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無能貴族のワイ。父上の愛人をNTR  作者: 金銅才狸


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1、母上、無能は外、有能赤毛はアネウット(BK1P2)


 父上が浮気して家から消えた。

 それから数カ月がたった。


 ワイの母上は、有能有名上級貴族や。

 伯爵様や。

 ワイの母上は有能。


 父上は中間貴族で無能。

 しかも婿養子やった。

 それなのに………分をわきまえず………父上は、この伯爵家の若い美人護衛相手に、はっちゃけた。


 でも

 父上の浮気相手。

 既に父上の子を妊娠してた。

 父上の子を妊娠した有能護衛は、我が家から、叩きだされる事はなかった。

 そして………


 今、母上の前には母上の長男

 思春期のワイ君(無能)


 と父上の浮気相手(有能)、

 赤毛さんがいる。

 正直な所、気まずい。


 ワイ君家は、今だに修羅場や。

 母上は、まだ怒っとるし、

 父上は、まだ帰ってきてない。

 てか帰れない。


 この状況は、父上とその浮気相手のせいやけども。

 ワイ君のせいとも、言えなくもないから………


 気まずい。

 ワイが余計な事を、しなければよかった。

 それなら、まだ赤毛護衛と父上の浮気はバレとらんかったはずやから。


 ワイは若干、頭に問題を抱えている。

 ワイは無能、父上よりも無能。

 先天的に少し鈍くて、頭が悪いんや。

 実年齢よりも、オツムのみならずイロイロ精神的にも幼く弱い。


 生まれてきた瞬間から、ワイ無能。

 その事は自覚していた。

 他人との頭の性能が違いすぎるんや。


 身体のスペックは神がかってるのだが

 何をするにも初動がトロく、

 他人よりも劣ってた。


 弟達よりも。

 あとから産まれてきた、二人の弟達。

 弟達も、決して有能では無い。

 でも………

 それ等よりも、ワイの頭の性能は、かなり劣る。


 家族も、家に使える部下も使用人達も、なんなら、この国の大半の人が、ワイの無能を。

 魔法の大家、プラチナム伯爵家。

 そこの残念無能とか、ニコニコ無能。

 ハードは最高、ソフトは無能。


 そんな感じで呼ばれ、皆その事を知ってるくらいには………

 ワイ無能。

 ワイの頭は無能や。


 無能なワイは、その事を自覚してたから。

 謙虚に生きる事にしとる。


 人に意地悪をせずに、

 悪さや対立も避けてきた。

 常にニコニコ、幸せそうにしとる。


 ワイみたいな無能が、不幸な顔をしとれば、それはもう疫病神や。

 不幸不景気な顔は、誰にとっても目障りやからなぁ。

 他人の気分を害する、敵を作る。

 ましてや、それがワイ君の様な無能なら尚更に。


 でも、無能が悪意を持たず、幸せそうにしとるだけで、つられて思わず微笑む人はおる。


 それが敵を作らず、他人の役に立つ秘訣と、ワイの父上に教え込まれた。

 それで上手く行っとる。


 せやけども悲しいかな。

 ワイは無能なんや。

 だから気が利かん。

 悪意なしに、悪事を働く事もある。


 無能ゆえに気が付かず、無意識に他人を怒らせる事もある。

 今回も………やらかした。


 せやから、ワイは悪意なく、無邪気に好奇心から母上に………


 父の浮気相手。

 浮気当事者の赤毛さん。

 赤毛のアネウットがいる所で、母上にたずねてしまった。


「母上。母上は父上を叩き出したのに、何故父上の浮気相手のアネウットは、家に残したのですか?」

「!!!」


 ビクッと、身をすくませる、父上との浮気相手の赤毛さん。

 隣にいるスタイル抜群の、父上が浮気したくなるのも無理は無い赤毛のアネウット。


 小さく震える彼女。

 それを尻目に母上は………


「………アネウットは有能です」

「母上、それがなにか………?」

「有能な部下を、我が家から流出させるわけにはいきません」

「そんなもんなんか?」


 ワイ君は首をひねる。


「有能な部下を流出させないから、我がプラチナム伯爵家は、栄えてるのですからね。それと、その気の抜けた言葉使いは、やめなさい」

「ファ〜。そんなものですか?」


 無能なワイは感心した。

 我が家は、母上と婆上様が有能やから栄えてるのかと思っとったが………違うんか?


