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恋バナが好きな彼  作者: 桜木風
4/4

~彼side~告白

2話連続投稿です。


~「すき…。」

あいつから発せられたその言葉があまりにも予想外で一瞬理解できなかった。~


あいつの恋バナを聞いてから俺はあいつを振り向かせてやろうと考えた。

でもはっきり言って何をすればいいのかわからなかった。正直行き詰っていたそんな時に俺がいつもつるんでいた男友達に彼女ができた。



「わりぃ、これからは俺彼女と帰るから。じゃあまたな。」

「おう、また話聞かせろよ~。」



(今日から一人か。…これだっ。)



俺はふと思いついたことを行動に移そうと急ぎ足であいつのもとに向かった。

早くしないとあいつは帰ってしまう。あいつとは家が近い。これは最近知ったことだが、いつもあいつは一人で帰っていた。これほどの口実はないだろうというくらいに条件がそろっていた。


ちょうど教室から出てきたあいつに声をかけた。



「なぁ!一緒に帰んない?」



だが声をかけた直後に俺ははっとした。



(付き合ってもないのに一緒に、しかも二人で帰るのはハードル高すぎたかも。)



こんなことを思っても結局は後の祭りだ。



「ダメかな?」



俺は恐る恐る様子をうかがった。



「うん、用もないしいいよ。」



あいつはためらわずにオッケーしてくれた。


その時のあいつの笑顔が少し不意打ちで、ドキッとした。


あいつと一緒に帰るのも当たり前になってきたころ、俺はあいつに恋バナを振った。ふと、あいつの好きなやつのことが気になったのだ。あの時以来あいつとは恋バナをしていなかったからはっきり言って情報不足だ。敵の情報は多いほど対策することができる。俺は、あいつの好きなやつについて悟られないように探りを入れるだけのつもりだった。



「私告白する。」



急なあいつのその言葉に驚きを隠せなかった。



(もしかして俺が恋バナなんてしたからか!?)



俺はかなり動揺していた。最近一緒にいる時間が増えた。あいつを見ている時間も増えた。だからそんな素振りを見せていなかったあいつが急に告白だなんて言い出したのだ。



「どうしたんだよ急に?なんかあったのか?急に告白だなんて、俺焦らせることなんか言ったか?」



俺はかなり焦っていた。さっきから何を聞いても反応がない。

何が起きているのか理解できなかった。



(なんだよ…悪い夢なら覚めてくれ。)



本気でそう思った時だった。



「すき…。」



小さな声であいつがつぶやいた。

ずっと下を向いていたけれど耳が赤くなるのがみえた。



(もしかして…こいつの好きなやつって…)



俺は本気で夢だと思った。気が付けば思いっきりほっぺをつねっていた。



(痛い。…夢じゃ…ない?)



俺が固まっているとあいつが俺を見上げてきた。今にも泣きそうな顔で、その潤んだ上目づかいに俺は自分でもわかるほどに赤面した。そんな赤面しながら頬をすねる俺を見てあいつは驚いた顔をした。振られると思っていたのだろうか。予想外の反応に困惑している姿が妙に愛おしかった。


俺は言葉よりも先にあいつを抱きしめていた。

あいつが俺を想っていてくれたことが嬉しくて、今自分の腕の中にいることが幸せで、俺はしばらくあいつを抱きしめ続けた。





これにてこの連載は完結します。

お読みいただきありがとうございました!!

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