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71 困惑です!

えー、更新できず申し訳ありませんでした!


久しぶりの更新なのに短いのは許してください…。

これからしっかり更新していきますので、よろしくお願いします!

「……?」


依頼を達成したその日の夜。

お腹が空いて目が覚めたセリナだが、周りに誰もいないことに気がついて、首を傾げた。


現在、3人は外食中なのだが、セリナは寝ていたため、何も伝えられていない。


部屋中を見ても、ミカ達の姿が見えないので、セリナは宿を出たが、そこで立ち止まる。


「……すごい人」


ミカからお金をもらって勝手に1人で食べた時は、特に気にはしなかったが、あの時は食べ物に注意を向けていたから特に何も思わなかったのだろう。


今は夜のちょうどご飯を食べる時間帯だ。

出店から買って食べる人も多い。


「……待ってよう」


人混みの多さで、すっかり3人を探すのを諦めたミカは、宿の中へ戻って再び寝始めた。













「それでは、以前言っていた探し人というのは、お嬢様のことでもあるのですか?」


「まあ、生きた半身というか…そんな感じね」


レストランで食事中の3人は、これからのことについて話し合っていた。

その中で、ミカは勝元美香がこちらの世界に来ていることを、上手い具合にぼかしながら2人に伝えていた。


ミカの説明を聞いたセフィアは、それ以上深くは聞こうとしないが、カナはそうでもないようだ。


「お嬢様、もしお嬢様の半身が襲ってきた場合はどうするんですか?」


「え、そうね…どうしようもないんじゃない?」


カナの質問に、ミカはかなり雑に答える。


(というか、私が私を殴ったりできないし…)


「まあ、仮にも私なんだし、話し合い出来る相手だとは思うわよ」


「それもそうですね。…それにしても、お嬢様はやっぱりすごいです!」


「え…うん、ありがとう」


ここで否定しても説明が面倒だと感じたミカは、とりあえず頷いておくことにした。


夕食を食べ終わった3人は、レストランから出て、宿を目指す…前に。


「お嬢様、少し組合に寄らせていただけないでしょうか?」


「組合に? 何か用があるの?」


「本当はお嬢様がお休みになられた後に、と思ったのですが、組合に以来の達成報告と、次の依頼を一応確認しておこうかと」


セフィアの説明を聞いたミカは、なるほど、と呟く。


(特に用事もないし、私もついて行った方がいいわよね)


そして、3人は組合へと歩き出した。













「依頼はあちらにございますので、お嬢様が受けたいと思うものがあれば、後日受けてから移動しましょうか」


「わかったわ」


組合の中に入った3人は、すぐに別行動を始める。

セフィアは達成した報告を。ミカとカナは、現在貼り出されている依頼を。


ミカが受けたいと思うものがなければ、準備が出来次第北へと進むことになるが。


カナと共に、めぼしい依頼が無いか目を通すミカ。

特に何も無かったことを確認し、セフィアが戻ってくるのを待つ。


「そういえばお嬢様。お嬢様が受けたいと思われるような依頼とはどんな内容なんですか?」


セフィアはまだかな、とミカが立っていると、カナがそんなことを聞いてきた。


ミカはそんな質問に、そうね、と考え込む。


(私1人なら、ある程度危険な依頼でもこなせるかもだけど…4人で、となるとそうもいかないわよね。どうしようかしら)


と、そこまでミカは考え、閃いた。


「私の得意なことを生かせて、尚且つハイリターンな報酬…かしら」


「なるほど…得意な面を最大限生かすのですね。さすがです」


「え? え、ええ」


「わかりました。お嬢様の得意な面を生かしつつ、稼げるような依頼を探して参ります!」


「え? ……え、ええ」


先程から同じことしか言ってないな、とミカは思いつつ、依頼をより詳しく見始めたカナを見送る。


(まあ、ここで探さなくても、移動してるうちにいいのが見つかる気がするのよね)


ミカはまだ、どの地域で難しい依頼が多いのかだとか、その地域で出る魔物だとかを全く知らない。

ダンジョンの中なら、セフィアが頼りになるのだが。


「まあ、そこはゆっくりやっていこうかしら…と、戻ってきたわね」


近くの椅子に座ろうか、と考えたところで、セフィアが戻ってくる。

が、その顔はどこか浮かない。


ミカが駆け寄り、その理由を問いただすと、セフィアは口を重たそうに開き、言った。


「お嬢様に、捜索命令が出ています」


「……は?」


セフィアの言葉を、理解はしたミカ。

だが、それを飲み込めるかは別問題だ。


ミカの声を駆け寄ってきたカナも、セフィアから説明を受ける。


「…なるほど。詳しい話は、一度宿に戻ってからに致しましょう」


「そ、そうね…」


冷静なカナを見て、ミカも幾分か落ち着きを取り戻したようだった。


ミカ達3人は、宿に戻り、いつもの場所に腰掛け、話し始めた。


ちなみにセリナは、3人が帰ってきたことに気づかずに爆睡中である。


「それではお嬢様、一体誰が探しているのか、なのですが…」


「ええ、誰が探しているのか知っているのなら、対応もしやすいわ」


セフィアに対して、ミカは冷静に言う。

相手が誰であろうと、今のミカは並大抵のことでは止められない。

であるならば、しっかりと対処することで事なきを得るはず。ミカはそう確信していた。


「……お父様です」


「斜め上」


セフィアがお父様、と口にした時、ミカは短くそう言ってベッドに倒れ込む。

そして、深い溜息を一つ。


「お母様は説明してくれなかったのかしら…」


「それが、どうやらお嬢様がお父様に対して対立している、との噂が立っているようでして」


「なにそれ…」


ますますミカが脱力していく出来事が、セフィアの口から出る。


一体どこからどのようにしたら、そういった話になるのだろうか。

ミカは、とにかくそれを突き止めなければと判断した。


「まず、その噂の出処を探しましょう。このままじゃ、私は私として生きていけないわ」


「容姿までは伝わっていないようですが、それも時間の問題かもしれませんね。ですが、それまで何も無いのなら、噂が廃れる可能性もありますが」


「なるほど…人の噂も七十五日、とはよく言ったものね」


「…? それはよく分かりませんが、その可能性はあります」


ミカの言葉に、セフィアもカナも2人揃って首を傾げたが、そのことにミカが気づいた様子はない。


(でも、なんでお母様はお父様に説明してくれないのかしら。もしかして、私たちの動向を遠くで見てたりする?)


しかし、あれこれと考えても全て憶測の域を出ず、結局は行動しなければ何も変わらないということしか分からなかった。


ミカが体を起こし、セリナの寝顔を眺めていると、カナが質問をした。


「それでお嬢様。北に行かれるのですか?」


「そうね…今のお父様がどこにいるのかは知らないけれど、一旦学院に戻った方がいいかもしれないわね。確か、お父様はそこにいるはずだし」


「わかりました」


そして、その日は4人で簡単な食事を摂り、すぐに就寝した。

セフィアによると、明日は早いのだと言う。


「……」


しかし、3人が寝ても、ミカは1人起きていた。


寝付けない、と言うよりは、寝たくない、だろうか。


(なんとなく、お父様に会いたくない…。面倒だから、とかじゃなくて、嫌な予感がするのよね…)


しかし、眠気には勝てなかったようで、数十分した時には、ミカも寝息を立てていた。

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