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幻覚 ーハクタカ ヒバリ純文学短編集ー

宮司は椛の為に有り

掲載日:2026/05/09

神道、と言うのをご存知だろうか。いやいや、別に布教をしたいわけではない。日本人の心には、自然と神道が根付いているものなのだからな。

秋になった。祭典などの特別な出来事が起きるわけではないが、とにかく椛が美しく紅葉する。

神社の境内が赤い絨毯で敷き詰められるとは、まさにこの事だ。不思議なものだ。ここ数十年、赤以外に染まったことがない。毎年、秋になると必ず神社は赤くなる。

なぜ外の人は之を見たがるのか、一切わからんが、とにかく、人が多い。

よく、椛の枝が折られる。また折られる。たくさん折られる。

とうとう一本枯れた。神社は人の立ち入りを禁止した。人は減った。そしていなくなった。

やがて、宮司が去った。肝を悪くしたとのことだ。神社は捨てられた。

この神社への参拝者はそもそも存在してはいけないことになっている。

数年経って、お社の屋根に穴が開いた。朽ちてしまったのだろう。

また数年経って、椛はもう一本、枯れた。こちらは寿命らしい。木だって生命なのだからな。枯れもする。

また数年経って、周りの民家が減ってきた。都に人が流れていくらしい。そこまでして都に行って、何をする気か。聞く気にもなれないが。

また数年経って、また秋になった。

今年は違う。

百年振りに、赤の絨毯の中に、緑の斑が現れた。

椛は生きづらくなる。

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