さいものの、何に使うのか分からない余計なパーツがついているという違いはあるが。


 そして、ダオランが巨大化したのは昨日だ。そのわずか1日後に、エビが敵として出てきた。

 こんなものはネタ切れか、キャラ被りを恐れない暴挙に他ならない。


 しかし、仲間になった奴と同じタイプの敵出すというのは間違っていないのか?

 ……いやでも、エビでやる展開じゃないだろうが!


 「昨日だろうが一昨日(おととい)だろうが関係ないわ。さっさと終わらせてブラックオックスを洗車するのよ」

 「ふーん」

 「興味なさそうねぇ。ま、無駄話はこれくらいにしときましょうか」

 「そうだな。行くぞぉ!」


 俺はシャークウェポンを操作し、前へと走る。

 奴らの巨大な大砲も、魔怪獣も恐るるに足りない。校舎を壊せる程度の威力じゃ、シャークウェポンの装甲は貫けないからだ。


 「多勢に無勢が何だ! こちとら一騎当千(ワンマンアーミー)だぞ!」


 ちなみに、今回ダオランは勿論、バトルマスキュラーやリキッドメタルザウルスもお休みである。

 彼らは消費カロリーがアホほど高いので、環境が整ってない今は、おいそれと出撃できないのだ。


 思ったより遠くにいた奴らに、ようやく近づいてきた。

 魔怪獣共は、まるで他人事みたいにくつろいでいる。


 「これから殺されるってのに呑気な……なにっ」

 「これは……!?」


 これからまとめて攻撃しようとした矢先、シャークウェポンが()()()


 「液状化よ! 地面が液状化してるんだわ!!!」

 「ば、馬鹿な! この辺の地盤はエキュメノポリスが徹底的に手を加えたところだ! それが液状化なんて……」

 「あの貝を見なさい!」


 俺は、足元にいる二枚貝らしき魔怪獣に目を向けた。

 その貝は、口から液体を吐き出していた。すると、地面が見て分かるほどに柔らかくなってしまった。


 「あ、あいつら~!!!」

 「あの液体からは魔力は感じない。つまり、貝を殺しても無駄ってことよ」

 「じゃあ、先に向こうからやっちまうか」


 狙うはメイガス・ナイト。俺は怪光線のボタンを押し……


 「……?」

 「どうしたのよ?」

 「いや、怪光線が出ないんだ」

 「はぁ? そりゃおかしいでしょ。貸してみなさい」


 アルルカンもボタンを押すが、うんともすんとも言わない。

 異常を知らせる反応がないので、故障ではないと思われるのだが。


 「あらー? おかしいわね」

 「だろ? ……ん?」


 アルルカンと話していると、戦うキズナが目に入った。

 余裕ができた時、蝶に対して、毒蛇の槍『フェルドランス』を向けている。

 恐らく、必殺のトキシックビームを撃とうとしているのだろう。


 しかし、蛇の口を模した槍先からは、何も出なかった。


 「もしかして、あの蝶々はビーム兵器も無効化するんじゃないか?」

 「嘘でしょ……でもそれなら、アイツらが大砲なんて実弾兵器に頼るのも納得できるわ。ということは、ミサイルで殲滅よ!」

 「よしきた!!!」


 俺はミサイルのボタンを押してやった。

 機体の各所から出現するミサイルポッド。獲物を前にして笑みを浮かべるジョーズミサイルが放たれた。


 ミサイル達が、魔獣やメイガス・ナイトに迫る。

 しかし、それを阻止する者がいた。


 「何ィ!?」

 「パンチでミサイルを!?」


 沼と化した地面から飛び出した、巨大なシャコ。

 そのシャコが恐らく、目にも留まらぬ速さのパンチを繰り出したのだ。俺には見えなかったが、アルルカンがパンチと言っているので、そうなのだろう。


 拳で全てのミサイルを破壊したシャコは、標的をシャークウェポンへと変えたようだ。


 『ギュルリィィィィ!!!』

 「ボクシングがお望みってわけ? 上等じゃない!!」


 ワン、ツーとボクシングのようにパンチを繰り出すアルルカン。

 シャークウェポンのロボットとしての性能が合わさった、ホバー移動ステップで距離を詰め、ラッシュを仕かけた。

 体格と頑丈さを活かした、インファイトである。


 『ギュルギュリィィィィ!!!』

 「え!?」

 「ぐわッ!? 何て衝撃だ!!!」


 しかし、シャコはそれ以上に速かった。

 アルルカンのパンチを最低限の動きで(かわ)し、逆に超高速のパンチを叩き込んだのだ。


 主にサメ頭の鼻っ柱に集中攻撃を受け、重心が(かたむ)いたせいでバランス感覚を失ったシャークウェポンは、沼のような地面に倒れ伏した。


 更に、追い打ちをかけるように砲弾が飛んでくる。

 特にダメージは無いが、非常に鬱陶(うっとう)しいことこの上ない。

 おまけに、細かい魔怪獣までワラワラと集まって来た。


 「クソ、どう切り抜けるか……」

 「ノコノコ来た奴からブッ殺したらいいでしょ!!!」


 間抜けにも近づいてきた、小さい魔怪獣を叩き潰ししながら、シャークウェポンが起き上がった。

 さあ、第2ラウンド開始だ!




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