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4話 「あの時から…」

不定期の更新申し訳ありません。

キャラ紹介が後書きに載せてあります。

 鏡がみえた



 自分がいた



 目が違った



 それは 鬼だった……




「進!!」


 左肩から血を流している進に向かって周は叫ぶ。血を流させた楓は不敵な笑みを浮かべている。


「ふフふフフふふふ」

「完全にイッてやがる…。 進!逃げんぞ!!」


 周は楓を派手に蹴り飛ばし進を引っ張り保健室を出た。


「にがサな……イよ」




 保健室を出た二人はただひたすら走った。周はときより進の肩を見ていた。


「周」

「なんだよ?」


 二人は走る速度を落とさずに会話を続ける。


「とりあえずお前は二階に下りろ。 俺は屋上に行く」

「わかった。 けど、気をつけろよ。 楓の奴狂ってるから」


 進はそれを聞くとフッ。と鼻で笑った。そして二人は階段で別れた。


「ま、楓の狙いは俺だからな…。 とりあえず、あいつには危害は加えないだろ」


 進は階段を上りきった後で呟いた。屋上の扉は年中鍵が掛かっていて開けることは出来ない。しかし、それを知りつつ進は屋上へと来たのである。


「ここなら狭いからな、前からの攻撃しかない」


 ―――後は一瞬の隙をついて逃げればいい。


 息を整え楓を待っている進。しかし、やってきたのは奇怪な生き物だった。全身は白の毛で覆われており口には牙、手?には鋭い爪をつけた4足歩行の生き物。


「……【狼】?か?」


 純白のそれはしっかりと進を見据えている。そして、一気に間合いを詰め先程攻撃を受けた左肩に噛み付いてこようとする。

 しかし、進は体を後ろへと倒し巴投げをするような形になり獣を後ろのドアへと蹴り飛ばす。そして、彼は階段を下りさっきとは逆方向へと走った。


 ―――あれって、狼か? だけど【白い狼】なんて聞いたことがねぇ……。


 必死に走る進だが、後ろには先程蹴り飛ばした獣が追ってきていた。狼と人間。どう考えても狼のほうが速い。


 ―――たしか、3階西口の窓の外って三沢さん家の屋根が近いよな…。いちかばちかだ!!


 そう思った進は窓を蹴り破り外へ跳んだ。しかし、狼は跳んでいる進の足を噛み下へと放り投げた。


「うわっ!!!」


 3階、約30mから下ヘと頭から投げ飛ばされる進。勢いは重力が加わり、計り知れないものになっていた。無論人間などは即死するだろう。


 ―――死んだな…。けど、【死にたくねぇ】な。


 そう思った時には地面から約5mの場所だった。あと少しで神薙 進という人間はこの世からいなくなる。しかし、進は体を反転し着地した。ちょうど猫が高い所から着地するように。


「……あれ?」


 彼は地面に着地していることを驚いていた。そして、左肩の出血、いや傷痕すら消えていたのだ。


 ―――地面に着地する前の記憶がとんでる…。


 不思議に思ったがとりあえずは無事なことを確認し彼は校庭に走った。




「ここなら誰もいないし、広いから戦える…」


 進は校庭の真ん中へ立ち、先程自分を投げ飛ばした(噛み飛ばした?)狼を待った。


「進!!」


 学校の中から出てきたのは周だった。急いで進のもとへ行こうとするが進は手を前に出し無言で「来るな」と言った。


 そして、遠くから走ってきたのは狼。それを見て周は驚いた。


「あれって、【楓】か?」


 その言葉に驚いた進は一瞬狼から目を逸らした。しかし、狼にとっては一瞬で充分だった。風を切るように疾駆し進の腹に体当たりをする。


「な…」


 ―――この【香り】……。 こいつ、本当に楓か?


