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サメ兵器シャークウェポン  作者: アースゴース
第3章 真・異世界決戦編 サメ&地球VS魔道帝国マジック・モンス
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第45話 地底怪獣リキッドメタルザウルス現る


 早速だが、俺とアルルカンは魔怪獣と殴り合っていた。


 「全然パンチ効かないじゃないの!!!」

 「金属にパンチが効くかー!!!」

 「シャークウェポンならブチ抜けるでしょうが!!!」


 相手は、金属でできた巨人。つまりゴーレムである。

 さっきから何度か殴ってはいるものの、ゴムのような弾力があり、衝撃が吸収されて全く効果がないのだ。


 「ゴムにパンチが効くかー!!!」

 「シャークウェポンなら破壊できるでしょうが!!!」


 このやり取りも、さっきから5度目くらいだろうか。

 ダルガングのダメージが修理完了しておらず、大体の武装が使い物にならない状況でコイツ。

 マジック・モンスもようやく本腰を入れてきたか?


 「キズナは……上手く誘導して同士討ちさせてるみたいだな」

 「相変わらずの操作技術ね」


 キズナの方は心配ないだろう。

 問題は、こっちに7体くらい集まってきていることだ。地獄か。


 「ん? レーダーに反応? 新手か?」

 「いや……これは地面よ、地面の下にいるわ!」

 「なにっ!?」


 俺は、大慌てでその場から飛び退いた。

 すると、地面が勢いよく爆発し、中から何者かが現れた。


 「な、何だっ!?」


 全身は金属のような外皮で覆われ、一目で硬いことが分かる。

 筋肉質な太い脚での二足歩行で、尻尾を引きずっている。所謂(いわゆる)、『()()()()』などと呼ばれる体型だ。

 頭に特徴的な角が生えた、まさに『怪獣』と呼ぶべき存在だった。


 「魔怪獣!?」

 「違う……魔力は感じない! 多分、地球産の生物よ!!!」

 「アレがか!?」

 『キジャアアアアァァァァッッッ!!!』


 怪獣は、雄叫びを上げながらゴーレムに突撃した。

 高音と低音が入り混じった、妙に不気味な咆哮……身も(ふた)も無い言い方をすれば、昭和の特撮の怪獣にいそうな声だった。


 怪獣は、大口を開けながら、ゴーレムへと食らいついた。

 そして、金属同士の(こす)れるような音を立てながら、咀嚼(そしゃく)した。


 『ゴォォォォ……』

 『ガゲンギィィィィッッッ!!!』


 ゴーレムも、されるがままではない。

 数の差と重々しい身体を活かしながら、格闘戦を挑んだ。

 流石に分が悪いのだろう、怪獣の金属質なボディもボコボコである。


 『ギャリリリリン!』

 『ゴ――』

 「え」

 「何?」


 その時だった。

 突如として、怪獣の身体がドロドロに溶けたのだ。

 ゴーレムの仕業かと思ったのだが――


 『ガギィィィィン!!!』

 『ゴゴゴゴ!?』

 「と、溶けたまま動いてる!?」

 「あれは生物の範疇(はんちゅう)におさまらない、まさに怪獣ね……」


 金属のような光沢を放つ液体と化した怪獣が、素早い動きでゴーレムを包み込んでしまったのだ。

 内部からは、金属が削れるような音がする。恐らく、ゴーレムを喰っているのだろう。

 その証拠に、怪獣が元に戻ると、ゴーレムは跡形(あとかた)もなく消えていた。


 「ああ、あっという間にゴーレムが喰われた」

 「お次は……キズナの方に行くみたいね」


 キズナも怪獣に気づいていたようで、ゴーレムの隙間をぬって素早く離脱した。

 怪獣は、キズナには目もくれず、ゴーレムを包み込み、捕食する。

 またもや、ゴーレムは全て喰われてしまった。この怪獣は金属相手によほど強いのだろう。


 「……こっち見てない?」

 「ああ……」

 「アタシ達を食べる気じゃ?」

 「……」

 「……」

 『ギャイィィィィン!!!』


 俺達に狙いを定めた怪獣は、襲いかかって来た。

 シャークウェポンも金属。襲われない訳がなかった。その割には、アンドロマリウスが狙われなかったのが気になるが。

 それよりも、迎撃しなければならないか。

 

 「パンチは悪手か……」 

 「武装はほとんど使えない……詰んでない?」

 「シャークトルネードは使えるぞ……でも腐食効果とか無いからなぁ……せめてルストハ〇ケーンなら……」

 「ないものねだりはよしなさい。それで、何か無いの、効きそうなやつは」


 探してみる……そういえば、これがあったな。


 「金属だろ? 熱に弱いかもしれない。ちょうど接触したら使えるやつがある。奴の熱伝導率にもよるが……いや、でも地底から出てきたんだ、マグマの熱にも耐えるかもしれないし……」

 「マグマって最大で1200度くらいらしいわよ、地球の中心の核はもっと熱いけど。その武装の温度にもよるんじゃない?」

 「……今のところ、5000度が限界だ。やってみるか?」

 「やりましょう……もう食べられちゃってるし」

 「あ?」


 どうやら、しくじったようだ。

 足元に身体を伸ばしているのに気づかず、もう半分くらい()まれていた。

 それを見たキズナが助けに来るのだが……


 『先輩!!! 今助けるぞ!!!』

 「キズナ……あ! 後ろ! 新手の奴が出てくるぞ!!!」

 『! すまねぇ、先輩方!!!』


 光の粒子から現れたのは……14体ほどのメイガス・ナイトだった。

 どうせカカシにもなりゃしない程度の強さだろうが、数だけは多いのがマジック・モンス。

 今回もさっさと死んで、死体と残骸で地球に技術提供してくれるのだろうが。


 「もう全部吞み込まれたぁ! よし行くぞ! 熱いぞ、準備はいいな!?」

 「ええ、多少の熱さならどうとでもなるわ!!!」


 俺は操作盤をいじくり回した。

 武装とは言うものの、今からやろうとしていることは、ちゃんと搭載(とうさい)されているものではない。

 シャークウェポンの機能に対してちょっと悪さをすることでできる、裏技のようなものだ。もちろん、とても負荷がかかるので、普段使いは論外だ。


 「あら、武装じゃなかったのね」

 「エンジンから出る熱を(まと)ってるんだ。装甲の厚いシャークウェポンだからできる裏技だよ」

 「負荷とかかからないの?」

 「あー、元々出てる熱をそのまま利用してるだけだからなぁ。でも長時間は絶対ダメ。長時間じゃなければ大丈夫。負荷も少ない」

 「なるほどね」


 じわじわと上がっていく、シャークウェポンの温度。

 熱も()()()()遮断(しゃだん)する、スーパーロボット特有の凄い金属が使われているからこそできる荒業だ。


 コックピットから見える怪獣も、徐々に赤熱している。

 さて、どちらが先に音を上げるのか……




 【ゴムメタルゴーレム】体型:人型 身長:50~80メートル 分類:ゴーレム

 ・全身が金属でできたゴーレム。大きさは個体による。

 鋼よりも硬く、ゴムのような柔軟性を持っている。そのため、討伐が困難な恐るべき魔獣として知られている。

 筋肉質な体型と金属の重量が合わさった、天性のパワーファイターである。

 弱点のコアとかは無い。魔力を吸い取ってただの鉄塊にするか、身体の70%以上を破壊するか。それが討伐方法である。

 『どこから湧いて出てくるんだよ……』

 『地底じゃないスか?』



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