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少女漫画あるある100小説  作者: 牧亜弓
あやの章
18/33

放課後の選択

文化祭が終わった翌日。

教室にはまだ装飾の名残があって、テープや風船の一部が天井にぶら下がっていた。

まるで、昨日の熱狂がまだ残っているかのような空気の中、翔は自分の席でぼんやり窓の外を眺めていた。


あやの返事はまだなかった。

あの舞台の告白は、まるで演劇の一部だったかのように——夢のようだった。

でも、現実はこうして、曖昧なまま朝を迎えていた。


「おはよ、翔くん」


その声に振り向くと、あやが立っていた。制服姿で、髪は文化祭用の巻き髪ではなく、素のストレート。

そのナチュラルさが、余計に胸に刺さった。


「昨日のことだけど……ごめんね。急にあんなふうに言われて、何も言えなかった」


翔はかぶりを振った。


「ううん。俺、あれは本気だったから」


二人の間に、気まずくも静かな時間が流れた。

やがて、あやが切り出す。


「私、涼くんにもちゃんと話す。だけど……ちょっとだけ、待ってくれる?」


「もちろん」


——そのやりとりを、廊下から誰かが見ていた。

そう、涼だった。

舞台の上で敗者となった彼は、それでもあやのことを諦めきれていなかった。


その日の放課後、涼はあやを呼び出した。

場所は屋上。沈みかけた夕陽が、三人の青春を静かに染めていた。


「俺、また告白するよ。今度は舞台じゃなくて、リアルで」


「私……まだ誰を選ぶか、決められない」


「そうか」


静かな頷きのあと、涼は笑った。

「でも俺、逃げない。だから翔も逃げんなよ」


翔は答える。


「逃げないよ。だってこれは、演劇じゃなくて、本当の人生なんだから」


少女漫画あるあるその47:

「本音の告白は、なぜか屋上か帰り道」


少女漫画あるあるその48:

「放課後に好きな人が二人に迫られるやつ」


少女漫画あるあるその49:

「どっちもいい奴だから読者が選べない三角関係!」


少女漫画あるあるその50:

「夕陽がドラマチックすぎる!」


選ばれるのは誰なのか。

このまま三角関係が続くのか。

それとも、新しい展開が待っているのか——。


彼らの恋と青春は、次回、ますます加速する。

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