表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/28

12、撤退戦2(もっかい手直ししろ)

 

 アネウットが廊下の角から飛び出してきた。

 彼女は廊下にスタンバイしたゴンザレスを見て、一瞬かたまる。


 が、ゴンザレスが指でワイ君の方向を指して、行けとハンドサインをした。

 それを見たアネウットは、

 うなずき、走る。

 ワイ君のあとを追いかけて


 二人のスムーズな連携や。

 ワイ君家の護衛達は有能。

 ワイ君とアネウットは走りながら合流した。

 そして………


「とりゃ。侵入者、覚悟!」

「え!!! なんです?」


 廊下の角から、アネウットに遅れて現れた母上は………

 アネウットとワイ君しか視線に入れて無かった。

 その為に、横からゴンザレスの体当たりをまともに受けて、彼に捕まった。


「侵入者、大人しく観念しろ」

「誰が、侵入者ですか! 離しなさい!」

「なにを………と、当主様?」

「そうです。早く離れなさい」

「は! で、では、侵入者は?」

「侵入者? そんなものはいません!」

「しかし若様が………」


「私は今、あの子を、お仕置きする為に追跡中です」

「あ………ナルホド。理解しました。………私は若様に騙されただけです。無罪です!」


 ゴンザレスは一瞬で状況を判断したのか、両手を上げた。

 即座に言い訳と自身の無罪を訴える。

 ゴンザレスの状況把握能力は有能やな。


「我が家につかえる者が、あの子に騙されるとは何事です?」

「しかし、まさか若様が私に嘘をつくとは、思いませんでしたので。ガハハ、一本取られましたな」

「エエイ。言い訳は身苦しいですよ。いいから離れなさい。重い」

「ハ!」


 そんなやり取りが、走るワイ君らの後ろから聞こえてきた。

 ゴンザレスは、あっさりと母上に従ったが………それはそれで

 ヨシ!

 これでかなり時間と距離が稼げた。


「若様、ゴンザレスさんを騙したんですか?」

「そやで〜。逃げる途中で少し母上の電撃を受けて賢くなったからな」

「え?」

「ワイ君は昔から母上から、電撃お仕置きを受けると、少しは賢くなる気がするんや」


 ワイ君の言葉に、アネウットは走りながら少し考えると。


「………そんなに、お仕置きを受けるのが嫌だと?」

「わからんが、ビリビリすると、賢くなるんや」


「………そうですか。いえ、今は逃げる事を考えましょう」

「そやな〜。母上がモタモタして、ワイ君等を見失っとる。今のうちや」

「はい」

「バレないように庭へと逃げるで〜」

「庭へ?」

「窓から逃げるで〜」

「はい」


 ワイは2階の窓を開けた。

 そのまま窓から下へ飛び降りる。

 アネウットは窓枠から体を窓の外へ出すと、器用に窓を外から閉める。

 

 あ、ワイ君等が窓から逃げた事を、母上に悟らせないためのアリバイ工作か?

 アレなら母上は、ワイ君等の脱出に気が付かずに屋敷の中を探しまわるかもしれん。


 窓を閉めたアネウットは

 そしてスルスルと壁をつたいロッククライミングの逆の様に、飛び降りることなく降りてくる。


 むう。

 飛び降りたワイ君よりも優雅に降りよる。

 ちょっと見惚れたが、今は、そんな場合やない。

 気を取り直して、ワイ君は家の敷地内でも人気の無い方へと駆け出した。

 母上が近づかない場所へ。


 一言でワイ君家と言えど、貴族の家。

 敷地内は広大や。

 母上の目の届かない場所もある。


「アネウットこっちや」

「何処へ向かうのです?」

「ワイ君が隠れてコッソリ飼ってるペットがいる場所や」


「若様、そんな事をしてらっしゃるのですか?」

「ペットを飼おうとしても、母上の許可は絶対におりんでな」

「そう、ですか」


「内緒で飼ってる。もう5年くらいたつかなぁ?」

「え? そ、そんなに? 5年と言えば、私がこの家に来た頃じゃありませんか? 私、全然ペットに気が付きませんでした」


「アネウットが来る前から、既にして飼っとるからなぁ」

「………」


「ワイのペットを飼う、前と後の変化に気がつけない分。逆に、盲点になっとるんやろな」

「はぁ。なるほど」


「ま、そこなら母上に見つからんでな」

「若様は当主様から逃げ切るのは不可能だとおっしゃっていませんでしたか?」


「………なんの話や?」

「いえ、先程………」

「………?」

「いえ、勘違いならいいです」


 むぅ?

 何やっけか?

 そんな事を言ったか?

 ま、ワイ君、運動したからな。

 運動前の事など既にして忘れたで。


 無能に記憶力を期待されても困る。

 自分の言ったことやった事。

 それを平気で忘れて責任を持たんから、ワイ君はワイ君。

 無能なんや。


 そんな事を考えながら逃げるワイ君は、

 自然にアネウットと手を繋いでいた。


 一人だと

 ひたすら怖い母上のお仕置きも

 ふたりなら

 なんだか楽しかった。



◆◆◆◆◆◆◆◆


 自分達の恋を世界の中心だと考えろ

 恋愛でふられることも

 恋のライバルとの争いも嫌がるな

 そういった経験が

 あなたをモテる人間へと成長させる



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