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4、火事3、母上はオットコマエ。無能なワイの疑念

 


 ワイの母上はオットコマエ。

 人の上に立つ貴族としては完璧。

 でも母親としては………


 母上は………

 アネウットに、ワイの教育を丸投げした。


 母上は自分で、ワイの教育はしない。

 って受け取れる。


 それもどうかと思う発言やけど。

 子供の頃からそうだったし。

 母上は弟達の教育もして無いけど。


 ソレでもワイの母親は、オットコマエ。

 カッコよかった。


 ワイの母上は有能。有脳。

 それなのに、なぜ有能母上は。

 無能な父上と、くっついた?


 何故、無能なワイを産んだのだろう?

 摩訶不思議。


 ワイの、脳味噌の変わりにカニ味噌が詰まってると………

 そんな噂がある無能な無脳が、

 その不可解な謎にウズウズする。


 謎は………解かなくてはならない。

 謎があったら、考えなきゃいけない。

 ワイが賢くなる為に。


 ………考える。

 やっぱり。父上の顔だろうか?

 母上は父上の顔に惹かれたのだろうか?

 父上はワイ君に似て、

 なかなか美形やからな〜。


 母上面食いやったんか?

 謎はアッサリと解けた。

 のか?


 まぁいいや。

 その謎は、そのうち聞くとして。


 実はワイ。

 長年考え続けてきた。

 何故、自分は無能なんだろうと?

 母上は有能なのに………


 もしかしたら、

 ワイは母上の子供や無いのかも知れん。

 ワイの無能な無脳が新たな疑念を産む。


 だってワイの頭脳は無能。

 母上に似てなくて無能。

 顔も父上に似てる。

 母親に似てない。


 ………何よりも、ワイには母上から産まれてきた記憶が無い。


 ワイは普通の人と違って無能やから。

 母上から生まれてきた、その記憶が無いのだろうか?

 それとも………


 無能やから、その記憶を忘れたのかも知れないと、思っとったが………

 もしかしたら………


 ワイの父上が、以前も浮気をして。

 別のアネウットみたいな人に、ワイを産ませたのかもしれんやないか。


 だから母上は有能で、ワイ無能。

 母上、他人説。


 父上はあれでなかなかモテるからな〜。

 あり得る。

 アネウットの件もあるしなぁ。


 モヤモヤした。

 ワイの頭の中で産まれた疑念。

 それは頭の中で深刻な問題になる。


 ワイが母上の子供やないかと思うと………

 モヤモヤする。

 なので母上に直接聞いてみたら、

 けりとばされた。


「訳のわからない事を言うんじゃありません」

「ファッ」

「貴方が産まれた時の事を覚えてなくても、私が貴方を産んだ事を覚えています」

 と、母上。


「なんて………なんて不公平や」

「なんですって?」

「産まれた瞬間から、ワイは無能やから

 産まれた事を覚えてない。

 母上は有能やから、

 ワイを産んだ事を覚えてるんや。

 ズルい」

「………」

 母上に、また無言で蹴られた。


 世の中は不公平や。

 ワイも有能になりたいのに。

 せめて普通になりたいのに。

 どれだけ望んでも、叶うことの無い夢や


「なぁ母上。どうしてワイ君は無能なんやろうか?」

「この家に生まれたからです」

「ファッ?」


 どういう事や?


「我が家の男は歴代、みんな無能です」

「そう言う事や無いんや母上」

「どういう事です?」


 母上は首をひねる。

 事実では無く、解決策が欲しいのだ。

 だから………

 そんな母上の質問にはワイは答えず。


 最近ずっとワイに同行してるアネウット

 今は無言で話を聞いてた彼女。

 護衛兼教育係の彼女に、同じ事を聞いてみた。


「なぁアネウット。ワイ君はどうして無能なんやろう?」

「え、え〜と。え〜と」


 ワイ君の問いに、

 オロオロするアネウット。


「アネウット。ビシッと答えてあげなさい。貴方が、この馬鹿な子を躾けるのですから」

「は、はい当主様!」


「………それでアネウット。なんでワイ君は無能なんやろう?」


「あの、その。昔の登山家は、なぜ山に登るのかと問われて、そこに山があるからだと答えたそうです」

「………?」

「………!」

 

 え?

 どういう意味や?

 アネウット。


 ワイ君は無能やから。

 そのたとえ話じゃわからんで?


 だが、母上は妙に納得していた。

 むう、ワイ君には解せぬ。

 だから母上は有能で。

 ワイは無能なのかも知れんわ。

 

 この世界。

 いったい………

 何処で有能と無能の差がつくのだ?


◆◆



 他人が別れそうな事には気がつけても

 自分がふられそうなことには

 案外気がつけないものだ


 貴方が恋をすれば

 それは他人にバレている


 自分よりも他人の方が

 自分をよく知ってる事もある。

 なので他人を馬鹿にしてはいけないのだ。




 

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