33 新しい属性と契約です!
投稿したと思ったら出来てませんでした!
申し訳ないです!
予定通り3本あげます!
7月に入った。
ミカの左腕もかなり動くようになってきたことに、ミカよりもセフィアが喜んでいるようだ。
「お嬢様、お気をつけて…」
「もう、セフィアは心配性ね」
現在、ミカとセフィアは教室で実験中だ。
今回の実験は、ミカが個人で考えたものではなく、授業の一環である。
実験の内容は、火属性魔法を使ってみるというもの。
(契約していない生徒は、契約してからって言うのが、今回の内容ね)
そんなわけで、ミカは火の精霊と契約しようとしているのだが。
前回、どうやって風属性の精霊と契約したのか、ミカは覚えていなかった。
セフィアを助けるためにその魔法を使ったことは覚えているが、その先を覚えていない。
「うーん……『アナライシス』を使ったことは覚えてるんだけど…」
と、そこでミカは思い出す。
「そういえば、本を見てたんだっけ」
『コンバート』させていた本を取り出し、ページをペラペラとめくっていく。
すると、『スキャン』の魔法を見つけた。
「そうね、これだったわ…『スキャン』」
すると、ミカの目には4つの属性の精霊が、沢山現れた。
と言っても、火属性の精霊が多いようだが。
(それも当然か。今は火属性の授業だもの)
そして、ミカは火属性の精霊に声をかける。
「あの、私と契約してくれない?」
『……そうだな、対価が必要だ』
「対価?」
そう言いながら、ミカは振り向くと、セフィアはこくりと頷いた。
「普通、精霊と契約するためには、対価、もしくは代償が必要となります。しかし、それらは全て程度の軽いものです」
「なるほど…」
そして、ミカは精霊に向き直る。
「ごめんなさい。それで、対価って?」
『そうだな…この場で服を脱げ』
「……はい?」
『対価は、お前の体を見せること、だ』
「……」
ミカは助けを認めるようにセフィアを見るが
先程はミカが対価と口に出したから説明をしたからで、精霊の声は聞こえていない。
だったら説明すればいいだろうと思うかもしれないが、ミカは単純に恥ずかしがって口に出来なかった。
「……ほ、本当にしなきゃダメ?」
『ああ』
「頑張ってください、お嬢様」
ミカは、セフィアの後押しで覚悟を決める。
現在来ている制服の下は、下着だ。
いくら6歳の体、周りには女子だけと言えども、抵抗はある。
しかし、脱がなければ契約できないのなら…!
「もし無理難題を言われているのなら、別の精霊に声をかけることも可能ですよ」
「よし、そうしよう」
『ちょっ!?』
ミカが覚悟を決め、服に手をかけた時、セフィアが後ろからそんなことを言うので、ミカは一瞬でそう判断した。
次に声をかける精霊を探しているミカに、先程の精霊が慌てたように声をかける。
『まままま待って! 待ってください!』
「……なに?」
先程とは違い、一気に立場が逆転した2人。
ミカが知らないことを利用して、おかしい対価を要求した精霊の自業自得だろう。
(というより、そんなこと精霊も言うんだ…ちょっと幻滅かも)
『対価はいらない! だから契約してくれないか!?』
「…対価はいらないって、とういうこと?」
先程まではミカが嫌がっていた内容の対価を要求していたくせして、突然どういった風の吹き回しだろうか。
ミカが怪しんでみていると、赤の精霊は焦ったように喋り続ける。
『俺たち火の属性は、契約した人間の数で報酬が出るんだ…』
「…あ、そう。他の子を探すわね」
『だから待って!?』
ミカは未だに喚く精霊を無視し、別の精霊に声をかけた。
先程は男っぽい精霊だったので、今度は女の子っぽい精霊だ。
「あの、私と契約してくれない?」
『だーっ!聞いてくれー!』
『あら、いいわよ。対価は…そうね、髪の毛を1本くださる?』
「髪の毛?」
とはいえ、先程の変態要求よりはマシかと思い、ミカは自身の髪の毛を1本抜いて精霊に渡した。
「これでいい?」
『ええ。綺麗な銀色ね……』
そして、その精霊は満足気にうっとりと目を細めた後、ミカに向かって手を伸ばした。
『それじゃ、行くわよ。『コントラクト』』
「……」
ミカは、そういえば、と思い出す。
(あの時、風属性の精霊さんはなんの対価も無しに契約してくれたけど…なんでなんだろう?)
