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9 稽古開始、です!

今回短くてすいません!

この後を長くして、もう1本更新出来ればと思います!

それから1週間。ミカはしごきにしごかれた。


「ミカ、まだ後10周残ってるぞ!」


「は、はいぃ、お父様ぁ」


この草原を1周するコースをアーリアが定めたのだが、その距離およそ30km。これをまず20周である。

その後腕立て、腹筋、背筋を50回3セット。1分の休憩を挟んだ後、お互い木剣を持って打ち合いを10分を3回。

これを朝にするのだ。もはや鬼である。

かつて『自分の身長より大きいものを振りまわしていては危ない』と言っていたのは、素人だからということだったのだろうか。


ミカは、げっそりしていた。


「はぁ...はぁ...」


鬼の教官アーリアに『強化魔法の使用を禁ずる』といわれていたので、素直に走っているのだが、5歳の女の子が走る距離ではない。


のどが切れたのか、血の味がする。


「.......い、いっそのこと、剣で一度倒してしまおうかしら」


強化魔法の使用を禁じられたミカだが、一度使ってしまえばこちらのものだと考えているのだ。であれば、その圧倒的な強化でアーリアを倒すことすら可能なのではないだろうか。


「できるか、じゃない。やるんだ」


これ以上辛いことをしていたら、『美少女』に『筋肉ムキムキ』の称号が追加されて、『ムキムキ美少女』になってしまう。

自身に『美少女』の称号を追加したのはミカ自身なので、勝手に名乗っているだけなのだが。


とにかく、そんな体を手に入れる気はさらさらないミカは、1週間目にして鬼教官を倒そうと画策するのだった。


(チャンスは...打ち合いの時!)


ミカは、瞳をキランと光らせて走るのだった。









結論から言おう。そんな元気はミカには無かった。


一番元気の有り余っている男子高校生とかにやらせても音をあげるというのに、5歳のミカがやったらどうなるかは明白で、そんな練習の最後にやる打ち合いで倒すなんてことができるはずがなかった。

そこで、ミカは気づく。


(まさか、私にそんな元気をなくさせて、反抗できなくさせている!?)


そうだとしたらなんて策士だとミカはおののいたが、もちろんアーリアがそんなことを考えているわけがない。

単に、自身が昔こういった訓練をしたのだから、ミカにさせているだけなのだ。しかし、アーリアはバカなのだろう。それを行った自分の年齢と、ミカの年齢を考えることはできなかったようだ。


「よし、今日はこれまで!」


「」


ミカは声も出さずにばたりと倒れる。

声を出す気力もないようだ。


そんなミカを担ぎ、アーリアは家へと戻る。


アーリアに担がれたげっそりしたミカを見たジェイナは、少し呆れた顔になって言う。


「また、無茶させているの?」


「無茶じゃない。俺だってしてきたんだ」


「...あなたには考えられるほどの脳がなかったようね。いいわ、今日の夜少しお話しましょうか」


何も言わずに、食卓に置かれたご飯をただ食べ続けているミカの隣で、話が進んでいく。

その次の日の朝から、訓練は少し軽めになった。








「ミカ、少しいい?」


訓練が軽くなってから約1ヶ月。朝の訓練の後に食べる朝食を食べ終えたミカは、ジェイナに呼びとめられていた。

例によって嬉しくなるミカは、無意識にアーリアに精神的ダメージを負わせながら振り返る。


「何、お母様?」


「私の部屋で話しましょうか」


ジェイナが椅子から立ち上がり、ジェイナの部屋へと向かう。

それについていくミカとアーリア。

しかし、アーリアはジェイナに『あなたは外で待機です』といわれ、いじけて外へと出て行ってしまった。


「外ってそんなに外じゃないんだけれど...まあいいわ。ミカ、魔法はどうかしら」


「相変わらず強化魔法しか使えないよ...」


「そうよね。...いい、ミカ。それには理由があるのよ」


「理由?」


そして、ジェイナはミカに、属性魔法が使えない理由を伝えたのだ。これには理由がある。


この世界は、日本と同じように1年12ヶ月で構成されており、現在9月。このあたりはいつでも春の陽気な日差しが降り注いでいるので、あまり季節の変化に気がつかない。

そして、ミカの誕生月は10月。適性審査も10月だ。


適性審査では、水晶に手をかざすと、一番適した色に水晶が光る。

火属性なら赤。水属性なら青。風属性なら緑。土属性なら黄色。そして、強化魔法は白。


もし仮に、ミカが水晶に手をかざして白以外の色が光った場合、どうして魔法が使えないのに属性魔法の色が光るのだろうかという話になってしまう。

ジェイナとアーリアは、出来るだけ混乱させないようにしたいのだ。


「そ、そうなんだ...精霊と契約を...」


「そうなの。私は風属性としか契約していないから、使える魔法は1属性だけなんだけどね」


「もしかして、契約できる数には限りが?」


「あるわ。でもそれは個人差なのよ。もしかしたら、ミカは全属性と契約できるかもしれないわね」


「...!」


そしてミカは、未来の自分の想像する。

4属性を巧みに操り、結局は強化魔法で敵を吹き飛ばす未来____。


(あれ、おかしいぞ?)


最近強化魔法に力を入れているせいなのか、強化魔法を使うときが一番イメージできるミカ。

しかしこれは慣れの問題だろうと判断し、深くは考えないことにした。


ミカはジェイナに礼を言い、部屋から出る。


「契約か...よし、契約するぞ!」


まずは夜に、契約の本がジェイナの部屋に無いか物色しに行くことにしたミカだった。



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