放課後の選択
文化祭が終わった翌日。
教室にはまだ装飾の名残があって、テープや風船の一部が天井にぶら下がっていた。
まるで、昨日の熱狂がまだ残っているかのような空気の中、翔は自分の席でぼんやり窓の外を眺めていた。
あやの返事はまだなかった。
あの舞台の告白は、まるで演劇の一部だったかのように——夢のようだった。
でも、現実はこうして、曖昧なまま朝を迎えていた。
「おはよ、翔くん」
その声に振り向くと、あやが立っていた。制服姿で、髪は文化祭用の巻き髪ではなく、素のストレート。
そのナチュラルさが、余計に胸に刺さった。
「昨日のことだけど……ごめんね。急にあんなふうに言われて、何も言えなかった」
翔はかぶりを振った。
「ううん。俺、あれは本気だったから」
二人の間に、気まずくも静かな時間が流れた。
やがて、あやが切り出す。
「私、涼くんにもちゃんと話す。だけど……ちょっとだけ、待ってくれる?」
「もちろん」
——そのやりとりを、廊下から誰かが見ていた。
そう、涼だった。
舞台の上で敗者となった彼は、それでもあやのことを諦めきれていなかった。
その日の放課後、涼はあやを呼び出した。
場所は屋上。沈みかけた夕陽が、三人の青春を静かに染めていた。
「俺、また告白するよ。今度は舞台じゃなくて、リアルで」
「私……まだ誰を選ぶか、決められない」
「そうか」
静かな頷きのあと、涼は笑った。
「でも俺、逃げない。だから翔も逃げんなよ」
翔は答える。
「逃げないよ。だってこれは、演劇じゃなくて、本当の人生なんだから」
少女漫画あるあるその47:
「本音の告白は、なぜか屋上か帰り道」
少女漫画あるあるその48:
「放課後に好きな人が二人に迫られるやつ」
少女漫画あるあるその49:
「どっちもいい奴だから読者が選べない三角関係!」
少女漫画あるあるその50:
「夕陽がドラマチックすぎる!」
選ばれるのは誰なのか。
このまま三角関係が続くのか。
それとも、新しい展開が待っているのか——。
彼らの恋と青春は、次回、ますます加速する。