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ペット3、喧嘩上等



 ワイの言葉に固まった二人。

 男性のスチールのほうがアネウットよりも先に硬直が解けたようだ。


「よ〜〜し。ボンが、何を言ってるか、わからない!」

「ファッ? なんでや?」


「いつも通り、頭絶好調だと言う事だけしかわからない」

「なんや。どういう意味や?」

「………」

 アネウットは無言。


「なぁ〜〜〜アネウット。ホントの所どうよ? オマエさん、何を思ってボンに接近した?」

「………それはモチロン。若さまが私を天使だと思うのなら。私アネウットは、若様の天使ですとも」

 アネウットは、えへんと得意気に胸を張る。


「おいおい! 自分で自分の事を天使とか言う奴がいるか普通?」

「ファッ! やっぱりワイ君が睨んだ通り、アネウットは天使やったんか?」 

「はい」


 やっぱりそうか。

 アネウットは天使やった。


「ハイじゃね〜よ。あっさり騙されるなよ。ボン」

「ワイの目は節穴じゃなかった」

「………ボンの眼、節穴だろ」

「フッァ? なんでや?」


 目を丸くするワイを無視してスチールは………


「なぁ、アネウット。実際の所。ボンのこういう所どう思うよ?」

「可愛いと思いますよ。操りやすくて」

「フッァ?」


 操りやすいってなんや?

 アネウットの言葉に困惑するワイ。

 操るという言葉を聞いてか………

 一気にテンションが上がるスチール。


「はい、正体をあらわしたね………オマエは絶対に天使じゃ無い。天使がそんな事を言うか!」

「ファッ? 何を言うとるんやスチール。アネウットは天子や。ワイが出会えた事は奇跡やで」

「ボン」


 哀れな物を見る目でスチールがワイを見てくる。

 う〜ん。

 頭が残念なワイは、他人の侮蔑や同情と言った感情をよく向けられる。

 だが………や。

 ワイは他人の気持ちや感情が正直よくわからんのや………対処法もな。


 それでもスチールからは、その手の感情の他に想いやりが伝わってきた。

 ような気がする。

 が………アネウットを悪く言われては、黙ってはいられない。

 

「アネウットは天使や。ワイ等が出会えたのは奇跡やと、そう思って毎日を楽しく過ごしとるんや」

「ボン。奇跡って、何処でそんな運命を感じたんだよ?」

「それは………アネウットが父上の部屋で父上と抱き合ってる所を見た時に、ドキドキしたんや」

「おい! なんだそれ? 地獄じゃないか」

「………?」

「なぁボン………ボンがアレなのは知ってるけども、流石にやっぱり騙されてないか?」


「ファッ? ワイ君、騙されとるんか?」

「そうだ。アネウットはソイツは天使じゃないぞ」

「そうなんか?」


 スチールにあまりにも真剣にそんなこと言われると………それもそうかもな〜とか心が揺れる。


「アネウットは、おまえを利用しようとしてる悪魔かも知れない」

「フッァ?」

「いいかボン。ボンは強くて家柄も良い。だからボンを利用しようとする悪魔のような人間が寄ってくる。十分注意するんだ」

「ファ〜〜〜。じゃあワイ君を利用しようとしてるアネウットもスチールも悪魔やったんか?」


 ワイの言葉を聞いて、暫く無言だったアネウットがピクリと反応した。


「スチールさんが若様を利用?」

「いや、違うそうじゃ無い。俺は悪魔じゃない」


「だってスチールは、いつもワイを利用して貴族になる。とか世界を手にする。とか、痛い事を口癖の様に言っとるやないかぁ」

「!!!」


「………まぁ! ソレはソレは痛い事を言ってますね。スチールさんは中二病患者でしたか」

 微笑むアネウットと………

 顔を歪ませるスチール。


「ちゅ、中二病患者だと! 俺の野望が?」

「お馬鹿さんはトラブルをおこす。知者はトラブルを解決する。そして賢者は未然にトラブルを防ぐものです。トラブルをおこしたがる貴方の野望? とやらは立派なお馬鹿さん………と言うよりも中二病患者の症状ですよ」


 ふふふ

 と笑いながらスチールを小馬鹿にするアネウット。

 う〜ん普段優しく穏やかなアネウットが、珍しく怒っとる。


 女は笑いながら怒るから怖いで。

 母上も良くこんな状態になる。


「お、お前。愚かなアイアンと不倫して、特大のトラブルおこした愚かな重症患者が、俺の事を患者扱いだと?」

「な!!!」


「アネウット。お前が俺を患者呼ばわりするのは、銀行強盗実行犯がコンビニ強盗未遂犯に向かって、悪い事するなと言うようなものだぞ」

「私が銀行強盗! なんて事をいうの」


「テメェ、プラチナム家当主の旦那と息子を寝取っておきながら、その実感が無いのか?」

「寝取る!!!」


「玉の輿を狙ったのだろうが、俺のボンを利用はさせね〜ぞ。アネウット」

「そんな深い事は考えてません」


「ふ! 祇園精舎の鐘の声。諸行無常の響きあり。傲れるアネウットは久しからず。ただオレのまえのチリに同じ」

「!!!」

「テメエの野望は俺が阻止してやる」


 格好を付けるスチール。

 睨み合う二人。

 なんか2人が難しい事を言い出したで。


「ファッ?………どういう意味や?」

「若様、この男は危険です。若様を騙して、我々の仲を引き裂こうとしています」

「なんやて〜〜〜! なんて事を。何でやスチール。お前ワイ君の味方や無かったんか?」


 スチールを見る。

 スチールとは、出会った頃から良い関係だと思っていたのに。


「騙されるなボン。その女こそ我々の絆を裂こうとしてるのだ」

「そ、そうなんか?」


 アネウットを見る。

 アネウットはワイ君の味方や無かったんか?

 そ、そんな………ショックやで。


「若様騙されないで」

「ボン、我々の血の絆を思い出せ。お前は俺と一緒に世界を征服するのだ!」

「そんな頭の悪い中二病患者の妄想計画に、若様を巻き込まないでください!」

「な、妄想だと。俺の完璧な、成り上がり計画を………」


「ファ〜〜〜! わけわからんで。誰が味方で誰がワイ君を騙そうとしてるんや?」

 ワイが混乱して頭を抱えると………


「敵はそこの淫乱サキュバスだ」

「誰が淫乱サキュバスですか! 若様騙されないで、その男は中二病です。触ると伝染りますよ」

「中二病が伝染るかよ!」

「伝染ります。私の若様に近づかないでください」


 そう言って、ついにアネウットはスチールに飛びかかり、その首に両手をかけてスチールを締め落とそうとする。

 スチールも慌てて反撃。

 アネウットの首を締めようとする。


「ぐお。て、テメェ〜、アネウット。自分は俺の遺伝上の父親と弟に手を出したくせに」

「!!!」

「俺の父と弟は、お前が二人に手を出したせいで○兄弟になってしまった」

「遺伝上の父親と弟?」

「遺伝上の父と弟が○兄弟になるって………ただでさえ私生児で複雑な血筋の俺。その遺伝上の家族関係を、更に複雑にめちゃくちゃにしやがって………アネウット悪魔か貴様は!」


 出会ってわずか数分の間で、握手をしたスチールとアネウットの二人は………

 30分もたたぬうちに、お互いの首を締めあう二人になった。


 どうしてこうなった?

 ワイは一体何を見とるんや?

 父上とワイが○兄弟ってなんや?


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