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手紙1、悲報。ワイ君騙される




『雷神様。怪しいモノを捕まえました』


 狩り兼散歩に出してたペット達。

 その一人が戻ってきた。

 そのペットは………

 見覚えのある男を連れている。

 我が家の兵士【ゴンザレス】を連れとる。


「若様探しましたよ。こんな所にいたとは」

「ゴンザレス。良くここが分かったなぁ?」

「ハッハッハ。若様との付き合いも長いですからな」

「この施設の事は母上にバレとるんか?」

「いいえ」

「なら、そのまま秘密にしといてな」

「はい。それよりも若様宛に手紙が届いていたので、持ってきました」


 ゴンザレスは我が家の兵士やが、母上にもワイにも忠実や。

 一方的に母上の味方をする者が多い中。

 数少ないワイにも中立的な貴重な存在や。


 そのゴンザレスが手紙を差し出す。

 なぜかニヤニヤしとるゴンザレス。

 なんや?

 何故笑っとる?


「ワイへ手紙? ご苦労様やで。ナニナニ」

 ワイは手紙を声に出して読む。


【国王陛下が亡くなりました。

 つきましては

 王家の血を引く貴方様に至急お知らせします。

 貴方は次期王様候補に選ばれました。

 直ちにプラチナム家当主と共に、王城へ登城してください】


「………」

「………」

「………」


 

 ワイが手紙が読んどる時

 聞いてた三人は沈黙しとたが

 手紙がワイの頭で発狂した。

 驚いたワイは手紙や………


「ファ〜〜〜。大変やで。ワイ君が王様になるんやて? 一大事や。早く戻らな」


 ワイが大騒ぎすると。


「若様………」

「ボン。コレはどう考えても罠だろうよ」

「罠? 何がや?」

「何故ボンが王様になれるとおもうんだ?」


「ワイが王家の血を引いとるからや」

「そういう………噂でしたね」

 ワイは薄くやが王家の血を引いとるで。


「ワイの母上の母上が、既婚者王家の男と不倫して出来たのが母上や」

「当主様………不倫の結果出来た不義の娘?」

「俺と似た境遇。この国の貴族。貞操観念ホントにどうなってんだかな?」


 アネウットは軽く首をかしげた。

 スチールは天を仰ぎ呟く。


「母上は王家の血を半分引いとるで。ワイ等母上の三兄弟は更にその半分や」

「でもたしか、この国の王様になれるのは、王家の紋章を継承してる者だけだろ?」


 王家の血を引いていても、王家の紋章が無ければ国王になれない。


 魔王すら退ける王家の紋章。

 強力な王家の紋章を継承し続ける為のシステム。

 それがこの国の王国制度の肝とも言える。


 この国の王家の紋章は人類最高の紋章。

 それを管理継承する為に国がある。

 そう言っても過言では無い。


「だけどもコノ手紙が届いてるし。ワイが王様になっても、何も問題無いやろ?」


 ワイが手紙を信じてそう言うと。


「前提条件を理解して無いな。問題ありまくりだ」

「そうなんか?」


 でも手紙に書いとるで?


「そもそもだなぁ。国中に無能と知られてるボンを、国王にしたがる奴が何処にいる?」

「………」


 アネウットは無言。

 スチールはワイが王様になる邪魔をする。

 何でや?


 スチール、オマエ。

 ワイの味方と違うんか?

 

「ワイは母上とお城に行くやで。王様になるんや」

「若様は王様になりたいのですか?」

「ん? ………別に?」


 正直に言うと、どうでもいい。


「では、何故お城へ?」

「それは………手紙が届いたし。なんとなく」

「なんとなくで王様になろうとするんじゃね〜よ。そもそもだなぁ。その手紙………」


 スチールが何か言いかけると、アネウットが割込む。


「若様………その手紙は当主様の罠ですよ」

「なんやて?」

「若様を騙して。帰ってこさせるための罠です」

「フッァ………!!!」

 

 気が付かんかった。

 そうやったんか?


「何て巧妙な罠や。流石は母上や。危うく皆で騙される所やったわ」

「皆で?」


 アネウットが首をかしげた。

 ゴンザレスは会話に参加せずにクツクツ笑っている。


「だまされたのは、ボンだけだろ」

「ファッ? そうなんか………」

「こんな手紙に普通は騙されんて」

「ワイは騙されたで」

「まぁ国王が死んだと言うのも嘘に決まってる。こんな手が身を書くプラチナム家当主もやべぇ。国王にばれたらどうすんだ?」


 スチールは母上の罠だと断言するが………


「そうやった。スチールとアネウットは天才やったな」

「え?」

「え?」

「でもなぁ。ふつうの人間は、こんな手紙貰ったら騙されるで」


 何て、巧妙な罠や。

 流石は母上や。


「ボンしか騙されんて」

「ワイを狙った専用の特効罠を仕掛けるとは。………二人がいなかったら、危なく引っかかる所やったわ」

   

 ワイの言葉にクツクツと笑う声。

 手紙を運んできたゴンザレスがニヤニヤしながら。


「もう一通。手紙を預かってるのですが?」

「なんやて」

「コレです」

「読むで」


【母危篤。

 母は心労で倒れました。

 直ぐに帰るように】


 今度こそ

 ワイが手紙で手紙が発狂や。


「ファ〜〜〜。大変やで。母上が大変や。すぐに帰るで〜」

「ボン! また騙されてるぞ」

「ファッ?」

「………」


 スチールは、この手紙も罠だと断言する。

 アネウットは今度は何も言わなかった。

 立て続けに騙されるワイを見て、ゴンザレスだけが笑っていた。


 しかし………

「念の為。ワイは帰るで」

「おいおい。100パー罠だぞ」

「そうなんか?」

「これは確かに罠です。でも、この手紙を無視する方が悪手なのでは?」


 罠を見破ってるはずのアネウットが、おかしな事を言い出す。


「ファッ?」

「なぜだアネウット?」

 とワイと同じ疑問を持ったスチール。


「コノ手紙に引っかかって帰ったほうが、可愛げがあって、お仕置きは軽くなるかと」

「………そうかぁ?」

 アネウットの言葉を疑うスチール。


「この手紙を………無視すると後が怖いですよ。当主様の怒りに油を注ぐのでは?」

「う、う〜む」


「この二通の手紙は若様宛というよりも、私に宛てられてるのかも知れません」

「ファッ? そうなんか?」


「若様を騙すのなら一通で足りますし。私と若様が一緒にいるのはバレてますし。なのにこんなにもずさんな手紙を寄越すというのは………」


「ふむふむ。つまりは………ソロソロ戻って来いと?」

「はい。逃げ続けると罪が重くなるぞ。との警告。そして今なら罪を軽くしてやると」


 驚いた。

 賢いアネウットはそう考えるんか?

 ワイにはわからん。


 しかしながら、そんなにイロイロ考えると人生楽しくないで。


 それと………

 母上と国王が無事でよかったやで。



◆◆


 嘘つきはどんどんモテなくなる

 モテる為には嘘をつかないほうが良い

 しかし、言葉にすると自分がモテなくなる真実もある



 罠で異性を捕まえようとする者は

 罠で捕まるだろう

 上には上がいて

 罠をはる獲物を好む者がいる



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