最後のティーパーティーそのさん
「それで私を思い出してね。」
「ええ。」
「じゃ、私行くね。」
「行ってらっしゃい。」
タイミングを見計らったかのように門は開き、スピカはその中に飛び込んだ。
すると、門は閉じた。
死神は、12年ぶりに、涙を流したのだった。
スピカは、死神にとってわが子のような存在だった。わが子の旅立ちを見送る、人間の母の気持ちがわかったような気がした。
死神は、屋敷に戻った。今までスピカと使っていた、ティーセットを片付けるために。
__終わり
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