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少女と魔族と聖剣と  作者: ぺんぎん
第十六章

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ソドゴラ村の案内

 

 昨日はお腹いっぱい食べた。お母さんはちょっと作りすぎだと思う。それともフェル姉ちゃんが遠慮したのかも。


 おじいちゃん達に色々お話できて楽しかった。フェル姉ちゃんにもアンリ達の武勇伝を話せたから有意義だったと思う。最後の方は呆れてた感じだけど、それはアンリの気のせい。たぶん。


 そして久しぶりにアンリの部屋で眠った。なんとなくベッドが小さく感じたけど、アンリは成長期だから仕方ない。それにベッドの下にはアンリの秘宝達もちゃんとあった。久しぶりに眺めて堪能できたのが嬉しい。


 そして今日はレイヤ姉ちゃんを案内してあげる日になった。ソドゴラ村の魅力を余すことなく教えよう。


 それに合わせてアンリは挨拶回り。久々に帰って来たんだから皆に帰って来たよって挨拶しておかないと。それにもうすぐアンリは成人。その前に皆にチヤホヤされておきたい。


 そういえば、誕生日に大事な話があるとかおじいちゃんが言ってた。何のお話かな?


 誕生日までは二週間弱。その時が来れば分かるだろうから、楽しみにしておこう。たぶん、サプライズ的な何かがあると思う。


 まずは冒険者ギルドからかな。


 アンリとスザンナ姉ちゃん、それにレイヤ姉ちゃんと一緒に冒険者ギルドの中に入る。この建物も以前来たときよりかなり大きくなってる。


 ディア姉ちゃんが受付嬢だったときはカウンターが一つだけだったし、掲示板にはまったく依頼票がなかったんだけど、変われば変わるもの。


 そういえば、アンリ達は久々だから冒険者の人はアンリ達のことを知らないかな? 絡まれたらどうしよう?


 でも、そんな心配はなかった。アンリ達の方をちらりと見るけど、誰も難癖は付けてこないみたいだ。それはそれでちょっと寂しい。


「いらっしゃい……ませ? なにかご依頼の要望ですか?」


 全然知らない受付の人に声を掛けられた。アンリ達が冒険者だって思ってないみたいだ。


 アンリとしてはユーリおじさんとかウェンディ姉ちゃん、それにゾルデ姉ちゃんに挨拶したいんだけど、今日はいるかな?


「アダマンタイトの冒険者は誰かいる?」


「……えっと、どんな御用でしょうか?」


「御用って言うか、久々に帰って来たから挨拶をしようかと思って。もしかして、皆帰っちゃった?」


 あれから三年経ってる。ユーリおじさんとかはオリン国の王都とかに帰っちゃったかも。


「久々……? いえ、今、アダマンタイトの冒険者は全員アビスを攻略しております。そろそろ帰還する予定ではありますが、もうしばらくは戻らないかと」


「そうなんだ? えっと、ならギルドマスターのネヴァ姉ちゃんはいる?」


「あの、その前に名前を伺ってもいいですか?」


「私はアンリ、こっちはスザンナ姉ちゃんとレイヤ姉ちゃん」


「……スザンナ姉ちゃん? まさか、アダマンタイトのスザンナ様!?」


 受付の女の人が驚きながらそう言うと、周囲がざわっとなった。まあ、伝説の冒険者とか言われているから仕方ないかも。


 でも、スザンナ姉ちゃんはちょっと迷惑顔だ。


「あまり大きな声で言わないで。アンリが言った通り、ネヴァさんはいるの? いないの? いるならアンリが会いに来たって伝えてもらえる?」


「は、はい! す、すぐにお伝えします!」


 受付の人はそう言うと、走って二階にあがっていった。結構早い。


 レイヤ姉ちゃんがスザンナ姉ちゃんを尊敬のまなざしで見てる。


「やっぱりスザンナ様の名前はどこでも有名なんですね!」


「有名かもしれないけど、すごく面倒。冒険者の仕事なんてほとんどしてないから辞めてもいいんだけど、ギルドカードが身分証になってるから辞めづらい」


「そういうものですか。傭兵団じゃルハラくらいしか身分を証明できないので、確かに冒険者カードは重要かもしれませんね」


 身分証は確かに大事。他の町とかに入るときに必要だから、成人したらどこかしらのギルドに所属するのが普通だ。アンリは特例ですでに冒険者のギルドカードを持ってるけど。


「アンリさん、スザンナさん、お久しぶりですわね」


 二階からネヴァ姉ちゃんがおりてきた。三年ぶりだけどあまり変わってないみたいだ。


「うん、ネヴァ姉ちゃん久しぶり。昨日帰って来たから挨拶回りをしてる」


「二、三日前にフェルさんも帰って来たんですよ。すぐにどこかへ行ったみたいですけど」


「それはアンリ達を迎えに来てくれた。今はフェル姉ちゃんもソドゴラ村にいる」


「ああ、そういう。それにしてもアンリちゃんはずいぶん大きくなりましたわね。それにスザンナちゃんは――反則的に美人になりましたわね?」


 スザンナ姉ちゃんが少しだけ笑って首を横に振った。


 普段クールなスザンナ姉ちゃんもソドゴラ村の皆の前だと普通に笑う。それが周囲の男性を魅了してるってことを良く分かってないと思う。


「そんなことない。ところでユーリ達はアビスに?」


「ええ、ウェンディ達と一緒にアビスの攻略をしてますわ。もう一週間くらいは戻らないと思いますけど、何か用事かしら?」


「帰って来たから挨拶をしようと思っただけ。しばらくは村にいるから帰ってきたらまた挨拶にくる」


 その後、レイヤ姉ちゃんを紹介したり、最近のソドゴラ村の状況を聞いたりする。ネヴァ姉ちゃんだけじゃなくて、冒険者の人や受付の人ともお話した。


 古株の冒険者の中にはアンリ達のことを覚えている人もいて、色々と声を掛けてもらえた。聞いた話だと最近まで傍若無人な冒険者がいたんだけど、フェル姉ちゃんが叩きのめしたとか。だから今日は絡まれなかったみたいだ。


 フェル姉ちゃんは相変わらず大人しくしてないけど、それがフェル姉ちゃんだとも言える。


 よし、次はニャントリオンへ行こう。


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― 新着の感想 ―
[良い点] グラヴェおじさんに近づいている。 いや、アビスから一旦出てるから遠ざかってしまったのか! 構ってあげて! [気になる点] 転移門を中心に反復横跳びをし、どっちかの場所に残されるのか? もし…
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