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サメ兵器シャークウェポン  作者: アースゴース
第3章 真・異世界決戦編 サメ&地球VS魔道帝国マジック・モンス
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第39話 誘いパリィ


 『お前達よ、気を付けるのじゃ!』

 「博士」

 「どうしたのよ急に」


 いざ殴り合おうという時に、本間博士から通信が入った。

 博士はあのロボットに関して何か知っているのだろう。


 『そのロボットは、わしを学会から追放した不倶戴天(ふぐたいてん)の敵……狭間(はざま)寄光(よりみつ)のものじゃ!!!』

 「その人が作った? その人も天才なんです?」

 『ふん! 才能は認めるが、マジック・モンスとの和平などと抜かす(ぬる)い奴よ。そんな奴のロボットに、虐殺と破壊によって育ったお前達が負ける訳が無い!!! さぁ行けぇッッッ!!!』


 人のことをさも、幼少期から戦いしか知らない殺戮マシーンみたいに言わないでもらおうか。

 それは多分アルルカンのことだ。


 「取りあえず、お前に任せるよ。見栄え重視の派手なアクションで分からせるんだ」

 「任されたわ!」

 「え、銃捨てるの?」


 向こうのはやたら角ばった、重厚なロボットだが、動きは早めだ。

 そんなロボットに、アルルカンはショットガンを放り投げ、真正面から突っ込んで行く。


 『やはり無能な子どものようですね、わざわざ武器を捨てて向かってくるなど……何!?』

 「無能はどっちかしらね? 無策と決めつけるなんて」


 胴体を狙って、真横に振られた剣を、ジャンプで回避する。

 シャークウェポン機動性を無礼()めてもらっては困るな。こいつはパイロット次第では曲芸ができるほどなのだ。


 「どこ狙ってんの~?」

 『くっ! この……!?』

 「すっとろいわねぇ、こんなのがエリートなの?」


 剣の上に乗ったり、腕を足場にしたりと、曲芸じみた動きをするアルルカン。

 30メートル以上離れた体格差が(あだ)となり、いいようにされているようだ。


 『馬鹿にしているのですか!?』

 「そう思う? なら正々堂々と戦ってあげる」

 『何を考えて……うっ!?』


 ロボットの剣を、シャークウェポンの腕に存在するブレード『フカヒレザー』によってはじき返す。 


 「ほら、狙いはここよ? まさかコックピットに当てるつもりじゃないでしょ。政府の犬が人殺しなんて酷いことしないわよねぇ〜? それとも来ないの? 来ないならこっちから行くわよ」

 『(しゃく)(さわ)る……え』

 「はいパリィ」


 迫りくる剣だったが、振るわれた直後に放たれた()()()()()()で無慈悲にパリィされた。

 実はアルルカンは、放り捨てたショットガンの近くまで戦いながらロボットを誘導し、素早く脚で拾い上げたのだ。

 そして勿論、大きな隙を見逃すアルルカンではない。


 「臓物(モツ)抜き……ってね」

 『きゃあっ!?』

 「流石だなぁ」


 躊躇(ためら)いなく、空いている右手をロボットの腹部に突き刺した。

 重厚な見た目で、それに違わない装甲を備えていたようだが、シャークウェポンを相手取るには不足していたようだ。


 「あら? 大当たりね!」


 突き刺した右手で適当に掴んだものを引っ張り出したらしいが、見事にエンジンらしきものを引き抜いていた。

 動力源を奪われたロボットは、そのまま力を失い、倒れ伏した。


 「このエンジン? どうする?」

 「喰えばいいんじゃね?」

 「それもそうね!」


 シャークウェポンの胸の口に、動力源を放り込む。

 すると、バリバリと豪快な音を立てて咀嚼(そしゃく)した。どんどんエネルギーが回復していき、満タンになった。


 「んで、このスクラップどうしましょ」

 「博士、どうします?」

 『放っておけ。後で回収に来る』

 「ウっス」


 やることがなくなったので、どうするかと考えていると、アンドロマリウスがこちらに手を振っているのに気づいた。

 相変わらず傷一つなく、無傷で勝利を収めたことは想像に難くない。俺も手を振り返しておく。


 「おー? 何かヘリとかトラックがいっぱいだ」

 「ここでいきなり怪光線とか撃ったら面白そうね。ミサイルポッドで脅しちゃお」

 「ほどほどにな……絶対撃つなよ!?」

 「分かってるるってば」


 ガシャガシャとミサイルポッドを出し入れする度に、ヘリやトラックの間に緊張が走る。

 そして、恐る恐るロボットに近づき、回収するために作業をしていた。


 「おい、もうそろそろやめとけ。暴走するかもしれん」

 「毎度思うんだけど、この暴走って何のためについてるのかしら?」

 「システム上の欠陥だろ……よっ」


 俺は暴走の手ごたえを感じた瞬間、赤いレバーを引く。

 エネルギーが無くても勝手に動くので、マジで油断ならない。


 「右腕どうすっかなぁ」

 「博士に言えば?」

 「それしかないよなぁ」


 未だ折れたままの右腕をブラブラと揺らしながら、俺は頭の中でこれからの大まかな予定を組んだ……




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