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46 気づいたんです!

投稿できなくて申し訳ありません!


勝手なのですが、一昨日、昨日、今日の残りの投稿は、土日の投稿に合わせて投稿しようと思います!


数がそのまま増えるか、量が増えるかは分かりませんが…必ず投稿はします!

ジェシカとの模擬戦から数ヶ月。

7に入り、外も(心做しか)暖かくなってきた。


聖武祭は中止になり、特にイベントもないまま月日が過ぎていくだけの日々でもあった。


(ただでさえイベントの少ない学院なのに、これ以上減らしたら大変よね…)


ミカの言う大変、とは、人が来なくなるのではないか、ということなのだが、その心配は無用である。


元々、この初等学院は国の中心部にあり、教養のレベルが高いから人が集まっている。

聖武祭に関しては逆にマイナスのイメージになっており、前から無くそうと考えていたところだったので、ちょうどよかった、と言うことになる。


ミカは、現在自室で寝ている。

時刻は午前の10時。

1度起きたのだが、今日が休日だということに気が付き、セフィアに告げ2度寝している。


だが、ここまでミカが寝ているのは珍しい。


「お嬢様…」


ミカが寝ているベッドの横の椅子に座っているセフィアは、座ったまま寝ている。


「お2人とも、お疲れなのですわね」


ジェシカも、熟睡している2人を見て放置する始末。


ミカは、こうして1日を無駄にしていく______。


「はっ!?」


ことは無かった。


激しく痙攣して目覚めたミカは、慌てて、壁に貼り付けられている時計を見る。

現在の時刻は、午後の13時。


昼どころか、朝も食べていないミカのお腹は、早く何かよこせと言わんばかりに鳴る。


「!!」


ミカのお腹の音で、セフィアも小さく痙攣して起きる。


さすが、ミカのメイドである。


ミカがまだ寝ぼけているのに対し、セフィアの目覚めは良いらしい。

すぐさま服を整え、立ち上がる。


「お嬢様、お食事の準備を致します!」


「へ? あ、ん…よろひく…」


未だに寝ぼけて呂律が回っていないミカを置いて、セフィアは急いで部屋を出る。

向かう先は、この寮の調理室だ。


ご飯が出るとはいえ、生徒達が自炊もといお菓子作りをするという事もある。


セフィアはそこへ向かった。


そして、ミカは目をこすり、ベッドから降りる。


(……長い夢を見ていた気がする)


なんとも間抜けなことを考えながら、ミカは服を抜き出す。

その目の前には、ジェシカがいるわけで。


「ななななな、ミカさん!? 何をしていますの!?」


「? 何って、着替えですけど」


ミカは未だに寝ぼけているようで、セフィアがつい先程出て行ったことを理解していないようで、服を脱ぎ続ける。


下着姿になったミカは、そのまま立ち続ける。


ジェシカは、顔を真っ赤にして逆方向を見ている。


(……セフィア、遅いわね。いつもならすぐに…あれ、さっきどこかに行かなかったかしら)


ここでようやくミカの頭が正常に動き出し、先程セフィアは食事を作りに出て行ったことを思い出した。


そして、ミカは視線を落とし、自分の格好を確認する。


(……もしかして、起きたらいつもしてる動作をしちゃった感じかしら)


学校で寝ぼけて、先生を「ママ」と呼んでしまうのに似ているだろうか。


ミカはそんなことを考えながら、服を一旦着直す。

そして、ジェシカに一言謝る。


「ごめんなさい先輩。間違えちゃったみたいです」


「どういう間違いをしたらそうなるんですの……」


そこに、セフィアが戻ってくる。


手には、皿の上に乗せられたサンドイッチがある。


「申し訳ありませんお嬢様。時間をかけられず、あまり手の込んだものができませんでした…」


「そんなの、気にする必要ないわ。セフィアの作るご飯は全部美味しいわよ」


「お嬢様…」


ミカはセフィアからサンドイッチを受け取り、一口食べる。


そして、笑顔を浮かべる。


「やっぱり、美味しいわ」


「お嬢様…勿体なきお言葉…!」


そして、ミカの着替えに入った2人を、ジェシカが見ていた。

しかしその顔は、どこか呆れ顔だ。


「毎日よくやりますわね…」


そう。ジェシカはここ毎日、このような光景を見ている。


最近、セフィアは目に見えて疲れている。

ミカが、特段無理をさせている訳では無いのだが、何故か疲れている。


故に、ミカが寝ている時はセフィアも深く眠りについてしまうし、ミスも多い。


そのことにミカは違和感を覚えている程度にしか認識していないので、疲れは溜まっていくばかりだ。


当然、疲労を回復するタイミングはあまり無い。


「……ありがとう、セフィア」


「いえ、それが私の役目ですから」


ミカが着替えを終え、2人がいつもの会話を交わす。

この2人の良いところは、当たり前にならずに、ミカは感謝を。セフィアは忠義を。変わらず捧げている所だろう。


そこで、ミカが怪訝顔になる。


「セフィア……なんだか、顔色が悪い気がするのだけれど」


「ジェシカさんが、ですか?」


「いえ、あなたの事なんだけど」


ようやく、ミカはセフィアの異変に気づいたようだった。


ジェシカは、遅すぎるだろう、と呆れているが、気づかないよりはマシだと思っているようだ。


しかし、セフィアは、主人に心配されるなんてことはあってはならないと考えているのか、首を横に振る。


「いえ、お嬢様。私は健康でございますよ」


「……それなら、いいんだけど」


と、ミカはすぐに引き下がり、椅子に座る。


そのやり取りを見たジェシカは、椅子からずり落ちそうになる。


ジェシカがツッコミをしようと立ち上がると、ミカが先に口を開いた。


「でも、一応使っておきましょうか。副作用は無いから安心してちょうだい」


そう言うと、ミカは椅子から立ち上がり、セフィアに手を向けて魔法を唱えた。


「『スキャン』」


ミカは、まずはセフィアの異常を探す。


(セフィアは大丈夫みたいな事言ってたけど、不安なのよね)


過去に前例がある訳では無いが、ミカの直感は良く当たる。


ミカはそのまま、セフィアを細かく見てやろうと思ったが…。


(…すぐわかったわね)


ミカは、セフィアの異変の正体。

『過労』に気がついた。


それに気がついた瞬間、ミカはすぐにセフィアに抱きついた。


突然抱きつかれたセフィアは驚くばかりだが、ジェシカはようやく安心したように、部屋を出ていく。


ミカは、セフィアの顔を見て言う。


「セフィア、私、気づけなくてごめんなさいっ…!」


「え、お嬢様?」


「セフィア、これは命令よ。今日から私があなたのメイドになるわ!」


「お嬢様!?」


ミカが見た『過労』の文字。

原因は、主にセフィアにあるのだが、ミカは自身のせいだと確信し、であれば、逆になれば良いのだと閃いた。


ミカは、先程セフィアに着せてもらった服をバッと脱ぎ捨て_____


「……」


「……」


_____ようとして、腕が引っかかって脱げなかった。

それを見たセフィアは、引っ掛かりを直し、元の位置へと戻る。


ミカは、再び腕を振り、服をバッと脱ぎ捨てる。


なんとも、ダサかった。


そして、下着姿のミカは高らかに宣言する。


「さあ、セフィア、今日から私は、あなたのメイドよ! 何でも命令しなさい!」


「えええええ!?」


そして、ミカは、メイドとしてはあるまじき言葉遣いで、セフィアの目の前で言い切った。


下着姿で。

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