手紙2
2通の手紙でワイは混乱しとる。
それを見たゴンザレス。
言いにくそうに更に手紙を差し出して来た
「え〜と。最後にもう1通の手紙を預かってるのですが………」
「最後の手紙? ナニナニ」
【宝くじ。金貨千枚が当たりました。今日中に貴方の家へうかがいます。家にいなければ、権利は別の人に移ります】
ふぁっ?
一大事やないか!
「大変やでアネウット。すぐに家に帰るで。金貨千枚が当たったで」
「そうですね。若様。直ぐに戻りましょう」
ワイと、アネウットの意見が一致した。
コレは勝ち確演出や。
「ボンはともかく。どうしてアネウットまで騙されてるんだよ? アホか? アホなのか? オマエ」
とスチールは何故か呆れ果てている。
「………ハ! 確かに。金貨に釣られて我を失ってしまいました」
そんな様子を見ていたゴンザレスが………
「しまった。手紙を渡す順番を間違えました。宝くじの手紙を最初に渡せと言われてたのに」
「流石は当主様。危ない所でした」
汗を拭うアネウット。
「そうかぁ? ガバガバな作戦じゃね〜か」
「ゴンザレスさんがミスしなければ、私も若様も宝くじの手紙で初手から負けてました」
アネウットがそう言うと、笑っていたゴンザレスが顔色を変えた。
「やめてくれ。それじゃあ俺のミスで、当主様の手紙作戦が失敗したみたいじゃね〜か」
「事実そうですし」
冷静なアネウット。
アネウットの言葉を聞いて、更に顔色が悪くなるゴンザレス。
「そんな事が知られたら。当主様に怒られる。黙っててくれ」
「だまっててあげますから。今の当主様がどういう状況か教えてくださいね!」
アネウットはゴンザレスへ微笑みかけた。
それは………脅迫の微笑みだった。
「しっかし。この手の馬鹿な手紙は引っかかる奴いるのか? って思ってたけれども。身内に居たわ。びっくりだわ」
スチールは呟く。
「この手の手紙は1000人に一人でも引っかかれば、元が取れるのでしょう」
「1000人に一人の馬鹿を探す手紙って事か?」
「おそらくは」
「ワイの事か?」
百発百中で引っかかったワイがそう言うと
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
アネウット
スチール
ゴンザレス
ペット
皆、沈黙した。
なんでだまるんや?
「でもなぁ。人が人を疑って生きるのは悲しい事やで」
「ボン?」
「疑って生きるよりも、信じて騙される生き方のほうが清々しいと思うで」
「若様」
「限度があるわ。騙された結果。被害デカかったら取り返しがつかんぞ」
賢い人の考え方は難儀やなぁ。
「その時は相手を見つけて始末したらええ」
「「「「!!!」」」」
ワイの言葉に黙るアネウット、スチール、ゴンザレス、ゴンザレスを連れてきたペットの4人。
ペット、沈黙しすぎておるの忘れてた。
「そりゃあ強者だけが言える特権だなぁ。普通は相手を見つける事も、始末も出来ない」
「そうなんか?」
ワイ君の、と言うか。
プラチナム家紋章魔法の呪いなら、
比較的仕返しは簡単な事やが。
「だから騙されないように注意するんだぜ」
「普通に生きるのって大変なんやなぁ」
ワイにはわからんで。
無能だから………
普通の人は気楽に生きる事も出来んのか?
悲しいなぁ。
でも………普通で無いワイは………
無能に産まれて、無能に育ち。
やっぱり普通に憧れる。
皆と一緒になりたいでな。
◆◆
金銭で釣られる異性との間に
家庭を持つのは勧めない
普通の家庭よりもトラブルが多くなる
それ故
お見あい結婚
政略結婚
恋愛結婚が推奨されてきた。
金銭で愛人となった者や
その子供が疎まれるのも
そうした過去のトラブル事例があるから
金銭で恋愛をするのは構わない。
が、その果に家庭を作るのは推奨しない。