 進が驚くのも無理はなかった。体当たりをされた時に彼女がいつもつけていた香水の香りがしたのだから。そして、進は勢いが止まらずフェンスに背中を強打した。


「きづカなカッたの?」


 周は狼から発せられた声に驚いた。しかし、進には遠すぎて聞こえなかったらしい。


「本当に楓なのか?」

「えエ。ソうよ。 いヤ、セいかクニはチガうわ」


 狼は話の途中で進の方を向き直った。彼はなにやら片手で印を組み何かをやっていた。


「完成。【鬼符・強】(おにふ・きょう)」


 ―――古くからの理、破っちまったな。【身内以外には力を見せるべからず】。


 軽くため息を吐き進は札を両足に貼る。


「なにやってんだ? あいつ」


 周が言い終わるのより速く、進は狼の後ろに移動していた。そして、狼を横に蹴り飛ばす。

 だが、奴は体を捻り四本足でブレーキをかける。


「なかナかヤルわね」


 進は驚き、動きを止めた。


「やっぱりな」

「オどロかなイのね」


 二人は距離を空け会話を続ける。


「なんで狼に?」

「こレが私の…イえ、か

「言うな!!」


 遠くから走ってきた周が狼の声を制止する。しかし、【楓】の声は止まらなかった。


「【神楽】家の血なんだから!!!」

「……か・ぐら?」


 進は確認するように【神楽】と言い返す。神楽は周の姓だ。それを楓が言うのはおかしい。


「楓。お前は本当に【宮崎 楓】なのか?」

「宮崎というのは偽りの姓。私の本当の名は神楽。【神楽 楓】」


 ーーー神楽 楓。それがお前の…。じゃあ、周とは双子の姉弟か…。


 進の脳内では様々な考えが回っている。しかし、それが隙になり楓の攻撃を喰らってしまった。


 進は腹をえぐられ血を吹き出して倒れた。そして、狼は楓の姿に変わった。


「進が私に勝ったあの時から、私は力に目覚めたの。 輝かしき【天】の力を」


 ーーーてんのちから……。狼が天なら鬼は地か…。


 薄れゆく意識の中、進は考えていた。そして、望んでしまった。


 ーーー力が欲しい……。


 そして、彼の傷はすべて消え、ゆらりと立ち上がった。


「進。 …お前、その眼……」


 周は目を見開いて進の眼を見た。彼の眼は人の目ではなかった。

 蛇のような眼だが根本的に色が違かった。それはすべてを吸っても色が変わることがないような赤。しかし、ワインレッドのような綺麗な赤ではなく、血のような醜悪。そして、見る者すべてを拒むような色だった。


「……ふ。はハ…ははハハ!!!」


 進の姿をした何かは感覚を確かめるように拳を握り、離し、また握る。そして、進の声とは似ても似つかぬ(かん)高い声で笑っている。それはまさにこの世に戻ってきた鬼のようであった………。

名前:神薙 進(学校内では金木 進)

詳細:年齢は17歳 瞳は黒(豹変時は蛇のような眼で色は赤) 髪は逆立つことは絶対にない色は茶がかった黒 一応学校内ではリーダーに近い存在 家では鬼を継ぐ者として扱われている


名前:宮崎 楓(本名 神楽 楓)

詳細:年齢17 瞳は漆黒(変身?時は白) 髪はセミロングで黒 進や周達の友達 燕奈には姉的な存在 狼に変身する特異な能力を持っている


名前:神楽 周

詳細:年齢17 髪は茶で軽く逆立っている 瞳も茶 進の無二の親友 楓の兄弟 学校内では進と同じでリーダー的な存在 もしかしたら狼になれる?


名前: 神薙 燕奈(学校では金木 燕奈)

詳細:年齢11 瞳は黒 豹変?時は右が青で左が銀色になる(理由は不明) 髪はロングの茶(地毛) 兄は進 楓を姉のように慕っている 周たちとは年齢が離れているがよくしゃべる




小説を読んでの感想・評価。お待ちしております。書いてくださると意欲がわくので…

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