 我が家の女は有能。

 男は、ことごとく無能よりや。

 ワイを筆頭に………ワイ家の男は無能。

 そんなワイの考えなど露知らず、母上は続ける。


「そうです。どんなに優れた建物も、ソレを構成する土台を失い続ければ、ただの瓦礫とかすでしょう。我がプラチナム家はそうなってはいけません」


「………はい」

「良いですか。有能な人間は抱え込む」

「はい」

「無能な人材はしっかり管理する。管理が無理ならば放出しなければなりません」

「なるほど。わかったやで〜」


 母上の教えに、相槌を打つワイ君。

 唐突にワイを見る母上の視線が厳しくなる。

 怖い。


 無能なワイにも、

 視線から母上の厳しさがわかる。

 無能だから、父上は放出されたんやな〜。

 学習する無能なワイ。

 いつか普通になれる事を信じて。


「しかし、優れた人材は、多少やらかしても大切にしなければなりません」

「ファ!」


 母上………優れた人材って、

 まさか父上と浮気した………

 それはアネウットの事ですか?


 そして………放出しなければならない人物とは、父上だけですか?

 ………無能なワイもですか?


 ワイも父上のように、いずれ放出されるんやろか?

 アネウットと、ワイ等の扱いエラく違う。


 無能君達、具体的に可愛そう。

 いや、それよりも………

 ワイには気になっとる事がある。


「母上、アネウットは父上の子供を妊娠してますが? 良いのですか?」

「!!!」


 再びビクリと、スタイルの良い体を震わす赤毛のアネウット。


「そんな事くらいで、アネウットを手放すのは惜しい。それくらい、この子は有能です」

「!!!」


 またしても身を震わす、隣にいる赤毛のアネウット。


「ファ〜〜〜」


 ワイは衝撃を受けて奇声を上げた。

 アネウットは、感動したのか体を震わせている。

 せやけどもワイは………


 無能な父上と、有能アネウットの扱い………

 エライ違う。

 違いすぎる。

 母上………


 ワイも父上と同じく無能やから、母上の厳しい言葉を受けると、いつも股間がひゅっとする。


 やっぱりワイも、何かやらかすと、不味いんか?

 ワイも父上同様、追放されるんやろか?


 ワイも浮気したら不味いんやろか?

 浮気する前に、恋人もおらんのやけども。

 そんなワイの内心など露知らず。


「良いですか。私にとっては、アネウットと、その子供には血のつながりは、ありません」

「!!!」

「………」


 再び直立の姿勢で、身を震わすアネウットは無言。


「父上の子供やけども、母上の子供や無いからなぁ。母上にとってアネウットと、その子は他人や」

「そうです」


「それはワイにもわかる」

「そうです。でも、アネウットの子供は、貴方の弟か妹では在るのです」

「………ファ〜〜〜。それは気が付かんかった」


「それくらいは気付きなさい!」

「確かにワイの父上と、アネウットのお腹の子の父上は、同じやからな〜。凄い事に気が付いたな。流石母上は有能や」


 ワイの母上はワイと違って有能。

 ワイとは頭の作りが違う。


「あたりまえです。それよりも貴方の弟か妹の母親になるはずのアネウットを、貴方は大切に扱うのですよ」


「わかったで〜。母上まかせてや〜」

「約束ですよ。貴方がアネウットと、その子供の、後見人になるのです」

「!!!」


 ワイは母上と、そんな約束をした。

 その日から、無能なワイは、有能なアネウットの後見人になった。


 ………なんで無能なワイが、有能なアネウット(少し年上)の後見人になれるのかは、よくわからんかったが………て言うか後見人ってなんや?


 食べれるものなんか?


 後から知った事だけれども、

 無能なワイには、それでもよく分からなかったが………

 父上の子を身籠ったせいで、アネウットの当家での立場は最悪だった。


 母上の使用人や部下から、アネウットは白い目で見られとる。

 無理もない。


 この家の当主は、父上では無く有能な母上や。

 母上が許しても、有能な母上に忠義を感じ慕っとる者達は、父上の為に母上を裏切ったアネウットに対する風あたりは強くなる。


 それを、なんとか出来るのは、アネウットの子供と、ワイとワイの弟2人との血の繋がりだけだった。


 要は母上はアネウットの後ろ盾に、ワイの、この貴族プラチナム家長男という立場を使う気やった。


 それと同時に、無能なワイの護衛と教育に有能なアネウットをつけたかったらしい。

 ………たぶん。


 母上は有能やから一石二鳥を狙ったんや。

 と説明を受けた気がするが、ワイにはよくわからんかった。


 ワイは無能。

 でも………

 ………ワイの母上は有能。

 やる事にまちがいは無いんや。

 ………たぶん。


◆◆◆◆◆



 恋の炎は我々に活力を与えてくれる

 しかし、その炎は我々を焼き滅ぼす。

 危険だと忘れてはならない。


 ましてや、恋の相手や、恋のライバル。

 その炎で焼き尽くされる危険もあるのだ。


 だからといって、

 恋する事をやめれば

 生きてる価値が無い。


 だって

 希望の次代が産まれ無い。


 だから………きっと

 世界は恋で紡がれてきた

 




 

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― 新着の感想 ―
阿呆は悩まず真を突くってヤツやなぁ ワイくん、自認ほど無能じゃない気がするやで
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