『コントラクト』が終わり、精霊はミカにお礼を告げていなくなった。
ミカは最初、お礼を言うのはこちらなのでは、と思ったが、火の精霊達が報酬をもらうために必要なことだと考えたら、持ちつ持たれつな関係なのかと思った。
「よし、これで火属性魔法が使える…!」
「おめでとうございます、お嬢様」
「ええ、ありがとう」
ミカとセフィアがそう言葉を交わし、いざ実験と思ったら、無情にも担任の授業終了の合図が響いた。
がっくりと肩を落とすミカ。
「あの火属性精霊め…!」
「お嬢様、何があったのかは存じ上げませんが、今日はこれにて授業は終了です」
「あら、もう…?」
そして、ミカは無意識に左腕に手を添える。
今まで、動かなかった左腕を、右手で持ち上げるという動作が多かっためだ。
左腕が動く時までは、動くのが当たり前だったが、最近では動かないのが当たり前だった。
無意識に手を添えていたことに気がついたミカは、右手を腰にあてる。
(これは、苦労しそうだ…)
「ミカさん、なにか手伝うことはありまして?」
「え? いえ、今は何もありませんけど…」
「そうですか…」
放課後。
ミカはいつも通り自室で勉強兼『リペア』しているのだが、決まってジェシカがミカに何か手伝えないかと聞く。
ミカは何も無いと伝えるのだが、その度にジェシカは悲しそうな顔をした。
一体、何がしたいのだろう。
「……」
(そんな落ち込んだ顔しないでよ…もう!)
ミカは、何故か申し訳ない気持ちになって、ジェシカに1つ頼み事をする。
「あ、そういえば」
「なんですの!?」
ミカがまだ何も言っていないのに、ジェシカがパァっと明るくなり、ミカに寄ってくる。
ジェシカは何の目的があってそうしているのか、ミカは本当にわからなくなっていた。
「……図書館から本を撮ってくるのを忘れていました。題名は確か、『生かすも殺すも君次第』という名前だったような…」
「わかりましたわ!」
ミカがそう言うと、ジェシカは目にも止まらぬ速さで部屋を出て行った。
それを見送ってから、ミカはセフィアに告げる。
「セフィア、お茶をお願いしていい?」
「はい、お嬢様」
最初はこれをジェシカに頼もうかと思ったのだが、これはすぐに終わってしまうので、ジェシカが満足しない可能性があった。
(だから、時間がある程度かかるものを選んだのだけれど、なんでそんなに手伝いたがるのかしら)
1時間後、ジェシカは息を切らしながら戻ってきた。
「はぁっ…ミカ、さん、持ってきましたわ…」
「あ、ありがとうございます、ジェシカ先輩」
「はうっ」
「?」
ジェシカが差し出した本を受け取り、素直に礼を言うミカ。
そのミカの笑顔を受けたジェシカは、後ろに仰け反りながら声を漏らす。
ジェシカは、ミカの虜になっていた。
(なんだろ、私何もしてないはずなんだけど…)
何もしていないことは無い。が、ミカがそれを自覚することは無い。
そして、ジェシカは真っ赤に染めた顔を隠すために、ベッドに飛び込む。
「私、今日はもう寝ますわ!」
「え? わ、わかりました。おやすみなさい、ジェシカ先輩」
(6歳の女の子が先輩って言うのって、なんか変なような気がするんだけど…まあいいか)
そして、ミカはジェシカから受け取った本を開く。
今日もまた、過ぎていく。




