エスペラントの風景2
エスペラントの風景2
1、動詞のさまざまなる変化
【trink-i 「飲む」(不定形;語尾は-i)】
現在形:trink-as「飲んでいる」
過去形:trink-is「飲んだ」
未来形:trink-os「飲むだろう」
命令形:trink-u「飲め」
反実仮想:trink-us「もし~を飲んでいれば(実際は飲んでいない)」
※)命令形について
・丁寧なお願いや依頼を表したいときの表現を覚えよう
Bonvolu + 動詞不定形 または Bonvole + 動詞命令形
・否定の命令は、動詞命令形の直前にneをおく。
Ne mangxu!「食べるな!」
Bonvolu ne mangxi!/Bonvole ne mangxu!「食べないでください」
受動態完了:rezerv-it-a「予約されてしまっている、予約済みの」
受動態継続:ripar-at-a「修理されつつある、修理されている、修理中の」
受動態未然:konstru-ot-a「建設されようとしている」
※)末尾が-aであることからもわかるが上の3つは動詞から派生した形容詞である。
riparata awto:「修理中の自動車」 のような使い方が可能である
〈esti + 動詞語幹 + 受動の接尾辞(-it-/-at-/-ot-) + 形容詞語尾-a〉
の構文で、「~される」という意味の文を作ることができる。
Cxio estas kovrita de negxo.「すべてが雪に覆われている」
(cxio:すべて/kovriti:覆う/de negxo:雪)
(All things are covered with snow.)英語と対照するとわかりやすい。
※)品詞を変えれば、名詞も作ることができる。
koni:知る → kon-at-a:知られている → konato:知人
ami:愛する → amato:愛人、恋人
完了の分詞構文:trink-int-e「飲んでしまって、飲み終えて」
継続の分詞構文:trink-ant-e「飲みながら」
未然の分詞構文:trink-ont-e「飲もうとして」
受動の分詞構文:trink-it-e「飲まれて」
他動詞が自動詞になる
:naski → nask-igxi「生む→生まれる」
状態動詞が動作動詞になる
:stari → star-igxi「立っている→立つ」
名詞・形容詞が「~になる」という意味の動詞になる
:varma → varm-igxi「暖かい→暖かくなる」
他の品詞から他動詞を作る
:pura → purigi「清潔な→清潔にする」
動詞を他動詞や使役動詞にする
:fini → finigi「終える→終わらせる」(cf. finigxi:終わる)
〈-igxiと-igiの対照〉
varma「暖かい」
→varmigxi「暖かくなる」
→varmigi「暖める」
fermi「閉める」
→fermigxi「閉まる」
→fermigi「閉めさせる」
2、コピュラ動詞estiを使った「AはBである」構文
主語+estas(現在形)+名詞ないし形容詞 「(主語)は~である」
Li estas studento.「彼は学生である」
Mi estas felicxa.「私たちは幸せです」
3、疑問詞
kial なぜ
kiel どのように
kiam いつ
kio なに
kiu だれ
kie どこ
Kiel vi fartas? 「あなたはどのような調子であるか?=ごきげんいかが」
Kie sxi estas? 「彼女はどこにいますか?」
4、Yes/No疑問文
・平叙文の文頭に疑問詞cxuをおくだけ
Cxu vi estas malsata?「あなたはお腹がすいていますか?」
-Jes, mi estas malsata./-Ne, mi ne estas malsata.
※)否定文は動詞の前にneをおく
5、所有形容詞
人称代名詞+-aで、「~の」という形容詞に派生する
mi「私」→ mia「私の」/mia awto「私の自動車」
※)形容詞である以上、数と格の一致をさせる必要がある
Lia fiancxino estas bela.「彼のフィアンセは美しい」
Mi amas mian fiancxinon.「私は私のフィアンセを愛する」
Liaj amikoj estas diligentaj.「彼の友人たちはまじめだ」
(つづく)
次回は、数詞、順序数詞、前置詞、指示詞などをみていく。
また、慣用表現や曜日、月、季節などの時の表現についてまとめたものを近いうちにあげておくので、そちらも参照されたい。
具体的な文例はあえてまだ提示しない。エスペラントはその文法の見通しのよさが特徴的であるから、まずは着実に文法事項の暗記に努めてほしい。筆者は巷で人気の「会話で学ぶ」系の指導とは袂をわかつものであるから、そこに関してはご理解いただきたい。
一通り文法の概説を終えたら、エスペラントで書かれた作品を購読していく。