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なら君も
前にこえ部に投稿したお題の使い回しですが。
「あの!先輩・・・ずっと、先輩のことが好きでした。」
すごくべたなセリフで、でも顔を真っ赤に染めて一生懸命に俺に思いを告げてくる後輩。
「先輩には彼女がいるってことも、転校してしまうっていうことも知っています。だけど・・・どうしても伝えたくて・・・!」
そう、俺には彼女がいた。転校するってわかってから別れたけれど。
あさってには転校してほかの県にいってしまうし。
「迷惑なのはわかってます・・・でも後悔したくなかったんです。」
とても必死で、声を搾り出すようにして出している。
俺はただ、彼女の告白を聞いているしかなかった。
それが、一番正しいいことに思えたから。
「だから、私が新しい人を好きになれるまで・・・それまでは先輩のこと、好きでいさせてください。」
涙目で、顔を真っ赤にして俺に頭を下げる。
そんな彼女がとても、愛おしくて。
「ならさ。ひとつだけ条件ね。」
俺の一言で彼女が顔を上げ、首を傾ける。
「君も、
俺が君を好きでいること、許して。」