陰陽総理
地球とほんの少し違った歴史をたどった世界。首都近郊の中学に通う安倍春秋には、二つの秘密があった。一つは彼の祖父が、時の内閣総理大臣であること。もう一つは、彼が安倍晴明に連なる魔法使い『陰陽師』であること。
眉目秀麗、成績優秀、武道の嗜みもありと、一見完璧超人のように見える春秋だったが、彼自身は大きなコンプレックスを抱えていた。彼の陰陽師としての才能が、並み以下だったのだ。バケモノクラスと称される母親、才能の塊で西洋魔術も使える天才の姉に較べると、見劣りすることが否めない。総理呪殺を目論む謎の拝み屋、日常を壊し襲い来る悪霊や妖怪変化、これらに対抗するための力が足りないのだ。あくまで秀才タイプでしかない彼は、寝る間を惜しんで努力を続けるしかないのだった。
眉目秀麗、成績優秀、武道の嗜みもありと、一見完璧超人のように見える春秋だったが、彼自身は大きなコンプレックスを抱えていた。彼の陰陽師としての才能が、並み以下だったのだ。バケモノクラスと称される母親、才能の塊で西洋魔術も使える天才の姉に較べると、見劣りすることが否めない。総理呪殺を目論む謎の拝み屋、日常を壊し襲い来る悪霊や妖怪変化、これらに対抗するための力が足りないのだ。あくまで秀才タイプでしかない彼は、寝る間を惜しんで努力を続けるしかないのだった。