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傭執事への依頼
季節が冬になり、雪が降った。
もう、この雪は何日続いているだろう。
数えるのも、うんざりする…それくらい長い間、この冷たい雪は降り続いている。
そして、この体の芯から凍えさせる季節も、ずっと続いている。
作物は育たず、どの家も、保存食も残り少なくなってきている。
建物は、寒さで劣化が進み、寒さを防げなくなってきている。
「食」も「住」も、もう、限界がきていた。
「ウインターよ、頼む、出てきてくれないか…」
王様は、伝令管に哀願の言葉を吐いた。
「………」
伝令管からの回答はない。
しかし、管の先に、その人物がいることは、確かだった。