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ドクター・ジンマのミステリーカルテ Neo

金欠病 〜ドクター・ジンマのミステリーカルテ Neo〜

作者: 一飼 安美

「金が必要なんだ!」


 そんな風に叫ぶ人が、よくいる。お金がなくて、お金があればいいなあなんて私もたまに思う。でもちょびっとだけ思ったらすぐ楽しいことを考えたくなって、忘れる。お金がいる人は、お金がないとずっと言っている。私は子供だからわからないけど、すごくいるらしい。みんなそういう人を見て、ビョーキだビョーキだ、って言っていた。ちょっと気の毒で、聞いてくれそうな人に聞いてみた。その人は、言っていた。病気ではあるけどさ、って。何か不思議なことが、あるみたいだった。


 お金がないと叫ぶ。あればいいと思う。お金があればなんとかなると思う。お金があったって治ったりしないのに、お金があればなんとかなる。お金がないからだ、ってずっと思っている。そういう病気だから、怖いんだって言っていた。全然効かないのにお金を集めて、そのうち死んでしまう。原因と解決法、インガカンケイっていうのがわかんないんだって。つまり、それって。


「こじらせたってこと?」


 お兄さんは少しだけ驚いて、お前ってよく気がつくな、って褒めてくれた。私もたまに思う。お金があったらなあ、って。でもあっても使ったら無くなっちゃって、それでおしまい。それくらいわかるもん。……それがわかんなかったら、きっとそうなるんだろうなあって、それくらいわかるよ。お兄さんは言っていた。この病気にはたまーにタイセイがある人がいて、上手に避けるしみんなが金欠病になってもその人は平気だったりする。思ってもない、ただのおバカみたいに見える人が、そうだったりする。それ、私?おバカは風邪引かない、おバカ最高!って喜んでたら、「お前ってすげえよな」ってお兄さんが褒めてくれた。

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