38 ダンジョンクリアです!
全然更新できてないのにこんな時間になってしまいました…。
明日、なんとか時間を見つけて更新したいと思います!
「よいしょっと」
ミカは、重たそうな音を立てて開くドアを軽そうに押しながら、中に入っていく。
「お嬢様、気配が濃くなりました…」
「相当近くにいるのかしら?」
ミカが剣を片手に中に入っていくと、数十m先に、ミカの身長の20倍はあるであろう…。
(さすがにそれはないか。せいぜい15倍ね)
せいぜい15倍の、ドラゴンがいた。
ちなみに、ミカの身長は100cmなので、15mの敵となる。
ドラゴンは、セフィアは目に入っていないのか、ミカに対して威嚇の咆哮をする。
それに大して、ミカは。
(ひゃあ…肌がビリビリする…これは気をつけないと)
ドラゴンといえば、ほとんどのラノベの中でも最強種として扱われてきた存在だ。
そんな存在が、ミカの目の前にいる。
(約2年で対峙することになるとは思わなかったけど、やらなきゃ目的を果たせないし…)
「やるっきゃないわね!」
そして、ミカは気合いを入れ直して、『筋力上昇』と『アクイバレント・エクスチェンジ』をかけ直す。
重複するのであれば、ミカはひたすらかけるのだが、同じ魔法は重複しない。
そして、剣を握り、ドラゴンに向かって走っていく。
(セフィアが出てくる事態になったら、それは本当にまずいってこと…そうなったら、多少のリスクを背負っても『イクス・マグナ・レイ』を…)
とはいえ、魔力を操作できるようになったとはいえ、考え無しに使うのは危険だろう。
それに、戦闘することに慣れておかないと、『イクス・マグナ・レイ』を使えない状況になった時に大変な思いをするのはミカ自身だ。
「はっ!」
ミカは全力でドラゴンの足に斬りつけるが、切断とまではいかないものの、傷つけることに成功する。
力任せではやはりダメなようだ。
横から尻尾が飛んできたので、ミカはそれをジャンプして避ける。
が、それをすぐに後悔することになる。
ドラゴンが口を開いて、ブレスをはいたのだ。
(まずっ!)
空中で移動する方法をまだ確立していないミカは、そのブレスをまともに浴びてしまう。
そのまま地上へと戻ってきたミカは、ゴロゴロと転がり、立ち上がる。
そして、ミカの服の端が焦げ、ミカ自身も少し黒くなっていた。
(あのブレス熱すぎ…強化魔法がかかってなかったら骨も残らないわね)
そもそも、このダンジョンはレベルの高いダンジョンだった。
道中は、大人数で来たならば確実に死人が出るであろうトラップ。
そして、追い打ちをかけるかのように現れるモンスター。
ケルベロスも弱い訳では無い。
相手がミカだから瞬殺されたのであって、セフィアの場合は、セフィアが5人いたら倒せるレベルだ。
つまり、ミカが規格外なのだ。
ドラゴンのブレスをまともに食らって、軽傷で済んでいるにしても。
「『ファイアアロー』!」
ミカは、火属性の『ファイアアロー』を唱える。
これは、ダメージを与えるためのものでは無い。
ミカが唱えた炎の矢は、ドラゴンの目に向かって飛んでいく。
ドラゴンは目をつぶって防ぐが、ド派手な爆発と轟音が起きる。
ダメージは無いようだが、驚いたドラゴンは2、3歩、後ろに下がる。
「隙あり!」
ミカは、剣を後ろに構え、一気に接近する。
狙うわ。
「まずは、羽!」
羽まで跳躍し、すれ違い様に羽を切断。
血、は飛び出さないが、ミカによって斬り落とされた羽がドスン、と重たい音をたてて地面に落ちる。
ドラゴンは、苦しそうに呻き、ミカに再びブレスをはく。
しかし。
「よっ…と。さっきのようなのならまだしも、地に足がついてるなら避けられるよ!」
ミカはそれをステップで華麗に回避。
とはいえ、それが出来るのはミカだけなのだが。
ステップ1つで10m移動出来る人間が、ミカ以外にいるとは思えない。
ミカはそのまま、ドラゴンに超接近し、魔法を唱える。
「『ナインズ・ブレード』」
ミカがその魔法を唱えると、ミカの背後に結晶が弾けた、エフェクトのようなものが出現し、9本の剣が出現する。
全て、ミカが持っている剣と同じだ。
(よし、ぶっつけだったけど成功した!)
『ナインズ・ブレード』。
強化魔法の1つで、自身が持っている武器をさらに9本増やすという魔法だ。
これの欠点は、全ての剣を自分で動かさなければ行けないという点であり、ほとんどの人は1、2本動かすのが限界だ。
だが、ミカは違った。
(なんでかは知らないけど、私が出したら勝手に動くのよね)
ミカは、勝手に動くと思っているようだが、厳密には違う。
ミカが出した剣は、またもや魔力の多すぎで、ミカの意識に過剰に反応するようになってしまったのだ。
なので、ミカが想像をするだけで、剣が簡単に動く。
今回、ドラゴンの首が太すぎるせいで、ミカの剣単体では足りなかったのだが、合計10本あれば、2本分はいけるかもしれない。
「いっけぇ!」
そのまま、自身の剣で斬り抜け、魔法の剣で首を切断する。
イメージは、日本にいた時にやったゲームだ。
「ふぅ…」
危なげなく着地し、魔法の剣を消す。
万が一、セフィアに向いたら後悔してもしきれず、セフィアの後を追うだろう。
ドラゴンがピクリとも動かなくなったのを見たミカは、セフィアを呼ぶ。
「セフィアー!」
「お嬢様、終わったんですね。さすがです」
「まあ、これぐらいわね」
(私の魔力量はチートみたいなもんだし)
その魔力量で行使される魔法もチートのようなものなのだが、ミカは自覚していない。
セフィアがドラゴンを恐る恐る近づき、死んでいることを自分の目で確認すると、ホッと息を吐く。
「それにしても…こんな魔物がいるなんて…」
セフィアの言い方からして、魔物がいるのは分かるが、その魔物の正体までもは分からないようだ。
ミカは、とりあえず奥を目指そうと言う。
「ドラゴンから貰えるものって何も無いでしょ?」
「そうですね。ダンジョン内の魔物はダンジョン外へと移動できませんから」
そして、ミカとセフィアはドラゴンを置いたまま、奥へと進んでいく。
そこには。
「これって…」
「鍵、ですね」
ミカとセフィアが見つけたのは、青色の箱の中に入っていた、1つの鍵。
どこかの扉を開けるということは分かるが、鍵が複雑な形をしていて、唯一分かることは。
「……『30』?」
「なんの番号でしょうか…」
そこで、ミカは閃く。
「この番号、もしかして30番目のダンジョンに行けって事じゃないの?」
「なるほど、さすがです、お嬢様」
と、セフィアは褒めるが、なんとなくミカはセフィアも分かっていたのではないかと思う。
(まあ、遠慮したのかもしれないわね)
ミカは、手に持っていた鍵を『コンバート』する。
こうしておけば、無くしたりする可能性は無い。
ともかく、ジェイナの異変を解決するようなものは見つからなかった。
「残念ね…」
「お嬢様、もしかしたら、『30番目のダンジョン』に何かあるかもしれません」
「……そうよね。なら、1度家に戻って、30番目のダンジョンを探しましょう」
そして、ミカ達は出口を目指して歩き始めた。
こうして、ミカとセフィアは、たった2人でダンジョンを踏破するという偉業を成し遂げたのだが、これを他人が知るのは大分後の話だ。




